NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

ブレードランナー2049を観た

2018-06-17 | 備忘録
『ブレードランナー2049』を観た。
3時間近くある、ほぼほぼ会話劇だけれども、
謎解きを推進力にしていて且つ映像の趣向の凝らされ具合で
飽きることなく観る事ができた。

映画として、映像も話も面白いは面白い。
特にジョイちゃん周りの設定や描写、シーンは
おおぉとなるものが多く、だからこそ
あのあっけないジョイちゃんの退場シーンは辛い。
この設定、この映画で使ってしまって本当によかったの???

前作のオリジナル『ブレードランナー』は
寿命の無くなってしまった異常種のレプリカントが人間の脅威になるからと
主人公のデッカードが殺しまわるという話で、
明らかにレプリカント達のほうに感情移入する話だったのに、
本作のメインとなるレプリカントは嘘は付くし、平気で人も殺す設定のラヴちゃん。
レプリカントの製造企業、タイレルは倒産し、
その資産を引き継いだウォレスは
ラヴちゃんも含めて普通の映画の悪の組織然としちゃっている。。。

前作が人間とアンドロイドの違いって何?という
人間存在自体への哲学的な問いかけを行っていた映画だったのに比べて、
本作は前作の謎の部分、「デッカードとレイチェルは逃げ延びたのか」、
「デッカードの正体はレプリカントではないのか」という部分への
回答例に終始してしまっており、
悪の組織的な立ち居地のウォレスは
前半から自分たちの目的を饒舌に語りまくる!
ここも普通の映画の悪役っぽい!

ウォレス&ラヴの動機とレジスタンスの動機が同じ(レプリカント同士に寄る生殖)なのに、
目的が違うのが面白いというか、うーん。。。

全体に饒舌で、これ押井守感というか(の割りに奥行きが感じられない)
日本のSFアニメ感がとても強い。。デッカードが犬と二人暮らしだし!

映像とか音楽とか凄くいいし、
Kのキャラクターやジョイのキャラクターや設定もとても面白いのに、
前作の謎解きがメインで話が進んでしまい、
前作のような哲学的な問いかけのような
SF映画としての付加価値が、少なくとも私には感じられないのが
本当に残念だった。

そして本作も『フォースの覚醒』だった!
ハリソン・フォードはそこらじゅうで子供を作って、
映画の続編を作らせている!あとは次回作の『インディアナ。ジョーンズ』か!

いや、設定資料集を予約しておけばよかったと思うほどには
面白かった!


シェイプ・オブ・ウォーターを観た

2018-06-17 | 備忘録
『シェイプ・オブ・ウォーター』をDVDで観た。

凄い丁寧な伏線の張り方と丁寧な回収の仕方だった。
伏線の張り方は綺麗過ぎる気もするけれど。
ストリックランドがイライザにたどり着くまでの経路で、
ゼルダではなく、ゼルダの夫に汚れ仕事をさせるのも流石と言うか、ずるいと言うか。

美術セットもミニマル(イライザの家と職場ととある人物の家ととある場所くらいしかない)
ながらも実在感とクラシック映画の雰囲気がちゃんとあった。

そして単なるおとぎ話にしないためか
ちゃんとセックスと暴力にも目配せをしている。
半漁人も唯の被害者ではなく獣性もちゃんと持っている。

よく出来ていて隙が無い。隙が無さ過ぎるというか。
志が高くて、トンでもないクオリティだと思うけれども、
今の僕には良くわからない。
多分、イライザが自分は孤独で、半漁人と同じと言ったことへの違和感からか。
確かに耳が聞こえて喋れないのはあのセカイではイライザだけだけど、
隣人のジャイルズもゼルダもイライザにはいるじゃんって思ってしまった。

『シェイプ・オブ・ウォーター』を作ったことで、
もう中野ブロードウェイでおもちゃを爆買いする必要は無くなった
と語ったデル・トロ監督のコメントが興味深かったです。
オタクの呪いは解けた。