発行されているにもかかわらず、使用頻度(しようひんど)が低いお札(さつ)に二千円札がある。なぜ人々に人気が出ないのか? は分からないが、お札仲間の間で、『あいつは、どこか俺達と違わないか?』などと呟(つぶや)かれ、『そうなのよねぇ~~!』と、お姐(ねえ)言葉で同調されるようなお札なのである。^^ そういえば、他のお札は人物像だが、二千円札だけは建物の守礼の門になっている点もお札仲間の間で異端児扱いされる原因なのかも知れない。そんなあまり出回らないお札が手元に入れば、少しは驚くだろう。今日は、そんなどぉ~~でもいいようなお話です。^^
「おいっ! 船崎(ふなさき)君、ちょっとこの札、前の銀行で千円札2枚に換えてきてくれっ!」
「はいっ! 珍しいですねぇ~、2千円札ですか…」
課長の波止場(はとば)に頼まれた船崎は、手にした2千円札をシゲシゲと物珍しげに見ながら驚くことなく立ち去った。
それからしばらくして、銀行へ換金に行った船崎が少しテンションを下げて帰ってきた。
「課長、機械では換金出来ないようです。一万円札、五千円札、千円札、それにコインは出来ますが…」
「なんだ、やはりそうか…。どうすりゃいいんだ…」
「外で使うか、銀行なら窓口換金ですね」
「なんだ、窓口なら出来るのか…」
「らしいですね…」
波崎はその事実に少し驚いた。
お札で驚くのは2千円札くらいでしょう。^^
完