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喜びと怒りの一年 岩崎邦子の「日々悠々」(63)

2019-12-27 07:50:40 | 【連載エッセー】岩崎邦子の「日々悠々」

【連載エッセー】岩崎邦子の「日々悠々」(63)

喜びと怒りの一年 

 

 冬至を過ぎると、一気に年末の実感が湧いてくる。私なりの今年の様々な出来事を思い出してみたい。そのトップは何といっても5月1日に平成から令和へと改元されたことだろう。

 天皇の即位にともなった華やかで厳かな行事が相次いで、健康面で心配された皇后雅子さまのお元気な姿に安堵した。今までの体調の悪さはご自分の能力を発揮できる機会を潰され、人格を否定されたことに起因するとされていたが、皇后という重大な責務を果たすという事で、自信をお持ちになられたのかも。

   かなりなミーハーを自任している私だが、今年に入って間もなく、アイドルグループの嵐が2020年末をもって、グループとしての活動の休止宣言をしたことは、大きな驚きであった。その後は次々と精力的にコンサートが開いたり、SNSを開設するなど、活躍の場も広げてきたことも話題となっている。

   スポーツ部門を見てみよう。ラグビーW杯の日本大会で日本代表が初めて8位を獲得したことが印象深い。舘ひろしや櫻井翔らがスペシャル・サポーターとなったせいか、にわかラグビー・ファンもとなった人も少なくなかったようだ。

   ゴルフでは、何といっても全英女子で笑顔を振りまきながらプレーした渋野日名子の優勝が光っている。その時に彼女がかじっていた駄菓子『タラタラしてんじゃね~よ』も全国的に知れ渡った。私も駄菓子屋で見つけ、ついつい買ってしまったほどである。ま、きっと私だけではないだろう。その後、彼女が参戦するゴルフツアーでは、開催ゴルフ場がギャラリーで埋め尽くされるほどの大変な賑わいとなり、関係者にとってはウハウハの状況だ。テニス界では今年の初めのほうの出来事だったが、全豪優勝した大坂なおみの可愛いコメントを思い出す。

   来年2020年、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることで、スポーツ界は次々と出場選手の選考ニュースが流れている。水泳界で期待の星であった池江璃花子選手の白血病が2月に発覚、治療に専念することが発表された。多くの人が失望と心配に苛まれたが、長かった治療を終えた今月、彼女は退院している。2024年のパリ・オリンピックに向け、メダルを目指すという明るい報には、ホッとした。嬉しいニュースである。

   つい最近のことだが、国立競技場のオープニング・セレモニーとして、キング・カズこと三浦知良やリーチ・マイケルなどの有名スポーツ選手が登場し、ドリカム、嵐、ゆずの歌声が華々しく披露された。他にも明るいニュースとしては、いつも笑顔のノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんがいる。

 もちろん、そんな嬉しいニュースばかりではない。怒りもあった。京都アニメーションの火災で多くの犠牲者が出たことが何とも痛ましい。若者に絶大な人気があり、夢やファンタジーが描かれているアニメ。犯人の歪んだ精神が怖い。火災と言えば、沖縄の首里城が全焼したことが第一に挙げられるだろう。あの火災が残念でならない。

   東日本を襲った台風と大雨の被害も記憶に新しい。自然界のなした仕業とは言え、特に被害が大きかったのが、私の住む千葉県だ。なのに、森田健作知事の対応のまずさには呆れてしまう。誰もが怒り心頭だったに違いない。

 ところで、今年はアメフトや女子レスリング、体操などのスポーツ界でパワハラ問題が取り上げられた。どの世界でも、権力を持つと、横暴で横柄になってしまうのか。教育現場での教師による教師への執拗ないじめには呆れるばかり。他にもセクハラ、モラハラ、カスハラなど、いろいろなハラスメント(いやがらせ)がある。中には聞きなれない言葉もあって驚く。

 そう言えば、高齢者クラブ「むつみ会」の中のコーラス部にいた時、ちょっとしたパワハラを受けたことがある。はしょって書くことにするが、私より10歳ほど若い部長のMさんと共に、むつみ会の役員会に出て、コーラス部としての要望を述べた。

 部員募集はどの会でも重要な問題であるが、私たちの提案事項はむつみ会にとっても、先々の展望には有利だと思えることであった。この点を理解してもらうために、限りを尽くして話を勧めた。が、この会の規約に明記はないが、前提されている決まりだとして、私たちの要望は却下されたのである。それだけではない。

「二人共、この会も役員も辞めなさい!」

 と、会長からきつい口調が私たちに飛んだのだ。Mさんは、私より以前からむつみ会に貢献してきた人物である。ひどい仕打ちではないか。まさしくパワハラであった。そんなこともあって、「Sky Blue」という名前も新しく、コーラスの会として独立した。結果的には、「老人会」からの脱却にもなったものである。最も望む方向でもあった。これで私のお役目は終りと判断し、若い人に役員を引き継ぐことが出来た。今後の会の発展が楽しみである。

 さて、年末の恒例行事として、いろいろな部門で大賞が発表される。本屋大賞、新語・流行語大賞、ベストドレッサー大賞、トレンド大賞、CD売り上げ大賞、そして今では見かけないレコードだけれど、レコード大賞などがある。

 その中に日本アンガーマネジメント協会の「アンガーマネジメント大賞」という、聞きなれない賞があった。大賞に選ばれたのが、櫻井翔。一体どんな賞なのか。怒りの感情をコントロールするための心理トレーニングのことを「アンガーマネジメント」と言うらしい。同協会代表の安藤俊介氏によると、櫻井翔に「素の部分の芯の強さ、真面目さが見えた」のだそうである。

 この文の最初の方にも書いたが、嵐は来年末をもってグループとしての活動を休止することを発表した。当事者の彼らにとってストレスやプレッシャーは非常に大きかったに違いない。この時の受け答えだけが、大賞の理由ではないのであろうが……。会見の時の「誠意がないのでは?」という記者の厳しいとも思える質問に対して、即マイクを手にした櫻井は丁寧に答えていた。

「我々の誠意は2年近くかけて感謝の気持ちを伝えて行く期間を設定した。これは我々の誠意です」

 ニュース番組「zero」の中では、質問した記者について、

「あのご質問を頂いたおかげで、結果としてきちんと我々の思いの丈が、温度を乗せて伝えることが出来た」

 と、感謝も述べていたことも印象深い。

 マスコミに出ている者の宿命で、個人攻撃ともいえるフェイク・ニュースも流れることがあるが、櫻井翔のファンであり、彼の活躍を応援している私にとっては、この賞は留飲の下がる思いでもある。我が家では子供の家族も含めて誰もが、今年も元気に過ごせた。世間では若者が年末の忘年会や行事をスルーしているらしいが、若くはない私たち夫婦も、それに準ずるかのように、家事の手抜きや年賀状はスルーさせてもらっている。

 友人や仲間とは、時に行き違いが起きることや、勘違いをされることもある。そんな時はいずれ自分にもやって来るだろう「認知症」の前触れだと思うことにして、怒りの感情をコントロールしたいものだ。今年は柚子を沢山いただいた。夫が湯を張ってくれたお風呂の中で、「邪気が払われ体を温める」という、柚子の効能を信じよう。来る年も心穏やかに、元気な年を過ごしたいと願いつつ。


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