住民訴訟として「市立図書館の駅前移転のプロセスに疑義あり」とおこした裁判の公判が大阪地裁で行われ、傍聴した。
「駅前移転計画」が、どこで、どのように発案され、市としての意思決定がされたのか?
市が「庁議(部長会議のことを情報公開の資料で、このようにあらわしている)で決定した」として、駅前ビルの所有者と交渉を始めてから、その「決定」が、議会や市民に知らされるまでの半年間もの期間があるのはなぜなのか?
等々の疑問を解明するために、当時の総合政策部長を証人として要請し、今日は証人尋問が行われた。
原告代理人の弁護士の主尋問では、主に、2017年8月の「庁議決定」の前後の経過について、詳細に質問された。
「図書館と南公民館の建て替え・複合化」という「公共施設適正配置基本計画」が、成案となったのは2017年6月。
何年もかけて策定し、ようやく成案となる「計画」が示される直前の時期に、市民には見えないところで「計画」とは全く違う方向に向かって、具体的な動き、施設所有者との交渉を始めていたということ。
施設所有者との交渉を先行し、2018年度の初めに「駅前移転を視野に入れ・・・」と、あたかも「選択肢のひとつ」であるかのような言い方であったが、実はその前にも後にも「駅前移転」以外の選択肢については検討された形跡はない。
「政策決定の主要なプロセスから市民が排除されている」、「泉大津市参画及び協働の推進に関する条例違反」というのが、私たち原告の主張だ。
被告代理人弁護士が「図書館条例」について質問していた。
「図書館条例があること」「条例には、図書館の設置場所が明記されていること」「条例が制定されたのは昨年6月議会」「条例は全会一致で可決」・・・と、市と市議会のホームページを見れば、すぐにわかる疑問の余地のない事実について、この条例制定について関与もしていない証人に質問し、いちいち確認する意図は何なのだろうか?
「図書館は駅前に設置することを、最終的に決めたのは議会。その議決に、原告団に参加している3人の議員も含めて、全会一致で賛成している」とでもおっしゃりたいのか?と勘ぐってしまう。
図書館法10条は「公立図書館の設置に関する事項は、当該図書館を設置する地方公共団体の条例で定めなければならない。」としている。
図書館が「市立図書館」として存在するためには、「条例」は不可欠。
「図書館条例の全部改正」が議会に上程された昨年の6月。すでに旧図書館は「休館」という名目で図書館としての機能を失っている。駅前移転にいかに疑義を唱えようと、市立図書館は現に、駅前にしかない。泉大津市が図書館を持つためには、その条例を成立させる以外に選択肢はない。だから条例に、私たちも「賛成」した。
昨日も、駅前図書館に行った。
そして、本を1冊借りた。
私たちの図書館は「駅前」にしかない。
それでも、この裁判を続けるのは、ここにいたるプロセスに認めがたい住民自治の蹂躙があると考えるからだ。
読みにくく、長い文を読んでくださってありがとうございました。
私も「ドラマみたい・・」と思いながら、傍聴してました。
「こんなこと」が起こらないようにと、参画・協働の条例が作られたではなかったのでしょうか?あきらめたくないなあと思います。
順番に解き明かされていくような。
帰ってきてからテレビドラマなら、これから先は
どう展開するだろうなんて、考えてしまいました。