◎ はやぶさ2探査の小惑星「リュウグウ」表面はもろく流動的性質
2020年3月20日 4時52分
日本の探査機「はやぶさ2」が去年、小惑星「リュウグウ」に作った人工のクレーターの大きさは想定の1.5倍近い直径14メートル余りで、表面は想定以上にもろく、流動的な性質を示すことが分かったとJAXA=宇宙航空研究開発機構が公表しました。
JAXAの探査機「はやぶさ2」は去年、小惑星「リュウグウ」に金属の塊を衝突させて、小惑星としては世界で初めてとなる人工のクレーターを作り、画像などを詳しく分析していました。
「はやぶさ2」から分離された小型カメラで、衝突のおよそ8分後までの様子を撮影した画像が公開され、衝突によって放射状に飛び散った岩石の破片は小惑星の上空50メートルほどに達したことが確認できたということです。
また別のカメラの画像から、形成された人工クレーターは直径14.5メートルで、深さが2.3メートルあることも分かりました。
事前の想定では、クレーターは最大でも直径10メートル程度とされていましたが、その1.5倍近い大きさだったことから、岩石や石はもろく、表面は想定以上に流動的な性質を示すことが分かったとしています。
神戸大学の荒川政彦教授は「表面には岩石があるが、強度はほとんどないようだ。『はやぶさ2』が採取したとみられる『リュウグウ』の岩石を調べると、新たな発見につながるかもしれない」と話していました。