◎ 小惑星リュウグウ「表面の岩石は隙間多い特殊な岩か」JAXA
2020年3月19日 4時38分
日本の探査機「はやぶさ2」が調べた小惑星「リュウグウ」の表面にある岩石は、細かい粒が集まってできた隙間が多い特殊な岩である可能性が高いことがわかったとJAXA=宇宙航空研究開発機構が公表しました。
JAXAの探査機「はやぶさ2」はおととし、小惑星「リュウグウ」から20キロ以内の距離で、赤外線カメラを使って表面の全域を撮影し、太陽光の当たり方による温度の変化を分析していました。
観測前は、表面の砂は温まりやすい一方で、岩石は密度が高いため、地球の一般的な岩と同じように温まりにくい性質があると想定されていました。
しかし観測すると7時間余りの自転で太陽光の当たり方が変わると、砂と岩石の温度は60度からマイナス50度までほぼ同じように変化し、温まりやすさに違いがなかったということです。
こうした結果から研究グループは、リュウグウの表面にある岩石は細かい粒が寄せ集まってできた隙間ががたくさんある特殊な岩である可能性が高いとしています。
こうした特殊な岩石は「リュウグウ」ができた時に、元となる天体から受け継いだもので、初期の太陽系では比較的、多くあった可能性があるとしています。
JAXAの岡田達明准教授は「初期の太陽系の岩石は乾いた泥の固まりのように、つまむと砕けるほどもろい可能性がある。リュウグウは地球のように固い天体に変化する途中の状態を示しているかもしれない」と話しています。