すっかり、不倫騒動で有名になってしまった、ジャーナリスト山路徹さんの新書である。「女性とうまく交際できないような人は、仕事もできない」(93頁)と山路さんはいうが、ある意味で正しいと思う。きちんと、相手を安心させるだけの技術がなければ、どんな物事も前に進めることができないだろう。本書の購入で、女性に援助を仰ぐことが減れば、幸いだ。
なお、山路さんは、90年代前半のボスニア紛争、2010年のミャンマーの各取材で、命を落としても仕方ないような修羅場を潜り抜けてきた。だから、彼の発言には、女性を口説くということであっても、ただのチャラ男とは比較にならない重みがある。だから、窮地に立たされた場合に、守りに入らず、逆に「アクセルを踏み込」むような攻めに転じることもひとつの方法で、それによって活路が開かれることも少なくないという意見(9頁)は、まさにその一つである。