生きていると、どうしても欲が出てしまう。だが、枯れた人になれば、少々のことでは動じない。動じなければ当然、驚くこともなく、風に柳と受け流すことになる。では、枯れた人が驚くことはないのか? と問えば、神様や仏様ではない人である以上、そんなことはない。今日は、そんな枯れた人のお話です。
とある古刹(こさつ)の大僧正、朴念は九十八の老齢ながら、今日も勤行を続けていた。
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お付きの僧正、懸想は大僧正の健康を絶えず案じて心が休まることがなかった。というのも、いつお倒れになるか…という心配が付き纏(まと)っていたからである。そのとき突然、一匹のアマガエルがどこから現れたのか、朴念の頭の上に飛び乗った。だがその次の瞬間、朴念の頭髪のない頭に滑(すべ)り、ポトン! と木魚の上に落ちた。枯れた人・・と寺内の僧侶達の間で名を馳せていた朴念だったが、思わず驚くと気を失ってしまった。
このように、徳を積んだ枯れた人でも驚くことはあるのです。^^
完