夕刊フジ安倍晋三政権に超ド級の爆弾が直撃した-。甘利明経済再生担当相(66)や事務所側が、千葉県内の建設会社と都市再生機構(UR)の間で発生したトラブルの補償交渉の口利きをする見返りに、建設会社幹部から1200万円もの金銭や接待を受けていたとする記事が、21日発売の週刊文春に掲載され、国会で追及が始まったのだ。
甘利氏は、安倍政権の経済政策の司令塔役であり、進退問題に発展する事態となれば、政権への打撃は甚大といえそうだ。
「その会社の一行が大臣室などに表敬訪問されたのは事実だ。写真撮影などはしたが、それ以外、何をしたのか記憶があいまいな部分がある」「重要な問題なので正確さを期したい。一部でも違うこと(=答弁)のないようにしたい。客観的に確認して説明したい」
甘利氏は21日午前の参院決算委員会で、文春が報じた記事のなかで、自身に対する金銭授受疑惑(2013年11月に大臣室で50万円、14年2月には地元事務所で50万円)について、こう語った。民主党の安井美沙子議員の質問に答えた。
ただ、秘書が、建設会社とURの交渉に同席したことについて、「指示したのか?」と聞かれると、「まったく私の指示ではない。報告もない」と即答し、「(甘利氏自身が)罪に問われるような事実はないか?」と問われると、「一切ない」と言い切った。
秘書の金銭授受疑惑については、「取材を受けて『半信半疑、本当なのか。ウソではないのか』と思った。報道で初めて知った。第三者を入れて、きちんと調査したい。確認して(国会に)説明する」と語った。
約20分間、甘利氏は追及を受けたが、その表情は暗く、いつもの明るさも余裕もなかった。
それもそのはず、文春の記事は《甘利大臣に賄賂1200万円を渡した》《政界震撼スクープ》《現金授受 現場写真 音声公開!》などと、衝撃的な見出しが付いていた。グラビアを含めて9ページという分量だ。
記事によると、千葉県白井市の建設会社幹部は13年5月、URが行った道路建設の補償をめぐり、甘利氏の秘書に「何とかしてほしい」と口利きを依頼した。補償交渉が決着すると同年8月に神奈川県大和市の甘利事務所を訪れ、秘書に500万円を渡したという。その後、同社とURの間で新たなトラブルが発生し、関係は続いた。
同社幹部は「身を守る手段」として、事務所側との会話を録音し、面会の日時や場所、やり取りの詳細を記録するとともに、秘書をフィリピンパブなどで接待した領収書も保管してきたという。
記事では、甘利氏に渡した1万円札のコピーとされる写真のほか、幹部が昨年10月、大和市内で秘書に現金入りの封筒を渡す場面とされる写真まで掲載している。事務所側に渡した金銭や接待の総額について、幹部は「証拠が残っているだけでも1200万円に上る」と証言している。
まるで、時代劇の「悪代官と越後屋」を連想させるような記事といえる。幹部は「不利益を被ることは承知している」「金をとるだけ取って、最後は事をうやむやにしようとしている姿に不信感を抱いた」として実名で告発している。
これらが事実だった場合、政治資金規正法や、あっせん利得処罰法に違反する疑いがある。
UR広報は「事実関係の詳細については確認中。甘利事務所からの口利きについてはなかったと認識している」とコメントしている。
甘利氏は、12年12月の第2次安倍政権発足時から、安倍首相を閣内で支える最側近の1人だ。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の担当大臣でもあり、国会承認や関連法案に関する答弁を一手に担うため、これまで発覚した閣僚スキャンダルとは次元が違う。
民主党の枝野幸男幹事長は20日の記者会見で「相当深刻な問題だ。甘利氏本人に厳しく問いただす」といい、徹底追及する方針を示した。
同党幹部は「とても政治資金収支報告書の修正で終わるような話ではない。政治家としてアウトじゃないか。潮目が変わってきた」と語った。
序盤国会で野党陣営の追及が低調だったため、甘利氏の件で一気に攻めに転じる構えのようだ。
一方、安倍首相は21日午前、冒頭の決算委員会で「甘利氏も答弁されたが、すみやかに調査し、国民への説明責任を果たされることと思う」と語った。
菅義偉官房長官も同日午前の記者会見で「甘利氏が説明責任をしっかり果たすと思っている」と語った。スイスで20日から始まったダボス会議や、ニュージーランドで来月4日に行なわれるTPP署名式への甘利氏の出席についても「国会の情勢が許せば、出席の方向で調整させていただく」と説明した。
官邸としては、甘利氏を守る姿勢のようだが、与党内の警戒感は高まっている。
自民党幹部は「ここまで細かな証拠を集めるとは…。告発の背景を調べる必要がある」といいながら、「今国会最大の爆弾を抱えた。辞任に発展するかもしれない」と先行きを案じた。
第1次安倍政権では、閣僚不祥事が相次ぎ、07年参院選で自民党は大敗した。今年夏の参院選を見据えて、与党内は戦々恐々としている。
果たして、甘利氏は国民が納得するような説明ができるのか。安倍首相は、それを受けてどう判断するのか。
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