(NASAのSDO衛星による最新の太陽の可視画像(NASA))
① ""太陽の黒点消失「2月はほぼゼロ」10年ぶりに最少「極小期へ突入」""
2019年03月04日 14時47分
2月は、太陽の黒点がゼロの日が26日間続いていたことが、欧米の研究機関の観測で明らかになった。宇宙天気予報センターによると黒点が見えたのは2日間だけで、ここまで少なくなったのは、2009年8月以来、10年ぶりだ。
太陽は27日間隔で同じ面を地球に向けており、米航空宇宙局(NASA)や、日本の情報通信研究機構(NICT)をはじめとする各国の研究機関は、27日周期で太陽活動をとらえ、地球に影響を及ぼす宇宙の天気を予測している。
このうち、太陽の黒点と黒点群の数(相対数)を計測しているベルギー王立天文台の「世界データセンター(WDC-SILSO)」によると、2月の月間平均値は「0.8」と1以下だった。黒点相対数が1を割るのは、2009年8月に無黒点状態が1カ月続いて以来、10年ぶりだ。(NASAの太陽観測衛星SDOの観測動画)
(サイクル24は極小期に入った(NASA))
黒点は、温度が周囲より低く、光が弱いため暗く見え、約11年サイクルで増減を繰り返している。28日しかない2月に、黒点が見えたのは13日と21日の二日間のみで、太陽観測衛星(SDO)のデータでは、26日間ずっと表面に変化がないピンポン玉のような太陽の写真が続くばかりだ。
2008年12月に始まった現在の太陽周期は、第24周期(=サイクル24)の最終局面に入っており、11年目の今年は、極小期にあたる。ちなみに前の極小期で月の平均値が1以下だったのは、2008年7月と8月、2009年3月と8月の4回だったという。(下記は太陽の黒点活動が活発だった2015年1月1日の観測動画/NASA SDO)
③ オーロラは活発
(ノルウェーのトロムソで全天カメラにより撮影された、今月1日午後7時(世界標準時)のオーロラ(国立極地研究所/動画加工 : 宇宙天気ニュース) )
黒点消失が続く一方で、3月に入ってから、太陽から吹き出すプラズマの風(太陽風)の速度が高まっていることから、南極や北極圏ではオーロラ活動が活発化しているという。