本書は、2011年10月から連載が始まった『プロメテウスの罠』の第六部までが収められています。
第一章は、東電福島第一原発から30キロ北西の浪江町に住む菅野さんを通しての現地の状況(3月12日)、
第二章は、放射線測定の専門家木村真三さんが勤務先の労働安全衛生総合研究所(厚生労働省所管)から「くれぐれも勝手な行動はしないようお願いします」とのメールを受けたが辞職して、NHKの知り合いと現地に向かう . . . 本文を読む
バブル経済破綻後、日本の企業は人件費抑制にはしり、正社員を減らす一方、派遣社員やパートなどの非正社員を増やしてきた。
その結果は、多くの貧困層や年間3万人超の自殺者を生み出したのではないだろうか。そこにいたる経過が本書を通じてわかる。
雇用劣化が不況を引き起こす原因は、「顧客が何かを要求しても、非正社員は「権限がない」と逃げ、正社員は成果主義に脅えて及び腰になる」(9ページ)という、モノが売れない . . . 本文を読む
下巻は、主人公麻田布満の記憶喪失12年間が明らかとなり、秋山信馬であったことがわかった。
また、ある裁判で秋山の記憶が重要となったが、様々な記憶やメモ書きなどがそのときの行動が明確となったことから、被告主張のアリバイが成立せず敗訴となった。
そして、記憶喪失前に妻であった琴絵と、秋山であった時期に妻的な存在であった双葉子との「愛縁機縁」なる「生の根源的問題」が残り、その解決のため、まず琴絵と話 . . . 本文を読む