実家はしばらく空き家になるので、
物騒だから印鑑や通帳は兄と私で別々に持って帰ろうなど話し合い、
私は家の登記書を持って帰って保管することになった。
登記書は「登記書」と書かれた(母の字)紙袋に入っていて、その中に損保保険の証書なども一緒に入っていた。
さらになにか入っているので、中身を全部出したところ
遺言書が出てきたのだ。
母の遺言書ではない。
9年前に亡くなった
父が書いた遺言書!
慌てて兄を呼んで、
「お父さんのよ!!」
「開けて!!一緒に開けて!!!」
遺言書は毛筆で「遺言書」と書かれ、
厳封して緘をしてあったのだ。
兄が恐る恐る開けて、中身を読んだ。
内容は、細かく正式名の住所の記載をし
「右の物件の所有権を、すべて妻である〇〇子に譲る」
というもの。
日付は父が亡くなる9か月ほど前だった。
もちろん、それは正式な形式のものではないけれど・・・。
父の遺言書を開封もせずに、自分が亡くなるまで放っておくって・・・・・。??????
なんのことはない、ちゃんと自分が臨んだことが書いてあるじゃないか!!
自分の要求通りのことを父はしてくれているじゃないか!!
父が亡くなったとき、母は
財産放棄しろ!家の権利放棄しろ!権利主張するなら今までもこれからも固定資産税全部払え!!ここの管理費も払え!!
ハンコ押せハンコ押せ!!
私達がなんの抗議もせず大人しく「放棄します」と何度言っても、はなから信用せず、
兄には会社の代表電話まで、私には毎日、↑の暴言で国際電話の嵐だった。
あるときなんて、
「アッちゃんはお金要らないけど家が欲しいと言った!」
と言いがかりをつけらてたりした。
・・・・
遺言書を開けられず捨てられずにいた母。
どんな心境だったんだろう。
開けたら: 自分が全部もらえない、子供に一部か全部やってくれと書いてかるかもしれない。だから無視。
かといって、捨てることも忍びない。
登記書の袋に一緒に入れてるのは、
「ここに何が書かれていても、もう知らんから 私はこの世にいないから関係ないから」
というメッセージに思えた。自分が死んだあとに私達が開封することを想定して、登記書の袋に入れていたんだと思う。
父はちゃんと母に譲ると書いているのに。
自分の命のリミットもわかっていて、どんな気持ちで書いたのだろうか。母を想って書いたはずなのに。
父は書道をやっていたので、それはそれは達筆だった。
その遺言書をその時に開封していたら、もっとすんなりコトは運び、私達を疑ったり、こちらもイヤな思いをせずにすんだのに。
本当に愚かな女だと思った。
この遺言書、私が持っていていいか?
と兄にきいたら
「いいよ」
と言ったので、持ち帰ってきた。
9年も放っておかれて、やるせない。大切にして、いつか供養してあげたい。
たぶん、そうするのがいちばんトラブルのない方法だと
お思いになったんでしょうね。
母はこっそり捨てることもできたのに、
こうやって最後に愚かさが露呈して
馬鹿な女!
なんだかやるせ無い気持ちです。
子であるあっちゃんとお兄様が不憫というのか、やりきれなさが残りますね。
美味しいものでも食べて元気を出してね
怒りを通り越して、呆れて。
しかし結果が自分の想いのままだったのに信じることもせず、本当に愚かな最低な母親だったのね
と冷静にみつめております