著者は、本書を通じて、現在の世界史が時代にあわないため、新しい世界史を考える必要があると主張している。
本書の構成は、下記のとおり。
第一章:「現代日本における世界史理解の概略とその成立の経緯の確認」
第二章:「ヨーロッパ中心史観を核としお互いに関連する三つのポイントが現行の世界史認識の問題点であることを指摘し、新しい世界史はこれを超えるものでなければならない」こと
第三章:「新しい世界史に向けての様々な取り組み」の紹介とその有効性と問題点の指摘
第四章: 著者の新しい世界史の構想
本書で非常に残念な点は、第四章で新しい世界史を記述する言語として、あっさり英語をもってきていることだ。その理由は「現代世界で共通語となりつつある」かららしいが(153ページ)、本書で何度もヨーロッパ中心史観を批判していたことと、これは矛盾しないのだろうか。言葉は文化の重要な構成要素であるから、価値中立的にはならない。英語が多くの国の人に話されるようになっても、そこからヨーロッパ的な価値観はなくならない。
本書の構成は、下記のとおり。
第一章:「現代日本における世界史理解の概略とその成立の経緯の確認」
第二章:「ヨーロッパ中心史観を核としお互いに関連する三つのポイントが現行の世界史認識の問題点であることを指摘し、新しい世界史はこれを超えるものでなければならない」こと
第三章:「新しい世界史に向けての様々な取り組み」の紹介とその有効性と問題点の指摘
第四章: 著者の新しい世界史の構想
本書で非常に残念な点は、第四章で新しい世界史を記述する言語として、あっさり英語をもってきていることだ。その理由は「現代世界で共通語となりつつある」かららしいが(153ページ)、本書で何度もヨーロッパ中心史観を批判していたことと、これは矛盾しないのだろうか。言葉は文化の重要な構成要素であるから、価値中立的にはならない。英語が多くの国の人に話されるようになっても、そこからヨーロッパ的な価値観はなくならない。