マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

ミンメイリポート/イサムの旅立ち

2019-02-23 07:39:52 | マクロス短編
メガロード01に関する記録

【ランク】
新統合軍機密情報トリプルA
【日付】
AD2016年7月10日
【機密指定日付】
AD2016年7月15日
【記載官】
新統合宇宙軍アポロ基地.宇宙軍参謀本部
情報通信参謀.デイビット・クロウリー中佐
【記載文】
この日、私はメガロード01との定期通信の指揮を執っていた。
いつも通り移民船団長一条未沙少将は平穏無事・・・と答えてくれた。

つまりはぐれゼントラーディ軍や別のゼントラーディ軍基幹艦隊・・・そして監察軍がいない・・・
安全に進んでいると言う事だ・・・・・
この船団には6年前の大戦の英雄の歌姫リン・ミンメイが乗っており・・・・

部下の中にはミンメイのご加護と言う始末・・・・・

どんだけミンメイファンがいるのやら・・・・・

我々は引き続きメガロード01との交信を続けた。

しかし

異変が起きた。

メガロードから・・・・
【ダークホールから聞こえる謎の歌声を追って、未知の宇宙へと旅立つ】

との連絡を最後に通信が途絶した。
我々は何度も呼びかけるが応答がない。

この事を上層部に報告・・・・
事態を重く見た上層部はクラビウス基地を始めとする各月面基地と衛星都市基地から艦艇を集め・・・・
ARMD級宇宙空母24番艦フランクリン・D・ルーズベルトを旗艦とし救援として派遣した。

しかし

数日後、目標地点に到達するが・・・・
メガロード01を始めとした移民船団は消息不明になり・・・・・
結果・・・・損失と判断された。

本当にメガロード01と移民船団は損失したのか?

報告書では残骸は確認されなかった。
もしかしてメガロード01は本当に別の宇宙に行ってしまったのか・・・・

そんな事を考えてもしょうがない・・・・・
______________________________________

この本文を含めたメガロード01に関する報告書は機密情報とし封印す。
今後の移民計画を考え・・・・・・この事件は隠ぺいするしかない・・・

これも人類の為・・・・・・人類の未来の為に・・・・

イサムの旅立ち

惑星エデンに仲の良い三人組がいました。

一人は日系アメリカ人の血を引くイサム・ダイソン
一人は中華系白人のミュン・ファン・ローン
一人はゼントラーディ人とのハーフのガルド・ゴア・ボーマン

幼い頃から自然溢れる惑星エデンの大地を共に遊び、喧嘩し・・・・・
ダルメシアン・ハイスクールではそれが更に加速する・・・・

永遠に続けばいいな、三人はそう思っており・・・
学校卒業後はそれぞれの道を歩んで行くけど仲良くしたい・・・
3人はそう思ってました。

しかし・・・・・・・・

ある事件がきっかけでそれがすべて崩壊しました。

【西暦2033年惑星エデン.ダイソン宅】

ここは惑星エデンにあるダイソン宅・・・・・
イサムが生まれてから母マリアラと二人で暮らしていた。

父ケンゾー・ダイソンは軍人であり・・・戦闘の最中行方不明になり戦死した。

破天荒なイサムだが、ハイスクール時代は懸命に家の家計を支えていた。
かなりの暴れん坊だったが、戦死した父に代わり母マリアラを守ってきた。

しかし

それももうすぐ終わろうとしていた。

マリアラ「イサム、何よ!これ軍志願書って!」
看護婦マリアラ・ダイソン

イサム「見ての通りだ、お袋。俺は軍に入るんだよ。」
破天荒な男. イサム・ダイソン

マリアラ「なんですって?」

この日、イサムとマリアラは荒れていた。
理由は軍志願書について・・・・

しかも

可変戦闘機乗りコースへの入隊。

マリアラ「イサム、ケンゾーみたいに可変戦闘機のパイロットになるのは辞めなさい危険よ。」

イサム「危険なのは承知だろ、危険との隣り合わせを楽しまないとつまんねぇだろ。」

マリアラ「つまんないって、私心配しているのよ。」

イサム「お袋、俺は親父とは違うし・・もうガキじゃねぇんだ。何をしようが勝手だろ。」

マリアラ「そんなのは理屈よ、イサムまでケンゾーと同じ道進んで危険な所へ行くのは母さん耐えられないのよ。」

マリアラはイサムが軍に入るのは反戦からではない。
父と同じような最期をイサムにむかえて欲しくないからだ。

イサムの父ケンゾーはSDF-1マクロスに乗艦して以降・・・
数々の敵と戦った優秀なパイロットであり、その後もはぐれゼントランと戦い。

その最中にマリアラと結婚し、イサムを産んでいるが・・・・
その後まもなく、ケンゾーは民間人を守るため戦死している。
その事にマリアラはトラウマになり、イサムに軍に入る事を反対している。

イサム「よしてくれ、俺が親父みたいにヘマをするかよ。俺の先祖様だって WWⅡでは第442連隊戦闘団として死線を潜り抜けているし、地球の北米に住んでる俺のうるさいカズヒロのじい様だって湾岸戦争を戦って生き抜いたんだぜ!」

マリアラ「それは別よ・・・・」

イサム「お袋、もう俺は決めたんだ。行かせてくれ・・・・・・」

そんなお袋の反対を押しきってイサムは新統合軍に入る。

筆記試験と体力試験は合格、これにより正式採用が決まり・・・・
地球のラックランド統合運用基地にて訓練が行われる事になった。

イサムは母マリアラに置き手紙を残し地球への便に乗ろうとした。

ミュン「イサム・・・・・」
イサムの幼なじみ.ミュン・ファン・ローン

イサムが地球に行こうとした日、ミュンは宇宙港にいた。

あの事件の事を思い出したくないのか・・・・・
かつて長かった髪が、今ではボブカットくらいに短くなっている。
今日、軍港に来たのはある人に会うため・・・・

イサム「ミュン待たせたな・・・・」

ミュン「イサム・・・・その格好、まさか軍に・・・・」

イサム「実はそうなんだよ、空を1人で飛ぶには軍に限るってな。」

ミュンはイサムに会うが、軍の制服を着た姿に驚いた。

まさか軍に入るとは・・・・・

その衝撃でミュンは空いた口が閉まりづらくなった。
イサムはそんなミュンを見て不思議そうな表情を浮かべる。

二人は物陰に隠れ、イサムはミュンにある事を伝える。

イサム「あの事件は俺のせいにしろ!」

ミュン「俺のせいって、あれはガルドが・・・・暴走して・・・・イサムは悪くない」

イサム「確かに俺は悪くねぇ、だが・・・・あの事件は俺のせいにしろ!」

ミュン「なんで悪くもないイサムが罪を被るの?ガルドもキチンと反省して、元通りに・・・・」

自分に罪を着せろ・・・・・・

イサムはミュンに伝えた・・・・・
そんな事を言うイサムにミュンは戸惑いも隠せなかった。

何故なのかとミュンは感情敵になりながら聞く・・・・

イサム「ガルドに真実を言ったらゼントラーディの血のせいだとか言って自殺するかも知れねぇ。だから言うな。あいつのためにもな。」

ミュン「分かったわ、イサムのせいにする。」

イサム「今度会った時にガルドと一緒にいる時は俺と馴れ馴れしくするなよ、そうすれば真実味も増える。」

イサムはこう返答する。

ガルドが己の出自のせいで自己嫌悪に陥り自殺しないためにも。
それを聞いたミュンは一応納得し今回の事件をイサムのせいにした。

本当はガルドがやった事を忘れてはいないが・・・

とは言え、ガルドが心配・・・・
様々な気持ちが混じった結果、ミュンの気持ちは複雑化した・・・

一週間後
イサムが地球に旅立った事も知らないミュンはイサムの家を尋ねた。
ミュンはイサムが惑星エデンの基地に所属していると思ったからだ。
この時期、訓練中の兵士が実家に帰る事が多かったため

イサムは家にいると思いミュンはイサムの家に訪れる。

が・・・・・

マリアラから伝えられたのはイサムの失踪。
それを聞いたミュンの心は真っ白になった。

【北米ラックランド統合運用基地】
イサムは軍に入って地球北米ラックランド統合運用基地に送られた。
ラックランド統合運用基地は旧アメリカ空軍時代から運用されており・・・

前の大戦で一度壊滅したが・・・・・
新統合軍再編計画に伴いラックランド基地は再建された。
これからイサムが実戦部隊に配属されるまでの間この基地がイサムの家になる。

「匍匐前進!行け!」

イサムは猛訓練に耐え続けた。
可変戦闘機パイロットになる前にまずは兵士としての基礎を学ばなきゃいけない。

実戦部隊は不真面目なイメージのあるイサムだが・・・・
自分の目標に対しては熱心に学ぶ・・・・・
この頃のイサムは真面目な優等生であり・・・・

イメージ通りのイサムではなかった。

そんなある日、イサムは非番をもらいある家に訪れた。

カズヒロ「おお久しぶりじゃのぉ、イサの字。その格好は軍人、ケンゾーと同じとは血は争えんのぉ。大人になったからプリティギャルはおらんのか?」
ダイソン農園.カズヒロ・ダイソン

イサム「じいさん、相変わらず助平だな。」

ある家とはイサムの父方の祖父の家であった。
イサムが家を訪ねると、髭の生やした優しそうな外見の老人・・・
カズヒロ・ダイソンが出迎えてくれた。

彼は戦後創業したダイソン農園の創業者であり
今はイサムの伯父ケンイチ・ダイソン夫婦が引き継いだため隠居のみである。

カズタカ「イサムじゃねぇかお前も非番か?」
新統合陸軍カズタカ・ダイソン中尉

ミユ「まさかあんたまでいるとはね。」
新統合陸軍ミユ・ダイソン少尉

イサム「どうも久しぶり。」

イサムの従兄弟達もいた。

カズヒロの子供は5人おり、全員第一次星間大戦を生き抜いており・・・
カズタカは三男ケンタ・ダイソンの長男、ミユは四男ケンユウ・ダイソンの長女。
他にも長男ケンイチと末っ子タイチの子供・・・
カズタカとミユの兄弟がいるが割愛・・・・・

殆どのイサムの親戚は北米に住んでいる。

その後、イサムは4人で食事をした。

カズタカ「それは悲惨だな、仲のいい幼なじみが幼なじみの暴走で引き裂かれるとは。」

ミユ「しかも自分から罪を背負うなんてね、なんて悲しい事なんだろう。」

イサムは食事している最中、惑星エデンの事件の事を話した。
引き裂かれた友情、もう戻ってこれない仲・・・・

そして二度と惑星エデンに戻りたくないイサムの心情・・・・

母親との別れ、幼なじみとの別れ・・・
イサムはいつも通りを装うが・・・・・・・・
仲の良かった幼なじみの別離は本当は辛かった。

他の友人達にも言えない程に。
カズタカとミユは同情するが、これを聞いたカズヒロの顔が怒りのこもった顔になる。



イサム「!?」

カズヒロ「貴様!それでも男か!大事な友を庇うのはいいが、それを理由に友人と別離するのは何事か!」

イサム「じいさん、あいつはあの事件は俺の・・・それに事実を知ったら・・・自殺を・・・」

カズヒロ「馬鹿者!大事な友の暴走を止めるのは友の勤め!貴様の父ケンゾーも同じことがあったが、あの馬鹿息子は全力で友の暴走を傷だらけになりがらも止めた!一番あの馬鹿息子に似ている貴様が出来んとは恥を知れぇ!」

カズヒロはイサムの不甲斐なさに激怒した。
これでも農園やる前はアメリカ陸軍.地球統合陸軍.新統合陸軍の3つの軍に所属した兵士で・・・
普段はスケベなじいさんだが、兵士時代はかなり活躍した鬼軍曹であった。

軍時代末期には訓練教官を勤め・・・・
イサムの父ケンゾーを先輩軍人として鍛えた事もあった。

あの第1次星間大戦ですら地球にいながらも息子全員と共に生き残る幸運の持ち主だった。

その性格がイサムの不甲斐なさに目覚め、激怒した。
その剣幕にイサムは震えあがる。

カズヒロ「イサムよ、いずれガルドとミュンとやらと再会するだろう。強い絆で結ばれた関係程、再会する確率は高い。もし険悪な友人と会いぶつかっても逃げるな。そして酷い別れをした方もな。」

イサム「じいさん。」

カズヒロ「まぁ確証はねぇよ、もしそうなったら逃げるな。」

だが

だんだんと落ち着き、イサムにいろいろとアドバイスをする。
カズヒロも軍人になる前、イサムと同じような幼なじみ関係があった。

軍に入る直前に酒がらみ喧嘩になり銃を取り、女を傷つけた。

カズヒロは止めたが、気絶し回復後暴走した友を殴った。
記憶の混乱で銃を取り出した友はカズヒロが女を傷つけたと思い込んだ。

その後、カズヒロはそれを忘れるかのようにアメリカ陸軍に入り・・・・
数々の戦場を転戦した。

とある戦場であの友人と出会い、険悪な雰囲気になったが。

だが、だんだんとあの時の正確な記憶を取り戻し。
カズヒロに罪を着せ、自分は逃げたとあの友人は絶句カズヒロに謝罪。

カズヒロは別に気にしてないと和解した。

だけど、その友人はこの直後の戦闘でカズヒロを庇い戦死した。

イサム「じゃあな皆そしてじいさん、ばあさんによろしくな。」

カズヒロ「あぁ後悔だけはするんじゃないぞ、イサの字。」

イサムは翌日、基地に戻った。

後年、カズヒロの予測通り。
シャロン・アップル事件とスーパーノヴァ計画が絡む事件の時に・・・
イサムはガルドとミュンと再会する。

スーパーノヴァ計画の衝突を経て・・・
ガルドはあの時の記憶を取り戻し、イサムとは最終的に和解した。

しかし

残念ながらゴーストバードX9との戦いで、イサムをマクロスシティーに向かわせ。
ガルドはリミッター解除し特攻し果てた。

イサムは後年、じいさんがあの時言った言葉の意味が分からなかったが・・・
元気はもらったし、幼なじみと再会した時ようやくあの言葉の意味が分かったと言っている。
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