カッキーYAMA   akihiko tange

手始めに、日常的なことを気の向いたときに載せていくつもり。

今年の夏 今、秋  2016

2016-10-21 | エッセイ

今日(もう昨日になるが)の天気予報でここ数日は晴れが続きそう、と伝えていた。昨日は日中はこの時期にしては異常なくらい暑かったが、それも予報士の人の話によると今年最後の暑い日ということだそうで、夏の本当の終わりでしょう、これからが本当の秋です、ということだった。本格的な秋に突入ということのようで、これからまた紅葉などの行楽情報が流れることだろう。山では既に紅葉のシーズンを迎えていると思う。昨年のちょうど今頃登山へ行き、下山時の気楽さも相まって赤、黄に色づいた山ふところの景色を楽しんだ。
今年の夏は蚊が多かった。柄にもなく庭で作業などするものだから奴らの格好の餌食となったということだろう。蚊も人間と同じで暑い日中はほとんど出てこない。何だ今年は蚊に悩まされることはないななどと思っていたのだが、夕方陽射しが少し弱くなったと思った頃に急に来襲し始めるのだった。腕などにとまるや否やすぐに吸血を始めるらしい。その素早さに辟易して網戸の内側に逃げ込むのだが、一緒に何匹かは入って来てしまうのである。くそっと思うのだが部屋のどこかに紛れて叩き潰すことすらできない。暑さでこちら目も頭も朦朧なのだ。そのあと汗をかきつつパソコンなどに向かっていると、いつしかまた脚、腕にとまって吸血作業を始めるのだ。気付いてパソコンの画面を見つつも、またバシバシ叩くのだが、的定まらず逃すばかり・・・。狂言に「蚊相撲」というのがあって、蚊の来襲のときの音の「ぷーん」というのが印象に残っているのだが、顔面周辺直撃の時は「ぷぷぷぷーん」という必要以上に元気そうな慌ただしそうな爆音をたてるから、うるさくてしょうがない。こんなものに悩まされてたまるかと自分の顔を叩きまくる始末だ。たいがい奴らは逃げて生き延びる。
それで、そのようなある日、今年初の蚊取り線香を買いに出かけたのである。こんな小さなもののために出かけたのである。コーナンに。電気式のものも使ったことはあるが、今また従来の渦巻き状のものに回帰中。売り場の棚を見ると、それが良く効くと知っているメーカーのもので高いものと、知っているメーカーのものではあるがかなりお得感があるなという安いものがあり、もしや効き目薄いながらも撃墜さえ出来れば良いかとその安い方を買った。それでまたパソコンの敵の来襲時にここぞとばかりに火をつけ、どうか、効果ありや無しや、とやった。効果はあったのだが、効き目薄い方であるからか飛び方は弱るものの撃墜にまでは至らないのである。ふらふらと飛び続けるのだ。こいつ、とそれを追いかけ追いかけ部屋の中を走り回るのである。効き目薄い分、こちらの追撃の労を必要とするのだ。追いついたと適当に判断したあたりでバシバシと見当をつけて宙を叩きまくり、やっと一匹仕留めるという具合。おおまかに言って効果はあった。それが今年の夏の思い出。
家で以前飼っていた犬など、部屋の隅に寝そべっていたと思ったら急に頭だけ挙げて、あっちを向いてカプッ、こっちを向いてカプッとやっていた。手が使えないから俊敏に食べにかかるわけだ。手を使って蚊を叩く犬がいたら見てみたいがおそらく世界中にそんなのはいないだろう。
今年の夏の熱帯夜、寝るときなど部屋の電気を消し、やっと布団の上に寝っ転がったと思った瞬間、ぷーんと耳元で例の爆音が聞こえ、ウガーとまた跳ね起きて電気を付け蚊退治にいそしんだこともある。そういうときはいつもウガーという掛け声になるのだけど、どの人もそうなのだろうか。僕はそうだ。それでゆっくり起きるのではなく跳ね起きてしまうのである。それでまた宙をバシバシと叩きまくるのだ。

 


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