毎日新聞、8日、日曜日の一面記事は衝撃だった。
「1986年のチェルノブイリ原発事故でもたらされたセシウム137は大地に染み込み牧草を介して、今も、容赦なく羊の体内に取り込まれる。」(記事引用)・・・26年たった今、チェルノブイリから2000キロ離れた英国イングランド北西部のセラフィールド。放射線量の測定で基準値を超え頭部に「出荷停止」の赤ペンキを塗られる羊がいるという。
大飯原発の再稼動問題が議論されている。
政府は関電が提出した工程表を「おおむね妥当」として再稼動に向けて動き出そうとしている。
判断基準の前提となるストレステスト1次評価を審査した経産省原子力安全・保安院「意見聴取会」の委員を務める4人が、原子力産業協会などから5年間で1674万円の寄付を受けていたという事実を4月2日付け赤旗が報じた。
日本原子力産業協会(原産)は、原発利益共同体の中核、まさに「原発安全神話」を作り上げてきたことは、今や多くの国民が知るところだ。
チェルノブイリからもフクシマからも学ぼうとしない拙速な再稼動は絶対に認められない。
26年後の「汚染羊」を報じた8日の毎日新聞の一面記事は「・・・セラフィールドの地に立ったとき、原発が内包するリスクの大きさにたじろいだ」という記者の言葉で結ばれている。
こうした記事を掲載した同じ新聞が、政府の「再稼動」を前提にした動きについての報道はあまりにも無批判なのではないか?
国民の命、安全、そして将来の人々に対する責任ある判断と対応が問われている時に。