「愛をもって五つの徳目を行(ぎょう)じよ」と語りました。そして、「愛」をもって、この五つの道を、「礼」「智」「信」「義」「勇」という五つの道を実践したときに、そこに現れるものは、いったい何でありましょうか。それが、「徳」というものなのです。そこに徳が現われてくるのです。
徳というものの考え方のなかには、もちろん先天的なる“器”の大小という考えもあるでしょう . . . 本文を読む
以上で、五つの徳目について、お話をしました。しかし、この五つの徳目を実践して王道に入っても、まだ足りないものがあります。それは、この五つの徳目の基礎、底辺にあって、これらを支えるものです。これが「愛」です。古い言葉では「仁」ともいいますが、この愛の力が基礎になければならないのです。
愛をもって、「礼」をせよ。すなわち、愛をもって、愛の心をもって、礼を守れ、礼儀を行なえ、己が利害の . . . 本文を読む
以上、「礼」「智」「信」「義」「勇」という五つの徳目をあげてみました。この五つを使って、自分自身というものを、もう一度、判断していただきたいのです。
まず、あなたは礼儀を心得ているか。少なくとも品性卑(いや)しいと言われていないか。そのような素行の卑しさはないか。他の人に知られて恥ずかしいような、こそこそとしたことをしていないか。これが満たせなければ、まず王道には入れないのです。 . . . 本文を読む
そして、指導者になるための五番目の条件、それは「勇」です。「勇」とは、勇気の勇です。
ああ、現代では、勇気のない人びとの、いかに多いことよ。己の心に照らして、それが正しく、他の多くの人びとのためになると判っていることであっても、行動できない人の、あまりにも多いことよ。
勇なき民の多さに憂(うれ)えているのは、私だけではありません。心ある数多くの人たちは、この勇な . . . 本文を読む
一番目に「礼」、二番目に「智」、三番目に「信」と言いました。四番目に大事なことは「義」です。「義」とは、正義の義です。義には、二つの面があります。
一つは、他の人びとから恩義を受け、何かを与えられたとき、そこに感謝の心が生まれ、報恩をしていくという意味での義があります。受けた恩を忘れずに報恩していくという意味での義です。しかし、これは指導者の条件としての義ではありません。そうでは . . . 本文を読む