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コロナ禍のタイも再活動へ   スウェーデン人写真家から届いたメール

2020-05-12 14:58:55 | 特別記事

コロナ禍のタイも再活動へ

スウェーデン人写真家から届いたメール

▲2年前に来日したクレス・ブラット(銀座の寿司屋で)

 

 バンコク在住の友人、クレス・ブラットから5月10日、メールが届きました。彼はベトナム戦争のときに従軍し、その後もタイを中心に東南アジアを取材するスウェーデン人の報道カメラマン。2年前の春にタイ人のパートナーと来日したので、銀座の寿司屋で日本酒を痛飲したものです。このとき、彼らカップルは桜を大いに満喫したせいか、この春も再び来日する予定で、往復の航空券も購入。ところが、この新型コロナ騒ぎです。楽しみにしていた日本旅行を泣く泣くキャンセルしました。
 で、バンコクは今、どんな状態なのか。クレスによると、大方の予想を裏切って、タイでの被害は少なく、新型コロナウイルスに合計3009人が感染し、56人が死亡しただけ(5月10日現在)。では、メールを読んでみましょう。
「ほとんどのお店は1カ月以上休業している。薬局、銀行、スーパーマーケットのみが営業を続けているが、公園は閉鎖を命じられた。ほとんどのレストランは非常に迅速に配達のみに変更することによって何とか開いたままだ。バイク・タクシーの運転手の多くは、食品を配達するドライバーとして働き続けることができた。フル回転で仕事を続けていると思われる唯一のビジネスは、建設業界だ。建設労働者はほとんどがビルマ(ミャンマー)からの移民で、フェイス・マスクを着用している者はほとんどいない。彼らは季節労働者用のひどい住居の近くに住んでいるので、危険な状態にさらされている」
 いかにも報道カメラマンらしい報告ではないですか。気になるのは彼の生活ぶりです。 
「自己隔離は、一部の人にとっては困難だが、他の人にとってはそうではない。スウェーデン人で、しかも一人っ子の私にとっては簡単なこと。退屈することもない。本を読んだり、音楽を聴いたり、映画を観たりする時間がたくさんある。いつでも電話をかけることができ、友人とはLINEグループでつながっているので、オンラインでビデオチャットをしているので、ほんと忙しい。先日、私が見た映画は『After the Rain』だ。君はその映画を知ってるかい? 私がこれまで観た中で最も素晴らしい映画の一つで、今の時代にぴったりの映画だと思う」
 DVDの写真が添付されていたので、それが『雨あがる』だとすぐにわかりました。私自身は観ていないので、「今の時代にぴったり」なのかどうかわからないが、ま、暇があったら(いつも暇だが…)観てみましょう。

▲巨匠・黒澤明が脚本を書いた『雨あがる』

 クレスはまた、共通の友人であるピクンの近況も教えてくれました。彼女にはバンコクを訪れるたびに世話になっていますが、2、3年前からチャンタブリにドリアン農園を経営して、バンコクよりも農園で暮らす時間のほうが多いらしい。
「電話でしゃべったりするけど、いまはドリアンの収穫時期なので、彼女は一生懸命働いている。ドリアンとマンゴスチンを詰めた箱をバンコクの友人たちに送ったりしているよ。皆、とても感謝している。いずれにしても、彼女はバンコクから離れてとても幸せに暮らしているようだ。『健康になったわ』と言っている」
 私も農園に来るように、彼女から執拗に誘われていますが、彼女の「奴隷」にされるおそれが十分あるので、何かと理由をつけて断り続けています。
 さて、クレスの母国はスウェーデンですが、同国の対コロナ政策に彼は批判的です。
「知っているだろうけど、ウイルスに対処するためにスウェーデンは別のアプローチを選択した。ほんとクレイジーだよ。フェイス・マスクや人と人の距離もそうだけど、バー、パブ、レストランは開いたまま。みんなすべてが正常であるかのように行動している。日本と同じように、スウェーデンは高齢者の割合が非常に高いので、介護付き住宅や老人ホームは大きな打撃を受けている。従業員には十分な防護服や装備もなく、専門のトレーニングも受けていない。ウイルスはこれらの場所に侵入し、とくに80歳以上の多くの高齢者を殺したんだ」
 スウェーデンの公衆衛生局は、人生の最期を迎えそうな老人たちに、身内が面会するよう命じているとか。クレスの親友に95歳の母親がいます。介護付きの家に住んでするのですが、つい先日、その友人に介護人スタッフから電話が。
 彼女は新型コロナウイルスの検査を受けたのですが、介護スタッフは母親が陽性であるのは間違いないと思い込んでいたらしい。まだ検査結果が出ていなかったにもかかわらず。
「お母さんが3日間も高熱を出しているので、『さようなら』を言うために家に来なさいと言われた。それで親友は母親に会いに行ったんだ。彼女はあまり意識がなかったので、介護スタッフから渡されたゴム手袋とフェイス・マスクを着用して、彼は長時間、ベッド脇に座って、母親の手を握りしめた」
 こうして意識のない母親に永遠の別れを告げたのだが……。翌日、彼は別の電話を受けます。
「あなたのお母さんは今朝起きたけど、熱はありませんでした。彼女は朝食が食べたくて、ベッドから出たがっている。そして、テストは否定的だったので、彼女は大丈夫ですよ』と」。
 しかし、彼女が死にそうにないので、その親友は再び母親を訪ねることができなかったのだとか。何とも切ない話です。
 ところで、南国のタイにようやく明るい知らせが。クレスのメールに戻りましょう。
「タイは今週、開放を始めた。公園は再びオープンに。本当に素晴らしい。アルコール販売の禁止も解除された。これも非常にいい知らせだ。レストランの再開も許可されたが、人とテーブルを離しておく必要があり、アルコール類の提供は許されていない。
 チャトゥチャックのウィークエンド・マーケットが再び開店し、非常に多くの人々が来店するようになった。来週はさらに多くの店舗が開店できるようになる。理髪店と美容院もビジネスに励むことになるだろう。あと2、3週間もすれば、感染率にどのような影響があるかがわかると思う」
 最後にクレスはこう締めくくった。
「人生はじつに多くの場所で、そしていろんな方法でアップダウンを繰り返す。今回、私たち人類が確実に得た教訓は、『当然と断言できることは何もない』ということだろう」
 うん、そうかも。人生、何が起こるかわからない。いつになったら新型コロナウイルスが終息するのでしょうか。一刻も早く特効薬やワクチンが開発されることを祈るのみです。そして友人たちとも気軽に会える日が来ることを願ってやみません。(本ブログ編集人・山本徳造)


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