こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

「徴兵制の国」の母の想いにふれて

2013-08-13 23:05:11 | 憲法・平和
猛暑ではありますが、元気に汗をかいてます。
会議など決まった用事の少ないこの1週間。
とにかく「片付けたい」。
押入れの中までひっくり返して、引越し並みの整理をしたい衝動にかられています。
「とりあえず」と書類をいれた箱、袋・・・。
昼までかかっても、見たところはほとんど変わらず。

今日は、昨日初めてお会いした方の相談で市役所に同行。
午後はそれで終わり、夕方少し涼しくなってから遅れている「議員団ニュース」の配布。
その後、市立病院に入院されている方のお見舞いです。

「韓国4日間」のことを毎日連載で書こうと思うのですが・・・。
正直なところ、なかなか言葉にできないのです。重たいです。

でも自分の記録として残し、ひとりでも多くの方が「ナヌムの家」に足を運んでくださることも願って綴っていこうと思います。

今度の旅を忘れがたいものにしてくれたのが、4日間、ずっと同行してくださった現地のガイドさんでした。
韓国コスメの威力か(?)美しく若々しい印象でしたが、ふとした話のなかで成人したふたりの息子さんのお母さんであることがわかりました。

徴兵の期間は海軍が27ヶ月。陸軍より少し長いそうです。
下の息子さんが今、海軍で訓練を受けているとのこと。
「私が運転して送っていきました。しばらくして息子が着ていた服、帽子、靴が箱に入って送られてきたとき、涙がこぼれました。だって、体がないんですもの。息子の体を包んでいたものだけ。赤紙(という言葉を使われました。)一枚で連れていかれ、帰ってこなかった。そんな母親の気持ちがわかるような気がしました。」

「徴兵制がなければ・・・と思われるでしょう。けれど、私たちの国は同じ民族がふたつの国に分かれている唯一の国なのです。」


「日本の憲法は変わるのでしょうか?」と問われ、私たちは「憲法9条は変えない方がいいと多くの国民が思っている」ことを口々に言いました。
「わかりました。これから私も私の周りの人にそう伝えます。」と応じてくださいました。

「生命(いのち)を生み出す母親は生命を守り育てることを望みます」と言う日本の母親運動のスローガン。
「日本の憲法。憲法9条は・・・変えないで欲しいです。」とも言われました。それは、徴兵制のある国で「命を守り育てる」ことを願う「母親」の顔でした。


橋下市長の発言に話が及び、少々遠慮がちに(「失礼かもしれませんが・・」と言葉を添えて)しかしきっぱりと「ああいう人を知事に選んだ大阪の人って、何を考えていらっしゃるんでしょう。政治家以前に人間として、どうかと思います」とも言われました。

流暢な美しい日本語で、歴史的な文化遺産を案内し、長い移動中のバスの中でハングルの成り立ちや特徴、韓国の暮らし、政治などについて語り、訪問先では報告者の話を通訳してくださいました。
その合間に、「働く女性、母親」としての素顔をのぞかせ、政治状況についての自身の率直な感想も本音でもらすのが魅力でした。

自分の祖国に誇りを持ちながら、日本についても表面的な知識・情報ではなく、深い理解をされようとしていること。
何気ない言葉にも、大変な努力をして勉強されていることが感じられました。

「いつかまたきっとお会いしたいです。」と心から思い、そう伝えたら「ありがとうございます。」としっかりと手を握ってくださいました。
そして娘たち一家が迎えに来てくれて、一足先にホテルを出た私を見送るため手を握ったまま外に出て、娘たちにも挨拶をしてくださいました。

これからも韓国と日本の人々の心を結ぶ架け橋として仕事をされることと思います。
聡明で素敵なガイドさんは、キム・スヨンさん。
コメント (2)
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