本書は、神奈川新聞の記者である田崎さんが、2018年から2020年までの間に新聞に記載された記事をベースにしたものです。
田崎さんは、「日本は国家との戦争ではなく、敵なき敵との戦いに挑み、失策に次ぐ失策を重ね、自滅のときを迎えようとしている」(260頁)と危機感を露わにしています。
そして、「時代がどう変わろうが試されているのはいつでも私たちの底力だ。自由と民主主義のために、何度でも立ち上がるしかない」(267頁)と最後に書かれている。
「私たちの底力」が「何度でも立ち上が」れるほど残っているのか、疑問がないわけでもないが、他に道はないことは確か。
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