日々の事から

日々のあれこれ   by Kirari

読書記録📖

2021-09-18 20:33:09 | 
『ぼくの守る星』 神田茜 著 2021.9.18 読了

主人公の翔(かける)は中学生。生まれつき一般的な情報を覚えにくい障害を持つ。
親は、自分の息子は素晴らしい才能を持つはずだ、としか思っていないので、本人は随分悩んでいたようだ。
自分の身近にも時々いたが、天然と言われるああいう人のことをいうのだろうか?
彼を天然としか思っていない山上という友人が一緒に漫才をやろうって誘ったりしたお陰で、クラスからはそんなに浮かずに済んだのではないだろうか。
逆に女子の中で大人しくて浮いていた女子とコミュニケーションを取ったりするところが素晴らしい。
周囲が意味するところが汲めないために、勉強もなかなか思うように進まず苦労しているが、偏見なく人と接することができる人間は素晴らしい。
今の職場に、まずいところを何度も何度も言って孤立させようとする男性がいるが、そんな人間は本当に醜い。いじめ体質なんだと思うが、明らかに逸脱したことをしているわけでなく、単にお互いの声かけをすれば済むことだ。偏見は最初の自分の疑問が解消されていないことから始まり、勝手な憶測が増幅すると思う。後は個人の意地の悪い性格か。
あと、いつも疑問なんだが、大人しい人間を輪に入れない世の中の人たち。大人しい人間は、周囲に怯えて声が出せない訳ではない。まあ、中には生活環境のせいで怯えてる子もいるだろうけど。
どちらかというと、周囲が空気が読めずにいつまでも騒ぐとか、テンションが違いすぎて一緒に居たくないとか、話題の内容に興味がないとかっていう理由なだけだ。図に乗って虐めたりしていると、後で後悔することにも繋がるから気を付けた方がいいんじゃない?
その人を観察し、ちゃんと判断して接してほしいものだ。いつも騒ぐとか、主導権握りたい人間って思慮深くないからメンドクサイ。
翔はそういう差別をせず、大人しい まほりちゃんの性格をしっかり掴んで仲良くなっていく。いっそ、将来、結婚できるといいのにね。

小説では、いろんな出来事が起こり、それを体験する翔の成長が頼もしい。
知識が薄いことは、世の中で生きるには不利なことも多いが、彼なら正面からぶつかって解決できるだろう。現実ではそううまくはいかないが、清々しい小説だと思う。





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