本書は、中国近現代史シリーズの2冊目で、日清戦争が始まった1894年から孫文が亡くなった1925年までが対象範囲となっている。
何千年も続いた帝政が終わり、近代国家への道を走り始めた「中国」がこの時代にあたる。特徴的な事柄としては、中央と地方との関係が、一方的ではなく、かなり対等なものであったため、中央が地方を押さえつけることは難しかったようだ。1912年の辛亥革命の際も、南の17省が清朝に対して独立を宣言して、南京で中華民国を樹立した。なお、清朝はそれを認めていなかった。
また、当時の日本と比べて、中国が困難な状況に置かれていた理由には、国内に英米仏独ソ日といった外国の利権が複雑に入り組んでいたことだ。だから、関税の引き上げをしようとしても、実現するまでには時間がかかったりした。
この時代の中国のことを知らなかったため、読むのに時間がかかった。次のシリーズ第三弾も時間がかかりそうで、頭が痛いところだ。