読書 魚住昭著『官僚とメディア』（角川oneテーマ21）

内容は下記のとおり。
1．共同通信で、1999年に安倍元首相の自宅及び地元事務所に火炎瓶が投げられた事件にかかる記事が「出稿見送り」となった背景。
2.2005年の11月頃から翌年の春頃まで話題となった、ある一級建築士による建物の耐震強度擬装事件（当時のマスコミは、建設業者、経営コンサルが建築士と共同して強度の劣る建物を作ったとされたが、真相は建設会社が（経験とセンスがものをいう）従来とは違う工法で（経験とセンス不足の）建築士に依頼してしまったところに、誰もその建築士による耐震強度の偽装が見抜けなかったということである。）
この遠因に、建設業界の競争のほかに、「国交省の作り上げた建築確認システムの恐るべき空洞化」（96ページ）を指摘する。故に、建築士は偽装を7年も続けることができた。
3.NHk番組改編問題における朝日新聞の報道の問題点。この章で「管理を強化し、効率化を追求すればするほど組織はガタガタになる。」とある（177ページ）。
他にもありますが、紹介はここまでとします。