オーディフィル公式ブログ (趣味の小部屋)

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日東紡音響「SYLVAN(シルヴァン)」の技術を紐解く!? (4)

2011年05月28日 08時46分59秒 | オーディオ
いよいよ、最後の(4)と(5)の話です。

(4)「反射音の長時間化」

これはシルヴァン(ここでは柱状拡散体の総称)の注目機能の一つで、
「音のトラップ」として説明しています。
直接音をパネル背面にしばらく留め、時間をかけて放出することで、「森の音響」を再現できるとしています。

ただこの概念は、ノアが扱う「Flexum(フレクシウム)」で既に商品化されています。これは、二枚(?)の板で構成されており、その間に音がトラップされる作りなのでしょう。
http://www.noahcorporation.com/laboratorium/index.html#FLEXUM

一方、シルヴァンは、シミュレーションを見ると、パネル奥の空間に音がトラップされています。
http://www.noe.co.jp/product/pdt1/pd1_12_03.html

これは、壁面側に太い柱(高音域を単調反射するモノ)があり、
適度に密な柱配置であるために、
奥まで届いた波が外へ出られない構造となっている為だと思います。


最後が
(5)「定在波帯域のコントロール」

正直言って、オーディオ界のブレイクスルーであり、私自身「信じられない!」という気持ちがありますw

定在波のコントロールは非常に困難で、「石井式ルーム」で有名な石井氏は、部屋の形状を吟味することで立ち向かいましたが、新築住宅以外では困難です。サーロジックはブーミングと定在波を区別し、定在波はむしろ積極的に活用することで、気持ちいい音楽再生が可能となると提唱しています。

しかし、シルヴァンのシミュレーションでは80ヘルツの定在波(波長4m)が、シルヴァン(60㎝厚)によって消えているのです。
これは、特許内で説明があり、シルヴァンは「300Hz以下の低域音を吸収、拡散する効果はそれほど大きくない。」とした上で、
「低音を背後に通す際にも、低音の位相を崩すことができる効果が得られる。」
「これにより、単なる板状の従来の音響パネルに比べて、部屋の広がり感を演出する、良好な音場を得ることが可能である。」と記載されています。

細かい原理は不明ですが、シルヴァン独特の形状による効果なのでしょう。


さて、これでシルヴァンの効果を分析し終わりました。
次は、どうやればパチモンを作れるか、を考えてみようと思います。

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2 コメント

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ところてん効果 (kaimono62195)
2011-05-31 13:52:02
ところてんは、前面がメッシュになっている箱の後ろからところてんの塊を入れ、押し出すと、メッシュにより細く裁断されます。
シルヴァンが低音に効果があるのは、低音がシルヴァンを通り抜ける時に円柱によりスライスされ、大きな塊でなくなり、パワーが弱くなるからではないでしょうか?
返信する
コメントありがとうございます (カノン5D)
2011-06-05 08:25:46
kaimono62195さん
コメントありがとうございます。
「ところてん効果」とは良いネーミングですね! 確かに、例え波長の長い波でも、円柱を通るとエネルギーが弱まるのかもしれませんね。
返信する

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