政府は全員、テレワークで朝から酒を飲み、泥酔しているのではないか? 泥酔してでもない限り、これほど馬鹿げたことは言いださないだろう。そう言いたくなるほど、正気とは思えないことを言い出した。何と、本来コロナ危機の収束後に実施される消費拡大政策を、感染拡大の最中に前倒しで実施しようと言うのだ。
Go Toキャンペーンとは、「感染症流⾏が収束した後、国内における⼈の流れと街のにぎわいを創り出し、地域を再活性化するため」に、観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメント業などを対象に、補助金の支出により需要喚起を目指すキャンペーン施策だ。そのために、予算案で1兆6794億円を費やそうというものである。
政府は①「PCR検査数が増えたので、陽性者が増えた」、②「医療体制に余裕がある」、③「重症者は減っている」と言うが、①実際の検査数はさほど増えていないのに、感染確認数は確実に増えている、②医療体制の余裕の根拠は薄く、患者が増えればすぐに医療はひっ迫する、③確認されている若年層の感染拡大はいずれ高年齢層に伝染し、重症者は今後増加が予想される。このように、すべて現在も深刻な状況であることに変わりはない。
まともな政府なら、感染拡大を防止する措置を直ちに検討する、そんな局面である。それを、拡大防止どころか、感染を拡大する政策を実施しようというのだ。日本全体では、東京、あるいは首都圏以外は感染が収まりつつある状況なのは、毎日発表される感染確認数で明らかだ。人びとの移動が増えれば、ウイルスも移動し、確実に地方の感染を拡大させる。まともな政府なら、移動は我慢して欲しいと言うだろう。それを、正反対に人びとの移動を増加させる政策をやろうと言うのだ。
経済を再開させようとする流れが止まらなくなってきている。しかし、感染はゼロにならないが、最低でも感染が縮小化していない段階で、経済を再開させようとすれば、爆発的感染をもたらす。それは実際に、アメリカのニューヨークを除く、多くの州、インド、ブラジル等の中南米で起きていることである。日本は、早い時期からの、政府ではなく、国民の自粛という努力で、感染の縮小化に成功した。それを、日本政府は台無しにしようとしているのだ。経済を再開しようとしても、感染拡大の恐怖の中では、再開は極めて部分的にしかできない。むしろ、大幅な経済活動の再開を遅らせることになる。行動抑制を我慢できなくなったアメリカよりも、経済再開に慎重な欧州の方が、結果的には先に経済を再開できることになるだろう。欧州が、アメリカに対する入国制限を緩和しないことでも、それが表れている。
Go To 感染拡大キャンペーン! 東京のウイルスを日本全体津々浦々に広げましょう! 安倍政権は、そうしたいらしい。