泉大津市立図書館を駅前商業施設、アルザに移転整備。
市のプロジェクトが着々と進められている。
それに対する、疑問の声もフツフツと起こり、ついに「図書館をよくする市民の会」が議会請願の署名に取り組み始めた。
私は議会で請願を受ける立場になるが、その一方、この1年間、ずっと図書館移転について質問し、考え、発信してきた責任もあると思っている。
この機会に、図書館移転問題についての私見をまとめておきます。
長くなるかもしれませんが、良かったら読んでください。
図書館移転 何が問題か?
1、税金の使い方
一昨年の年度末、唐突に「駅前移転を視野にいれた検討をする」と新年度施政方針の中で打ち出された。
「なぜ駅前移転か?」と問うた時「賃貸借の方が将来負担が軽減される」という答弁だった。
その後、議会でのやりとりを振り返ると・・・
今年度 7千何円余(内設計費用 6千万余)が予算に計上された。私たちは反対したが、予算案は成立。
すでに設計業者が決まっている。
来年度 6億(内装工事費)の予定。来年度予算案に計上するのだと言う。
2021年度から20年契約 賃貸料10億(年間5千万)
これだけで16億7千万円。
その他、金額はわかならないが必ずいるだろうと思う支出・・・
引っ越し費用 。
現行図書館を引き続き活用するなら、その維持管理費。(人件費や最低限の水光熱費、その他)
活用するかどうかは今後検討というが、今、ある蔵書を全部持っていけないなら「活用」が前提。現に、検討委員会にも、その活用方法案が提示されている。
20年後は 「原状復帰」の上、 新たな施設の確保か?それに、どれほどの負担が必要か?わからないが、相当額であることは確か。
その一方「建て替え」の場合、 岡山県瀬戸内市の例で「約10億」。(この議会答弁の時に「賃貸なら、内装工事費が主なので、負担が少なくてすむと思われる」とのことだった。その時は、「そう思われた」のかもしれないが、今示されている金額が、上記)
3月議会答弁では、「14億の建設費 維持管理費(20年間)が2億8千万」・・・合計16億8千万円という試算を示した。
それと賃貸借の「工事費6億、賃貸料10億 合計16億」を比較して、「賃貸借の方が安い」と言った。
どう考えてもおかしい。
「賃貸借の方が安い」はウソだ。ウソでありながら、それを認めない行政に、不信を感じる。
2、「決め方」のプロセス
①「公共施設適正配置基本計画」は足掛け3年かけて、2千万以上の費用をかけた市の長期計画。「計画」の中味には問題はあると思っている。
しかし一度成案化した「計画」だ。「計画」と違う方向に進むなら、その理由を明らかにし、「計画」の変更の手続きをとるべきだ。そうでないなら、市民は何を信用したらよいのか?
市の長期計画、市民の前に示した、いわば「市民との約束」でもある「計画」を無視。そして「計画」に謳われた、他の生涯学習施設の整備のビジョンは一切示されていない。
②教育委員会でのまともな検討ナシ
この度、一市民が情報公開請求で取得した資料によると、2018年8月 「庁議で決定した」として施設管理者と交渉を始めている。
この時点での教育委員会での議論のあとはなし。教育委員会が所管する教育施設である図書館のありかたについて、教育委員会での議論なく進めてきた。
③市民の意見集約「形だけ」
パブリックコメント、団体ヒアリング、アンケート、 ワークショップなど、形の上では「市民の声」を聞くポーズを、とってきたが、「駅前移転」に異論、不安、疑問の声は全て切り捨てられた。「駅前移転を視野にいれ・・・」ではなく、「駅前移転だけを視野にいれた検討」であったと思う。
④議会での議論なし。
「移転を議会が決めた」と言う誤解が一部、市民から聞かれる。
「公共施設適正配置基本計画」と異なる方向に進み始めるときにも、20年間で16億円以上の事業に踏み出そうとすることについても、議会に対して、まとまった報告はない。ただの一度もない。「2元代表制の一翼として執行機関と対等に議論する」と、誇らかに謳った議会基本条例のもと、これでいいのだろうか???
3、図書館の本来の機能は充実するのか?
現行図書館の蔵書は約24万冊。 人口規模に対する「望ましい基準」は約30万冊。
移転後、「許容積載荷重」から置ける本は約17万冊と、3月議会で答弁があった。 6月議会では「17万冊は上限ではない。実施設計の中で検討」とも言われている。
自習室や会議室、ほっとくつろげるスペース・・・それらを望む声はある。声を活かして、より良いものをと願っている。しかし「知の拠点」としての図書館の魅力は、第一に蔵書の規模だ。その点での充実は、何よりも予算措置。その保障は見えない。
4、施設所有者について
施設所有者との、確かな「契約」を交わしたわけでもなく、「覚書」さえないと言う。
それで、なぜ「2年後の図書館オープン」が確約できるのか?なぜ6億円の工事を前提にした設計図がかけるのか?
「2年後、賃貸で使用できることを確信した」と言う。「強い信頼関係のもと、交渉してきた」と言う。
6月議会での質問の前に法務局で土地施設の登記簿、そこに掲載された法人の登記を入手した。
駅前再開発の傷跡ともいえる、「借金の塊」がそこには見える。名目上の所有者は転々とし、現施設に根抵当権を設定している会社は、文字通りのペーパーカンパニーであることも明らかになった。
このまま、進んでいいのだろうか???
情報を開示し、市民の声を本当に聞き取り、将来に禍根を残さない政策判断をしなければならないと思う。
市のプロジェクトが着々と進められている。
それに対する、疑問の声もフツフツと起こり、ついに「図書館をよくする市民の会」が議会請願の署名に取り組み始めた。
私は議会で請願を受ける立場になるが、その一方、この1年間、ずっと図書館移転について質問し、考え、発信してきた責任もあると思っている。
この機会に、図書館移転問題についての私見をまとめておきます。
長くなるかもしれませんが、良かったら読んでください。
図書館移転 何が問題か?
1、税金の使い方
一昨年の年度末、唐突に「駅前移転を視野にいれた検討をする」と新年度施政方針の中で打ち出された。
「なぜ駅前移転か?」と問うた時「賃貸借の方が将来負担が軽減される」という答弁だった。
その後、議会でのやりとりを振り返ると・・・
今年度 7千何円余(内設計費用 6千万余)が予算に計上された。私たちは反対したが、予算案は成立。
すでに設計業者が決まっている。
来年度 6億(内装工事費)の予定。来年度予算案に計上するのだと言う。
2021年度から20年契約 賃貸料10億(年間5千万)
これだけで16億7千万円。
その他、金額はわかならないが必ずいるだろうと思う支出・・・
引っ越し費用 。
現行図書館を引き続き活用するなら、その維持管理費。(人件費や最低限の水光熱費、その他)
活用するかどうかは今後検討というが、今、ある蔵書を全部持っていけないなら「活用」が前提。現に、検討委員会にも、その活用方法案が提示されている。
20年後は 「原状復帰」の上、 新たな施設の確保か?それに、どれほどの負担が必要か?わからないが、相当額であることは確か。
その一方「建て替え」の場合、 岡山県瀬戸内市の例で「約10億」。(この議会答弁の時に「賃貸なら、内装工事費が主なので、負担が少なくてすむと思われる」とのことだった。その時は、「そう思われた」のかもしれないが、今示されている金額が、上記)
3月議会答弁では、「14億の建設費 維持管理費(20年間)が2億8千万」・・・合計16億8千万円という試算を示した。
それと賃貸借の「工事費6億、賃貸料10億 合計16億」を比較して、「賃貸借の方が安い」と言った。
どう考えてもおかしい。
「賃貸借の方が安い」はウソだ。ウソでありながら、それを認めない行政に、不信を感じる。
2、「決め方」のプロセス
①「公共施設適正配置基本計画」は足掛け3年かけて、2千万以上の費用をかけた市の長期計画。「計画」の中味には問題はあると思っている。
しかし一度成案化した「計画」だ。「計画」と違う方向に進むなら、その理由を明らかにし、「計画」の変更の手続きをとるべきだ。そうでないなら、市民は何を信用したらよいのか?
市の長期計画、市民の前に示した、いわば「市民との約束」でもある「計画」を無視。そして「計画」に謳われた、他の生涯学習施設の整備のビジョンは一切示されていない。
②教育委員会でのまともな検討ナシ
この度、一市民が情報公開請求で取得した資料によると、2018年8月 「庁議で決定した」として施設管理者と交渉を始めている。
この時点での教育委員会での議論のあとはなし。教育委員会が所管する教育施設である図書館のありかたについて、教育委員会での議論なく進めてきた。
③市民の意見集約「形だけ」
パブリックコメント、団体ヒアリング、アンケート、 ワークショップなど、形の上では「市民の声」を聞くポーズを、とってきたが、「駅前移転」に異論、不安、疑問の声は全て切り捨てられた。「駅前移転を視野にいれ・・・」ではなく、「駅前移転だけを視野にいれた検討」であったと思う。
④議会での議論なし。
「移転を議会が決めた」と言う誤解が一部、市民から聞かれる。
「公共施設適正配置基本計画」と異なる方向に進み始めるときにも、20年間で16億円以上の事業に踏み出そうとすることについても、議会に対して、まとまった報告はない。ただの一度もない。「2元代表制の一翼として執行機関と対等に議論する」と、誇らかに謳った議会基本条例のもと、これでいいのだろうか???
3、図書館の本来の機能は充実するのか?
現行図書館の蔵書は約24万冊。 人口規模に対する「望ましい基準」は約30万冊。
移転後、「許容積載荷重」から置ける本は約17万冊と、3月議会で答弁があった。 6月議会では「17万冊は上限ではない。実施設計の中で検討」とも言われている。
自習室や会議室、ほっとくつろげるスペース・・・それらを望む声はある。声を活かして、より良いものをと願っている。しかし「知の拠点」としての図書館の魅力は、第一に蔵書の規模だ。その点での充実は、何よりも予算措置。その保障は見えない。
4、施設所有者について
施設所有者との、確かな「契約」を交わしたわけでもなく、「覚書」さえないと言う。
それで、なぜ「2年後の図書館オープン」が確約できるのか?なぜ6億円の工事を前提にした設計図がかけるのか?
「2年後、賃貸で使用できることを確信した」と言う。「強い信頼関係のもと、交渉してきた」と言う。
6月議会での質問の前に法務局で土地施設の登記簿、そこに掲載された法人の登記を入手した。
駅前再開発の傷跡ともいえる、「借金の塊」がそこには見える。名目上の所有者は転々とし、現施設に根抵当権を設定している会社は、文字通りのペーパーカンパニーであることも明らかになった。
このまま、進んでいいのだろうか???
情報を開示し、市民の声を本当に聞き取り、将来に禍根を残さない政策判断をしなければならないと思う。