産経新聞 生活の党と山本太郎となまかたち代表の山本太郎参院議員は8日、参院本会議に出席した上で北朝鮮の核実験に抗議する決議の採決を棄権した理由について、「参議院の決議文は、衆議院のものに比べ、わが国独自の制裁を強める姿勢が読み取れる」と自身のブログで説明した。
その上で「わが国独自の『追加的制裁』は危険だ」「相手側の挑発に対して、より独自の強硬姿勢を示す事は、挑発に乗った形になる。わが国との緊張状態は、より強まる。それは、相手側の思惑にハマった事に等しい」などと持論を展開した。
同党は参院会派として採決に賛成したが、代表の山本氏のみが賛成しなかった。
弁護士ドットコム タレントのベッキーさんと、バンド「ゲスの極み乙女」のボーカル・川谷絵音(えのん)さんの不倫疑惑が週刊誌に報道されたことで、ネット上では二人に対する非難の声が上がっているが、「LINEのやりとりを公開した側に問題はないのか」といった指摘も出ている。
1月7日発売の週刊文春は、川谷さんが既婚者であるにもかかわらず、ベッキーさんと交際していると報道。
二人のものとみられるLINEのやり取りの内容や、LINEのキャプチャー画像などを掲載した。記事のなかでは、データの入手先について「川谷の将来を憂うある音楽関係者」としている。
たしかに、二人とも芸能人で、その言動は多くの人の関心を集めている。しかし、家族や友人と私的なメッセージを交換するツールとして使われる「LINE」のやり取りを、本人たちの同意なく公開することは、法的に問題ないのだろうか。プライバシーの問題に詳しい清水陽平弁護士に聞いた。
●プライバシーとして保護される内容
「まず大前提として、LINEのやり取り、画像などは、プライバシーとして保護される可能性が高いものといえます。
プライバシーについては、「宴のあと」事件という有名な裁判の判決(東京地判昭和39・9・28)で、以下のような要件を満たす場合に保護されるとされました。
(1)私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあること
(2)一般人の感受性を基準にして公開を欲しないであろうと認められること
(3)一般の人々に未だ知られていないことがらであること
現在もこの基準がストレートに妥当するのかというのは疑問なしとはしないのですが、実務上一つの基準として機能しています。
この基準によると、今回は、個人的なLINEのやり取りや画像であり(1)、一般人には当然知られておらず(3)、男女関係に関することと受け取られる可能性があることを考えれば、公開を欲しないといえる(2)ことは明らかと思います。
したがって、プライバシーとして保護されるべき内容といえます」
芸能人は、職業柄多くの人の目に触れるが、一般人と同様に考えられるのだろうか。
「芸能人であっても私生活がある以上、プライバシーがないということはありません。本件のような個人的なものについては、当然に保護の範囲が及ぶといえます。
ちなみに、仮に不倫関係であったとして、それが社会的に見て許されるものではないという事情があるとしても、プライバシー侵害になるかどうかの判断には、基本的に関係ありません」
●出版社も情報の提供者も、不法行為にあたる可能性
では、公開した側に責任があるということか。
「まず、プライバシーで保護される内容を公開した出版社は、プライバシー侵害による『不法行為』に当たる可能性があります
さらに、LINEのやり取りやキャプチャ画像などを出版社に提供した者も、プライバシー情報を直接公開したわけではないですが、出版社に渡している時点で公表してほしいという意思があるものと判断できるため、出版社とともに『共同不法行為』の責任を負う可能性があります。
提供した者については、本人のスマホなどを勝手に操作しているものと想像されます。そのため、LINEなどを勝手に見ることは不正アクセス禁止法に抵触しないのかという論点があります。
不正アクセス禁止法に抵触するためには、勝手にログイン情報等を利用してログインすることが必要ですが、実態として、LINEは最初に認証すると、あとはログインなどのステップを経ずにアクセスできてしまいます。そのため、不正アクセス行為には当たらないという考え方があります。
しかし、一方で、自動で認証がされているだけであるから、不正アクセス行為にあたるという考え方もあります。
これで実際に摘発されたという例は聞きませんが、法的には一応問題になり得る点です」
●法的には、どんな対応ができるのか?
プライバシーを公開された者は、どんな対応が考えられるのだろうか。
「プライバシー権に基づいて請求し得るものとして、損害賠償請求と、差止請求があります。
今回の場合、損害賠償は請求できる可能性がありますが、雑誌がすでに発売されてしまっているため、雑誌の発行を差し止めることはできません。
ただ、インターネット上にLINEのやり取りや画像について転載されてしまっているものもあり、それらについて削除を請求していくことは可能ということになります」
もし、実際に請求した場合、認められる可能性はあるのだろうか。
「最高裁は、プライバシー侵害の成否に関して、『事実を公表されない法的利益とこれを公表する理由とを比較衡量し、前者が後者に優越する場合に不法行為が成立する』としています。
具体的にどのような理由を考慮するかという問題はありますが、個人的には、世俗的興味に基づくものがその大半を占めると思われることからすると、法的には不法行為が成立するのではないかと考えています」
LINEの内容等が仮に本物ではなかったような場合には、どう考えればいいのだろうか。
「プライバシーの保護対象は『私生活上の事実らしく受け取られるおそれがあるもの』についても及びます。記事を普通に読めば、本人たちのものと受け取られるものであるため、やはりプライバシーの保護を受けることができると思います。
また、本人たちのものではないということであれば、本人たちが不倫をしているという誤解を生じさせる点で、名誉を害する事態になっています。そのため、名誉毀損の問題がクローズアップされることになります」
1998年にテレビ東京の『おはスタ』でデビュー後、ハーフタレントの先駆けとしてバラエティ番組を席巻し、歌手業や女優業、CM出演などマルチに活躍しているベッキー。過去には、人気グループのメンバーとの恋仲が報じられたこともあったが「基本的には“ノースキャンダルタレント”として、クライアントの評価も高かった」(広告代理店関係者)という。
「ベッキーは事務所内で特別な立場にいます。彼女は、200名以上が在籍する老舗芸能プロ・サンミュージック所属ながら、その屋台骨を支える“超エース”タレントですからね」(同)
ベッキーが、事務所内で特別視され始めたのは、2009年、事務所の先輩である酒井法子が薬物事件を起こしたことが発端となった。
「事務所幹部も、新人から育て上げた酒井をかなり信頼していたようですが、酒井本人は薬物事件を起こし、1週間にわたる逃亡後、逮捕。事務所は酒井を解雇しましたが、その際、クライアントに対して億単位の違約金支払いが発生したそうです。
まさに、事務所倒産の大ピンチ。そんな時、支えになったのが、すでにバラエティでガンガン稼ぎまくっていたベッキーでした」(事務所関係者)
ベッキーは仕事を次々とこなしていったそうだが、こうして屋台骨として成長する一方「事務所はベッキーのわがままやプライベートに関しては、基本口出しすることができなくなり、本人の意向に従うようになりました。
関わるスタッフも固定化され、ほかの者は口出しできない。まさに女帝というか、アンタッチャブルな存在になってしまったんです」(同)という。
そんなベッキーが今、大きなスキャンダルに巻き込まれた。今後について、現時点で所属事務所サイドは、番組やCMの出演見合わせや降板について言及していないものの、別の芸能マスコミ関係者は「かなりピンチになる」とみている。
「今回の一件で、早急に会見を開いたのは評価できるけれど、かといって影響力が強いタレントだけに、何食わぬ顔でテレビやCMに出演し続ければ、局やスポンサーにクレームが殺到するのは絶対に避けられない。
事務所とすればほかの所属タレントと比べてギャラのケタが違うベッキーが倒れたら、それこそ倒産危機になるでしょうね」(同)
迅速な火消しはよしとして、後始末は相当手こずることになりそうだ。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が暴走を始めた。
核開発による国際社会での孤立を深めるなか、原子爆弾の100~1000倍の威力を持つとされる「水素爆弾」の実験を成功させたと発表したのだ。
4回目となる核実験の衝撃は世界に広がっている。韓国では、情報収集能力の無能ぶりをさらけ出した朴槿恵(パク・クネ)政権への批判が噴出。
面目を潰された中国の習近平政権も苦しい立場に立たされている。正気の沙汰とは思えぬ蛮行に出た独裁者の狙いは一体何なのか。
「日本の安全に対する重大な脅威で、断じて容認できない。断固たる対応を取っていく」
安倍晋三首相は6日、官邸で北の核実験断行について怒りをにじませた。安倍首相は国家安全保障会議(NSC)を召集。7日午前にはオバマ米大統領と電話会談し、北朝鮮に対する国連安全保障理事会の新たな制裁強化をめぐり、緊密に連携しながら協議する方針を確認した
。首相は「安全保障上の重大な脅威だ」と述べ、オバマ氏も「地域と国際社会を脅かす卑劣な行為だ」と非難。オバマ氏は「日本など同盟国の安全を守るためのあらゆる措置を取る」と強調した。
電話会談は日本側からの申し入れで実現し、約20分間行われた。
東アジア地域の安全を脅かす暴挙に世界は憤っている。
国連安全保障理事会は7日未明、非公開の緊急会合を開き、過去の核実験で採択した安保理決議の「明白な違反」として強く非難する報道声明を出した。
常任理事国の米国と中国を中心に新たな制裁決議案づくりに向けた協議を本格化させる。
協議には今月から非常任理事国入りした日本も加わり、経済制裁を含む新たな決議を求める構え。
ケリー米国務長官は核実験について、「国際社会に重大な脅威をもたらす挑発行為」と非難する声明を発表。米国のパワー国連大使も声明で「厳格かつ包括的で確かな制裁」を科すべく折衝を進める考えを示した。
正恩氏は、昨年10月10日の朝鮮労働党70周年記念閲兵式での演説で「人民第一主義」を掲げて、深刻化する食糧問題の改善や経済再建に取り組む姿勢を鮮明にしたばかりだった。
それだけに突然行った核実験の衝撃は大きい。
北朝鮮情勢に精通する「コリア・レポート」編集長の辺真一(ピョン・ジンイル)氏は、「正恩氏は、核とミサイルに資金をつぎ込む姿勢を見直すものと思われた。
ところが、今回の核実験はその方針とは真逆だ。
核実験を行えば、経済面で依存する中国から制裁を食らうのは明白で、対中貿易も縮小する。自分で自分の首を絞めることになる。そんな愚かな選択はしないとする見方が優勢だった」と指摘する。
では、なぜそんな愚行に踏み切ったのか。予兆は昨年12月にさかのぼる。
北の国営メディアによると、正恩氏は同月10日、「わが国は自衛の核爆弾、水素爆弾の巨大な爆音を響かせることができる」と水爆保有に言及した。
その直後の12日、正恩氏が結成した女性音楽集団「モランボン楽団」が北京で予定していた初公演を土壇場でキャンセルし、楽団が急遽帰国した。
ドタキャンの背景についてさまざまな憶測が飛んだが、「正恩氏の水爆発言に対して中国側が難色を示し、それに怒った正恩氏が楽団を引き上げさせたという情報があった」(中朝情報筋)。
北の発表によれば、正恩氏が水爆実験の実施を命令したのは一連の騒動後の12月15日のことだった。
辺氏は「情報が確かなら、水爆実験に踏み切ったのは明らかに中国への反発だ。
この時点で核を外交カードに使うことを止め、交渉に応じない米国、6カ国協議への参加を求めて核・ミサイル開発を邪魔する中国を見限り、『わが道を行く』と決意を固めたのではないか」とみる。
正恩氏は2013年12月におじで当時、実質ナンバー2の地位にあった張成沢(チャン・ソンテク)元国防委員会副委員長を処刑した。
これを皮切りに幹部を次々と粛清するなど、独裁体制を一段と強化している。
昨年12月末には朝鮮労働党の最高情報機関、統一戦線部のトップが謎の事故死を遂げたが、ここにも謀略の影が見え隠れしている。
韓国国防省で分析官を務めた経験を持つ拓殖大学客員研究員の高永●(=吉を2つヨコに並べる)(コウ・ヨンチョル)氏は、「韓国への強硬路線を取る軍部と融和路線を取る朝鮮労働党との権力闘争の果てに殺害された疑いが濃い。
核実験に反対の姿勢を示して粛清されたのではないか」との見方を示し、続ける。
「これまでは党が正恩氏の暴走を止める役割を果たしてきたが、軍部の台頭でそれも機能しなくなった。正恩氏の独裁体制はブレーキ役を失って、暴走に歯止めがかからなくなっている」
孤立を深める独裁者の狂気が、世界を恐怖に陥れている。
測量学の世界的権威である村井俊治・東大名誉教授の「MEGA地震予測」は、抜群の的中率で本誌読者をたびたび驚かせてきた。
NEWSポストセブン GPSデータに基づく予測法は、今も日々精度を高めているが、2016年、地震列島・日本の最警戒ゾーンはどこになるのか。村井氏は「2016年も警戒を怠るべきではない」と語気を強める。
「昨年下半期には、7月、8月、9月、11月と複数回の全国一斉異常変動が見られました。過去のデータと照らし合わせると、異常変動から半年間は大地震の発生するリスクが非常に高くなっている。2016年春頃までに大きな地震が起こる可能性は高いと考えています」
最も警戒すべきはどの地域か。具体的に見ていく。
村井氏のMEGA地震予測は、自身が顧問を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)が、メールマガジンなどで展開する予測法だ。全国の「電子基準点」のGPSデータから地表のわずかな動きを捉え、地震発生との関連を分析する。
1週間ごとの基準点の上下動による「異常変動」、地表の長期的な「隆起・沈降」(上下動)、地表が東西南北のどの方向に動いているかの「水平方向の動き」の3つを主に分析し、総合的に予測する。
村井氏が、最近の動きから警戒を強めているのが、前記の3指標すべてで異常が見られた「首都圏・東海警戒ゾーン」だ。
「特に注目しているのが伊豆諸島です。昨年5月の小笠原諸島西方沖地震(神奈川・二宮町などで震度5強)以降も異常変動が頻発しています。
さらに昨年9月の東京湾地震以降も隆起・沈降、水平方向の動きが拡大しており、まだエネルギーは放出しきっていないと考えられます。
多くの人は首都直下型地震ばかりを心配しますが、どこが震源になっても地盤の緩い首都圏は大きく揺れる。実際、2014年5月の伊豆大島近海地震では震源に近い大島は震度2でしたが、千代田区では震度5弱を記録しました」(村井氏)
では現在、この「首都圏・東海警戒ゾーン」で何が起きているのか。短期的な地表の上下動データから読み取れる「異常変動」では、2015年7月以降、大島、三宅島、御蔵島などで5cm以上の変動が複数回見られ、中でも八丈島は8月初旬に7.78cmの変動が確認された。
長期的な「隆起・沈降」のデータを見ると、三宅島以北が隆起傾向にあるのに対し、青ヶ島以南は沈降傾向を示している。
「三宅島と青ヶ島の高低差は2015年年初の4.8cmから、同年末には7.8cmまで拡大している。隆起と沈降の境目には大きな歪みが溜まっており、今もエネルギーが蓄えられていると考えられます」(村井氏)
「水平方向の動き」では、千葉の房総半島南部、神奈川の三浦半島、静岡の伊豆半島南部が周辺地域と違った動きをしている。
「特に三宅島では複雑な動きが見られるため、伊豆諸島を震源とする地震の発生を危惧しています」(村井氏)
伊豆諸島以外にも気になる動きがある。村井氏は2015年4月、神奈川県小田原市と神奈川県足柄上郡大井町の2か所に自前の電子基準点を設置し、リアルタイムでデータを収集している。
その分析をもとに12月9日、週1回発行しているメルマガで初めて「緊急情報」を配信した。ちなみに大井町は関東大震災(1923年)の震源地である。
「瞬間的ですが、大井町の基準点が地震の前兆と思われる大きな異常変動を示したのです。設置間もないうえ、実験段階なので軽々に判断はできませんが、関東大震災同様、首都圏に壊滅的な被害を及ぼす可能性があるため、警告を発しました。しばらくは注意が必要です」(村井氏)
その他、村井氏は「北陸・北信越警戒ゾーン」、「北海道中央部警戒ゾーン」、「奥羽山脈警戒ゾーン」、「南海・東南海警戒ゾーン」、「九州南部警戒ゾーン」を“最警戒”と位置付けている。
※JESEAでは毎週水曜日にメルマガ「週刊MEGA地震予測」(月額216円)、スマホ用ウェブサービス「nexi地震予測」(月額378円)で情報提供をしている。http://www.jesea.co.jp
※週刊ポスト2016年1月15・22日号
1月5日、ツイッター上で、「地鳴りが発生した」というツイートが多数投稿された。Yahoo! JAPANが提供する検索サービスにおいても「地鳴り」の検索件数が急増し、6日更新の検索ランキングでは第3位にランクインした。
これらを見る限り、少なからぬ人数が地鳴りを体感したり、気になったりしたようだ。また、つられるように「大地震の前兆ではないか」と懸念する内容の投稿も見られた。
地鳴りについて、気象庁地震津波防災対策室に聞いたところ、「1月5日は特段大きな地震などは発生していない」と説明する。
地鳴りに関する情報はいくつか寄せられたものの、それ自体を特に重視することはなかった。
地鳴りとは、地震などによって地盤の振動する音が聞こえる現象、もしくはその音を指すが、地鳴りは、地震の前兆なのだろうか。
日本地震予知学会会長で電気通信大学の早川正士名誉教授は、「地震予知と地鳴りの関係はいまだ科学的に解明されておらず、地震の前兆として考えるのは現時点で早計」と指摘する。
地鳴りが発生するメカニズム自体、ほとんどわかっていない状況だ。
東海大学地震予知研究センターの長尾年恭教授は、「地鳴りの研究に取り組んでいるという人の話は聞いたことがない。
観測自体、どこで行なえば良いのかもわからず難しい」と話す。
地震に伴う地鳴りが聞こえやすいかどうかは、地学的な特徴にもよる。「たとえば、筑波山(茨城県)は比較的聞こえやすいが、東京ではほとんど事例がない」(長尾教授)という。
ただ、「地下で岩石が崩れた時には地震計が検知するはず」として、今回の地鳴りを大地震の前兆とする見方については疑問視する。
地鳴りおよび地鳴りに似た音が発生する原因としては、他に何が考えられるのだろうか。
長尾教授によると、上空の大気の温度差で音が屈折する現象によって、100~150km先といった遠くの大きな音が聞こえることがあるという。
このほか、火山活動や隕石の落下などによっても同じような音が発生することがある。
結局、今回の音の原因は今のところ不明で、地震との関係もわからないが、東日本大震災が発生してから間もなく5年が過ぎようとしている今日、この一件を、改めて防災に対する意識と準備を見直すきっかけにしてはどうだろうか。
(取材・文:具志堅浩二)
関東で不気味な「地鳴り」が話題 科学者も解明急ぐ地震の前兆
http://the-liberty.com/article.php?item_id=10732
「ゴゴゴゴゴ」という音がして、怖くて眠れない——。
年明け、インターネット上では、関東中心で「地鳴り」を聞いたという声が多く報告され、話題になっている。
こうした現象は、「宏観現象(こうかんげんしょう)」と呼ばれる。科学的な因果関係は分かっていないが、広い意味で地震の前兆と言われる現象だ。
◎「犬が暴れる」も研究対象
こうした前兆現象は、世の中的にも「迷信」では片付けられてはいない。
民間の専門家も、市民から前兆報告を収集して分析している。高知県では、南海トラフ巨大地震への対策として、前兆現象をファックスやメールで募集するなど、公的機関が募集する例もある。
(参照:高知県庁ホームページ・宏観異常現象について
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/010201/koukanijyougensyou.html )
「犬やネズミが暴れる」「空が赤く染まる」「地震雲」「井戸の水位が上がる」「ふろのふたにアリが集まる」「空が怪しく光る」。どれも報告対象だ。
地震の前兆に関する言い伝えは、歴史的経験則とも言える。科学の仮説となりうるため、迷信と片付けることはできない。その仮説を検証するには、多くのデータを集めなければいけないため、多くの専門家が"怪奇現象"の事例を募っている。
地震は、宇宙の出来事などに比べれば、よほど生活に密接した自然現象だ。前兆現象も、古くから報告されてきたもの。しかし、地面から下のことは観察しにくいためか、研究は進んでいない。
◎地震発生のメカニズム自体、謎だらけ
「前兆現象」以前の問題として、地震発生のメカニズムさえも謎が多い。
私たちの多くは「プレートのズレが地震を起す」と学校で習った。しかし、そのタイミングについては未解明のことばかり。
「大きくプレートが歪んでいる場所でなかなか地震が起きない。しかし、さほど歪んでいない場所で地震が起きる」。こんなことが多いそうだ。
輪ゴムを強く引っ張れば、いつか切れて手を打つことは分かる。しかし、どのタイミングでゴムが切れるのかは分からない。私たちにとってはそのタイミングこそ重要なのだが……。
様々な専門家が行う地震予知の確度も高くないため、「地震予知なんて、占いといい勝負」と思う人もいるかもしれない。
◎「地震=人間への警告」も研究対象となる仮説の一つ
このように未解明なことばかりの地震だが、大規模な場合や、あまりにも頻発する場合は、「世の中が乱れている」というのが、昔は世界各地の常識だった。
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖典である『旧約聖書』、イスラム教の『コーラン』、仏教の『法華経』『金光明経』、中国に伝わる「易姓革命」の思想——。
東西で、「政治や人心の乱れが大災害を引き起こす」という思想が見られる。
もちろん「各文明につながりがあったから」「人間は未知な現象を宗教に求めたいもの」と片付けたい人もいるかもしれない。
「地球は巨大な生命体なのではないか」と考える「ガイア理論」によれば、人間社会に対する、何らかの"嫌悪感"や"警告"が、災害に関連があると考える。「地鳴りが地震の前兆」と考えることと同様、検証する価値の十分ある仮説だろう。
こうした可能性を否定できるほど、科学では地球のことはまだ解明されていない。
(馬場光太郎)
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