こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

地方から国政を動かす

2011-09-30 21:04:53 | 市政&議会報告
市議会第3回定例会が終わりました。

上下水道料金の引き上げは、日本共産党だけの反対、賛成多数で可決。

決算認定も、私たち3人の議員団は、一般会計・特別会計の認定に反対しましたが(水道、病院は賛成)、他会派の議員はすべて賛成で認定されました。

決算認定に対して、日本共産党市会議員団を代表して私が表明した意見の全文を以下に掲載。
だいぶ長いんですが、読んでいただけれると嬉しいです。


2010年度決算認定 討論
日本共産党市会議員団を代表して2010年度決算について意見を申し上げます。

【認定1号 一般会計・特別会計決算認定】

2010年度は、国民の選択によって政権交代がなされ、新しい政権のもとで国政において初めての予算編成が為された年でした。市長はこの年度の施政方針の冒頭、「政治に携わる一人といたしまして、昨年の最大の関心事は、やはり政権の交代でございました」と述べられました。
 果たして国民にとって、希望の一歩を踏み出す年となりえたでしょうか。残念ながら「政治が変わることで暮らしが変わる」という実感を抱くには、程遠い状況にあると言わざるを得ません。
 新しい政権の目玉政策であった子ども手当ては、民主党公約の半額支給であっても、本決算で15億4千万円余、一般会計決算総額の5.3%、民生費の約6分の1を占め、地方交付税の不足分の振り返え措置である臨時財政対策債の金額に匹敵します。15億円余が、文字通り自治体の自由裁量で使える一般財源としてあったなら、もっと有効に子育て支援、市民の暮らしを守るため、今と将来に生きる使い方ができたのではないでしょうか。しかも子ども手当ての導入にも、今年度下半期からの手当て廃止にもシステム改修、人件費など多額の費用をかけ、その一部は自治体負担です。
 このような財政運営について、率直な評価を下し、今後に生かしていく責任が、地方自治体にもあると考えます。市長は2010年度の施政方針で「国民として何をなすべきか、自分たちの夢をかなえる国にするには今何が必要なのか、真剣に考えるときが来ているように感じております。」とも、述べられました。国民の暮らしに密着した基礎自治体である市町村が、その国民の暮らしの実際の姿、国民の声、願いを束ねて国政を動かしていくことが、切実に求められています。市政にそれを期待するだけでなく、市議会もまた、その役割の一端を果たすべく、その一員としていっそう真剣な努力を重ねる決意を、本決算審査の議論に参加するなかで新たにしています。

一般会計決算は実質収支は約1億円の黒字となったものの、単年度では昨年度に引き続き赤字決算です。
日本共産党は1990年代から「借金財政で大規模開発の暴走は中止し、身の丈にあった行財政運営を」と警鐘乱打してきました。過去の開発事業のツケによる借金返しの増大に加え、累積赤字が膨らんでいる特別会計、病院会計への多額の繰り出しが、大きな負担となっています。現行財政健全化法以前には、一般会計だけの見かけの収支改善のために、特別会計、病院会計に対する繰り出しを抑制してきた結果でもあります。
このような厳しさの続く財政状況だからこそ、何を優先するべきなのかが問われます。

一般会計については特に次のふたつの点を指摘いたします。
ひとつは、市民の命、暮らし、時代を担う子どもたちの健やかな成長のために、自治体としての役割を最大限発揮することです。
個人市民税の収入済み額が前年度に比べ、約8%、額にして約3億1千万円減少していることにみられるように、市民生活の困窮の度合いはいっそう増しています。
こうしたもとで、税の減免制度の適切な運用、中小零細業者への利子補給の拡充による公平性の担保などとともに、全国98%の自治体で実施している就学前の子どもたちへの通院医療費助成の未実施、就学援助制度の他市にない厳しい制約などを改善し、若い世代に魅力あるまちづくりを進めることが、泉大津の将来の発展につながります。
10割の国庫負担を活用した「赤ちゃんの駅」など子育て支援策は評価するものですが、さらに支援を必要とする子どもと保護者を支える一環したネットワークシステムの構築、その要としての行政のリーダーシップ発揮を求めます。
生活保護世帯への真の自立支援とプライバシーの尊重、コミュニティー支援事業の要綱に照らしても不適切な制限をやめ、障害者の相談支援事業を拡充するなど、福祉行政に確固とした人権保障の観点を とりもどすことを求めます。
高齢者・障害者の支援策は財政状況を理由に削減の方向ですが、今、わずかな財政支出を削減することが介護・支援を要する方々の状態悪化により、将来もっと大きな扶助費の増大を余儀なくされます。歳出総額の2.3%を占める約6億6550万円の不用額を生み出したことは、職員の皆さんが並々ならぬ努力によって経費削減に努められた結果とは思いますが、必要な事業の為に予算上確保した財源を活用し、削るばかりでなく今の投資が将来に大きな効果となって現れる事業の展開に知恵と工夫を発揮していただきたいと思います。

指摘しておきたいもうひとつの点は、住民自治の根幹である「市民参加の市政推進」を、たてまえ、飾り文句ではなく、真に実態の伴うものとして成熟させるための行政の責任です。
保育所待機児童解消のための「保育所整備計画」や市営住宅の建て替え整備方針をうたった「市営住宅ストック活用計画」などは、実態と乖離したまま、事業が推進されています。進むべき方向を常に明らかにしながら事業を展開することが、市民との信頼関係の土台であることから、「計画」の見直しを先送りしないことをを求めます。
数多く開かれた「ごみ問題の出前講座」は、有料化条例の提案以前には「議会が決めることだから」と市民の疑問には答えず、有料化条例可決後は「議会が決めたことだから」と、市民の不満にふたをしてきました。改定前の「廃棄物処理基本計画」に「家庭ごみ有料化は市民の合意のもとに検討」とされていたものを、その合意形成のプロセスがとられず、「有料化」を決めた後に「計画」へのパブリックコメントを行うなど、「政策決定過程への市民参加」というパブリックコメントの趣旨を形骸化させるものです。有料化に伴う22年度の歳入、一般家庭ごみ収集手数料4200万円余は、小売店に先取り方式で負担をもとめ、長引く不況で日々の営業に血のにじむような思いをしている地域の小売店からは「売れない在庫を抱えて苦労している」という声も聞かれます。
ごみ減量リサイクルは、市民の生活スタイル、価値観の根本的な見直しがあってこそ、成果があがるのものであり、自治会関係者によるごみ減量対策部会の立ち上げなどがあるなか、有料化実施とともにその灯が消えたことは残念でなりません。かん・ビン・ペットボトル・紙類を含めた総量の減量を市民とともに目標をもって取り組む、本筋に立ち返ることを求めます。
国民健康保険、介護保険は国の政策の抜本的見直しにより、「低所得者は医療も介護も受けられない」事態を解消していくことが、政権交代に国民が託した願いでもあります。その転換がなされるために、市民の健康と医療に対するニーズと実態を把握し、国に働きかけるとともに、保険者としての責任で保険料の減免制度拡充、一部負担金・利用料の減免制度創設を求めます。
後期高齢者医療制度はこの制度が続けば2年ごとの保険料の引き上げで、やがて高齢者に負担増と医療差別をもたらすものであり、撤廃して高齢者の医療を真に社会全体で支えることができる制度へ転換させるべきです。
以上を含む、一般会計、特別会計決算認定には反対いたします。

【認定2号 水道事業会計】

泉北水道企業団、大阪府広域水道企業団のふたつの組織の運営主体として、光明池の水源の将来にわたっての確保、広域企業団の受水費引き下げなど、それぞれ積極的役割を果たすことにより「廉価で良質な水の安定供給」という水道事業者としての使命に応えることを期待し、賛成といたします。

【認定3号 市立病院事業会計】

泉大津市立病院は1927年和泉伝染病院にその源を発し、公立和泉病院として発足してから60年余の歴史のなかで、民間病院、地域の開業医と連携して地域医療を支えてきました。今、その歴史の大きな転換点にさしかかっていることは、決算審査の過程でも議論になりました。自治体病院の経営を困難ならしめてきた責任の多くは国の医療政策にあると考えます。一病床あたりの普通交付税単価は新病院発足直前の1997年、約74万円に対し、2006年には約49万円。3分の2に削減され、加えて診療報酬引き下げ、医師数の抑制政策による医師の絶対数不足などが全国の自治体病院の経営を一気に悪化させ、そのもとで国の政策誘導により、公立病院の整理・統合が進められています。
こうしたなかで、自治体病院が本来になう役割を今一度、見直し、市立病院を創設し、守り育ててきた先人の苦労を思い起こしながら、将来にわたって地域の医療環境を守るために最善の選択をしなければなりません。
そのために、市民が、そして私たち議会が間違いのない選択ができるだけの前提条件としての、徹底した情報公開を求め、決算認定に賛成いたします。


長い長い文章を読んでくださってありがとうございました
これでも、かなり削りました。なので、「何を言ってるのか、ようわからん」ところもあったと思います。



決算委員会中は、いつも持っているかばんの他に、こんな袋を持って家と市役所を往復していました。重たかった

今日からは「手荷物」は軽くなりますが、頭のなかは 宿題がいっぱい。もっと考えないといけないこと。調べないといけないこと。・・・・「肩の荷」は重くなりました

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 明日は市議会最終日 | トップ | 被災地の医療を守れ・・・市... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ハリー)
2011-10-02 09:34:30
私は、公務員が嫌いですので、傍聴に行かないかもしれません。ネット中継は、生中継以外に録画もありますよね?一度、ネット中継を見たいと思いつつも、延ばし延ばしになっています。ネット中継は、もちろん無料ですね?

 前のコメントでエゴバッグとしたのは、エコバッグの間違いです。お詫びして訂正します。
返信する
Unknown (ただち恵子)
2011-10-02 00:20:32
ハリーさんへ

議会傍聴は、5年前に傍聴規則を全面的に見直し、今は職業はもちろん、氏名を書いていただくことはありません。ただし、傍聴席が本会議は60席、委員会は10席ですので、それぞれ先着順で席の数だけの整理券を議会事務局で発行することになっています。

市民の方にきちっと見ていただくことが緊張感あるやりとりのために何よりの大切だと思います。

ネット中継もしていますが、時間の都合がつけば傍聴席へおこしください。
返信する
Unknown (ハリー)
2011-10-01 15:13:23
エゴバッグ(買い物用)みたいですね。
 議会も何を質疑しているのか、分からんということが多いです。また、役所へ行くみたいに、名前などを書かずに自由に傍聴できるといいと思います。書くとしても、名前だけにしてほしい。なぜ、職業まで書かないといけないのか、と思います。大阪や、阿久根(竹原市政のころ)や、名古屋のように、議会と行政が、激しく対立していると面白いですが、そういう自治体は少ないですね。泉大津は、共産党が3人で、他会派は、与党または、与党でも野党でもない状態、でいつも可決。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

市政&議会報告」カテゴリの最新記事