ホントにいろいろ心配なのだが、なんでそんなに心配かというと、以下の記事にちょっと書いてあるのでご覧いただきたい。
んでまあ、それは2023年3月1日の投稿だから、2年近く経っている。20歳前後の2年間というのは、人間としての成長が最も著しい季節である。はずなのだが……。
カミさんもオレもともに両親が亡くなったということで、年末年始の帰省は、ちょっと考えなおし、盛岡で過ごすことにした。まあ、法事等で行く機会もあるので、盆と正月に限定しなくても良いだろうという感じである。帰省する側から、される側に立場が変化したのもなんだか感慨深い。
そんな感じで家族4人が久しぶりに揃ったわけだが、心配事は、朝に娘を無事送り出し、残る息子を駅まで送っていった年明け4日の午後に起こった。
盛岡駅の西口からバスに乗って、弘前に向かう予定で、送っていく場所はマリオス前の向かい側。忘れっぽい息子なので、出がけに「スマホと財布とカギ持った?」と聞いて振り返ると、部屋の隅に充電中のスマホ。「おお、あぶねぇあぶねぇ」とか言いながら、スマホを持って、荷物を持って、車で駅まで送っていった。
「んじゃまあ、元気で」
と、当たり障りのない声をかけて送り出し、オレは開運の湯を目指す。サ活である。信号待ちで、振動を感じたスマホを見ると、LINEで息子から「財布忘れた!」との文字が……。
出がけに言ったじゃない! スマホと財布とカギ!
スマホを忘れていたことに気づいたことで安心してしまった。財布も忘れていたとは! 慌てて「さっきのとこにもどってて」と返事をし、急遽Uターン。まだバスの時間には間に合いそうだ。しかしながら気持ちはもういろんな感じである。「まったくもう」とか「大丈夫か?」とか「なんでまた」とか「なんかの間違いか?」とか「財布も確認しとけば良かった」とかである。サ活に向かう解放された気分は、焦燥に置き換わってしまった。間に合いそうだとは言え、気持ちは焦る。
先ほど下ろしたところに行く手前に息子が歩いていた。
「あ、こっちまで歩いてきたか?」
と思い、車の窓を開け、
「おい!」
と声をかけたが、振り向きもせず歩いている。
……別人であった。やべっ、と思いながら素早く窓を閉めた。
しかも、先ほど下ろした場所に向かっているので、オレが来る方向に来ているとしたら、向かっている方向が逆である。つまりオレも相当慌てていたわけだ。しかし息子と姿のよく似たお兄さんが振り返らなくて良かった。知らないおやじに車の中から「おい!」と声をかけられたらビックリするだろう。
マリオス前ではすまなそうな顔をした息子が立っていた。窓を開け、
「バカヤロウ」
と声をかけながら渋沢栄一を渡す。
「後で財布送るから」
「ごめんなさい、ありがとう」
バスには間に合ったようである。そしてオレはサ活で心を整えたのであった。
でも、整いきらなかったよね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます