Our Wold in Data (daily cases)
1月14日、日本の感染確認数は2万人を超えた。もはや、オミクロン株の爆発的感染が始まったと言っていい。この感染爆発は、上のグラフのように、それまでなだらかな曲線で上昇していた感染確認数が数日で急角度を描き、数倍に膨れ上がる減少のことである。
オミクロン株の爆発的感染は、分かっている範囲の国では、南アで11月中旬(15日頃)から、英国で12月初旬(10日頃)から始まり、両国ともピークを過ぎた感があり、感染確認数は減少し始めている。その他の国では、アメリカ、フランス、イタリア、カナダ等で12月下旬(21~25日頃)からで、現在はピークに向かって進んでいると思われている。また、ドイツなどは、10月下旬から12月中旬にかけてのデルタ株による感染拡大が終わった後に、1月1日からオミクロン株による感染上昇に見舞われている。
日本では、12月中旬から緩やかに感染が拡大していたものが、1月5日前後から突然急拡大したが、これも諸外国のオミクロン株の爆発的感染と同じ傾向である。
3回目接種と検査体制の拡充以外に有効な対策はない
このオミクロン株の感染拡大防止には、ワクチン3回目接種と、それまでの変異株より無症状者が多いことからなおさらの検査体制の充実が有効なのは、世界的に異論はない。もはや行動規制には人びとは飽き飽きしているので、中国のように、問答無用というような行動規制はできないのであり、特に日本では、国民の自主的な感染防御行動に期待するしかないのであり、国の対策の主眼は早期のワクチン3回目接種と検査体制の拡充による感染者の早期発見におくしかないのである。
3回目ワクチン接種を、2回目終了後8か月などと馬鹿げたことを言いだした政府は、日本以外にはない。6か月を待たず、早い方がいい、というのが世界標準である。さすがに、遅いという批判に答えた岸田政権は、前倒しと言っているが、それでも65歳以上高齢者接種が本格化するのは3月である。1月14日の段階で日本の3回目接種終了者は人口の0.9%に過ぎない。11月13日で、英国52.7%、韓国43.1%、フランス40.2%、アメリカ23.5%に比べてあまりにも遅い。
一部専門家が1月末には、東京で1万人の確認数になると言っているが、それで収まる保障はない。3回目接種が進んでいる欧米ですら1日で数十万人規模の感染とエッセンシャルワーカーのダウンによる社会的大混乱が起きているのである。1月5日前後に感染爆発が起きた日本は、1月末か2月初旬には感染ピークを迎えることになる。3月からの高齢者、それ以降の一般本格接種では、予想される甚大な被害の後である。
また、政府は検査の拡大と言っているが、1月14日の7日間平均検査数は人口1000人あたりで、英国25.99,フランス22.34,アメリカ5.43,韓国3.78に対し、日本はわずか0.59である。
(データはすべてOur Wold in Dataによる)
岸田政権になって、予防対策は、それまでの安倍・菅政権の後手後手対策よりは早くなったという印象を持つ者は多いだろう。しかし、それは安倍・菅が気は確かか言いたくなるほど対策を始めるのが遅かったという「異常行動」と比較しての話である。岸田首相は、政権支持率を意識して、迅速対応を盛んにアピールしている。しかし、実際に行っているのは、やはり安倍・菅並みに遅いままなのである。
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