(インドネシア・スラウェシ島のパル湾で津波が発生した瞬間(Hasrul Saputra))
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/ea/f5fd62cf0fe84f61a660c0d4c9a2dc90.jpg)
(パル湾では沿岸で海底地すべりの痕跡が見つかった(東北大))
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/9b/a383085308fcead35f2d2a578a2e4c7b.png)
(津波の爪痕。パルの東西を結ぶ観光名所のポヌレレ橋は倒壊した(インドネシア国家災害管理局BMPB)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/d9/5022ca0ba894fb05c19fc727df26ec61.png)
① ""インドネシア・スラウェシ地震「津波発生の瞬間」船は見ていた!(動画)""
2018年10月22日 15時48分
インドネシア・スラウェシ島で先月起きた巨大地震では、高さ3メートルの津波が島の中部を襲い、死者行方不明者合わせて※3565人の犠牲を出した。現地調査を行った東北大学の専門家チームは、今回の津波について、入り江の沿岸で相次いで起こった海底地すべりによって、大きな津波がいくつも発生した可能性が高いと指摘している。その見解を裏付ける動画が見つかった!
東北大災害科学国際研究所の今村文彦教授らの調査チームは、インドネシア政府の要請を受けて今月4〜6日の3日間、最も被害が深刻なパルを訪れた。
チームによると、今回の地震は南北に走る断層が水平にずれ動く「左横ずれ断層」が原因だとみられている。東日本大震災のように、大陸プレートに沈み込む海洋プレートの境界が上下に動く海溝型地震と比べて、断層の横ずれでは海面の動きが比較的小さいとされている。
実際、2012年4月にインドネシア・スマトラ島沖で起こったM8.6の巨大地震は、2004年のスマトラ島地震(M9.1)と違って横ずれ断層型だったため、大規模な津波は発生しにくい。しかし、今回の地震では、パル湾の入り江で、8〜10メートルの高さの津波が確認されている。
地形図を調べた結果、パル湾沿岸の海底では、過去に地すべりが発生した痕跡が5〜6カ所で確認できたことから、今村教授は今回も海底で複数の地すべりが相次いだために、局所的に大きな津波がいくつも発生した可能性が高いと結論づけた。
一方、米地球物理学会(AGU)は今月19日、今村教授らの調査結果を裏付ける動画を公表した。先月28日の地震発生直後にパル湾の西側を航行していた船が対岸付近の海面で次々に発生した津波の第2波、第3波をとらえたビデオだ。このようすは、当時、パル空港を離陸した直後の航空機のパイロットも撮影しており、入り江のあちこちで不規則に発生した津波が、パル市に向かっていく動きがよくわかる。
今村教授らは、地震や津波だけでなく、地すべりや液状化現象など、将来考えられるあらゆるリスクの総合的な評価が必要だとしたうえで、パルの復興には、地盤を今より3メートルほど嵩上げさせ、道路や建物などの構造物は、200メートルほど後退(セットバック)した内陸に建設するよう提案している。