今年のも引き続き岩手大学教育学部の非常勤講師をやっているのだが、昨年のような衝撃はなかったのでホッとしていた。つまりネタになるほどのことはなかったというわけだ。
昨年は
というタイトルで書いていて、それはそれは心配したものだった。開講前はやはり心配で、でも眠れないってほどでもなく、まあなんとかなってくれれば良いなぁと思っていた。
フタを開けてみれば9人の受講者となって、まあまあやりやすい人数になった。このくらいだと2グループ、4人と5人に分けて創作を進めるという形になる。
基本的な進め方は、子ども演劇ワークショップでも大学生も同じで、アイスブレイクから、自己紹介、その後話し合いをしながら短いお芝居を作っていく、という流れ。
提出してもらう課題は3つ。一つ目は「戯曲を読む」二つ目が「戯曲を書く」三つ目は「全体を通したレポート」である。そして、最終回は学部の先生などを誘ってお客さんになってもらい、上演発表をする。
今は小学校や中学校の教科書に戯曲がほとんど掲載されていない。オレらのころは、「海幸彦山幸彦」とか「夕鶴」とか、狂言「盆山」なんかが載ってたような記憶がある。そんなわけで、まずは戯曲というものに触れてもらわねばならぬのだ。
しかも、普通の図書館に戯曲はほとんど置いていない。幸いなことに、盛岡劇場には「戯曲ライブラリー」というのがあって、かなりの蔵書を誇っている。 この課題は年代を10年刻みで指定し、その年代に書かれた戯曲を3本読んで、その中から1本を選び、要約し、感想を書き、最も印象に残ったセリフを抜き出す。そしてそれを発表する。
この講義では、課題だけではなく、プレゼンテーションとフィードバックを何度か繰り返し、発表に慣れてもらうことにしている。人前で何かをするというのはなんと言っても場数が大事なのである。
そんな感じで進めてきた2つの班が、どんな話になったかというと、一方は「スーパーのバックヤードに動物が入り込んで、ロマンス詐欺に送金させられそうなお局が焦る話」、そしてもう一方は「始業式の朝には黒髪だったのに、学校に来るまでに金髪になっちゃった新任の先生の話」。
どちらも現実的な設定と、突飛な問題を組み合わせている。
ロマンス詐欺の方は、だまされそうなお局が、投資を持ちかけられ、スマホで送金しようとしているのだが、スマホはバックヤードにあり、そこに謎の動物がいて、入るに入れない、さてどうしよう? という流れ。
金髪先生の方は、朝は黒髪だったのに学校に来るまでに金髪になってしまった新任の先生が、間もなく始業式なのにさてどうしよう? という流れ。
どちらも短いながらなかなか面白い話だと思う。
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