上の写真は、1月19日の自民党コロナ対策部会である。テレビ報道によれば、「100人ほどの出席議員たちは、一応はマスクやフェイスシールドを着用しているのだが、隣とは肩が触れ合うほど密着していて、テーブルをはさんだ対面も1メートルほどしか離れていない」状態だったという。 この人たちは、コロナ対策を論じ合うために集合しているのだが、完全にあることを忘れている。マスク着用は予防効果が大きいが、完全にウイルスを防御できるのではない、ということだ。
マスク着用によるウイルス防御効果については、スーパーコンピュータ富岳のシミュレーターがある。それによれば、飛沫を出す感染者側がN95マスクを密着装着した場合は、非感染者のウイルスを吸い込む量が100%カットされ、不織布や布マスクでは70%がカットされるという結果である。また、東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野の河岡義裕教授らの研究グループ でも、吐き出す側が不織布マスクを着用すると70%、吸い込む側が一般マスクで60~80%カットされるというものである。これらの研究で、吐き出す側、吸い込む側は両者とも不織布マスクをしていれば、およそ90%程度のウイルスをカットでできる考えられる。だから、マスク着用は予防効果があるのは疑いようがないのだが、逆に言えば、100%はカットできないことを示しているのである。
会議というのだから、最短でも1時間は行われただろうし、その間、マスク越しとは言え、隣と話すこともあるだろう。また、部屋の中でウイルスがいれば、その空気中濃度も上がる。この中で、誰か一人でも感染者がいれば、感染のリスクは免れない。
確かに、マスク着用しているので、クラスターとはならないかもしれない。しかし、日本中、職場や電車内で、数百万人がこのような状態ならば、その時々の確率は低くとも、確実に感染は広がる。
例えマスクを着用していても、人と人との距離を取り、換気を充分に行う。それがなければ、感染は収まらない。上の写真もそのことを忘れた人たちの集まりである。その人たちが、コロナ対策を議論しているのである。日本のコロナ対策がうまくいかない理由の大きな一つである。
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