カッキーYAMA   akihiko tange

手始めに、日常的なことを気の向いたときに載せていくつもり。

コーヒーのこと 

2017-05-06 | エッセイ


あっ・・・。寝ぼけている。
寝ぼけたまま記念写真を撮った。





 キーコーヒーという看板の出た喫茶店に久々に旅先で入った。昭和の時代の臭いのする喫茶店が少なくなった。僕は普段は、昭和の時代という言い方をする気にならない。ならないというより、考えてみてそういった言い方をほとんどしていない。語彙として頭に出てこないのだ。平成と区別する頭があまり無く、ひと続きのような感じだ。だから昭和レトロという捉え方にも、え?レトロなの?という思いだった。あまりにマスコミでそういった切り口の特集をしつこくやるので慣れて違和感が無くなってしまっているけれど。
 若者のコーヒー離れと安コーヒーショップ、例えばドトールやスターバックスなどの隆盛もあって、いわゆる喫茶店!というタイプの店が少なくなっているらしい。確かに。若者は安コーヒーショップでもあまりコーヒーは飲まないようだ。いわゆる喫茶店と言われるもののうち、あるのは生き残りの昭和タイプの喫茶店か新たにチャレンジしている喫茶店。後者は向こう風にCAFEなどと店先に出ていたりする。若者のコーヒー離れというけれど、僕もよく入る安コーヒー店のコーヒーはやはり味は今一つだ。だからあまり飲まなくなるのだろう。値段相応に美味いということで、コクや香りは工夫して出していてチェーン店側の苦労も分かるのだけれど、やはりどこか人工的な感じがする。スターバックスは出店時は話題になったけれど集客の多さの秘密はオープンエアであったりロケーションの良さであったり、店のイメージであったりすることが多く、肝心のコーヒーの味は似た並びの安コーヒー店の中でもあまり美味くないと思うのだ。そもそも安コーヒー店の味自体が横並びのソコソコの味だ。
 キーコーヒーの店には昭和の頃に僕はよく入った。昭和50年代くらいだと思う。お馴染みの看板が店の前に出ていた。他にUCCコーヒーの店も数多くあった。西の方へと旅したときなどは、いたる所UCCだらけだったと思う。あと、西の方ではほんの少しだけ、UCというのがあって珍しさもあって入ったことがある。コーヒーは旅に出ると、喫茶店に入って一息つき、落ち着いて旅程を考えたり、旅先からのはがきなど書いたりするので頻繁に飲んだ。だから、いちいちそこのコーヒーの系列などは気にしていなかった。そのくらい頻繁に適当に入っていたのである。入ると、音響機器が良くていい音が鳴っていたり、店内の壁いっぱいに動物、それも哺乳類などの動物を飼育しているガラスケースがあって眺められたりなど、ユニークな店があって楽しんだ。地方へ行くほどそういう店があったように思う。経営に余裕があったのだろう。旅のガイドを見つつコーヒーをすすり、ふと顔を上げるとタヌキなどの動物と目が合うのだ。鳥のさえずりが聴こえたり・・・。もともとそれほどのコーヒー好きではなかったかもしれないが、そうやって数多く飲んでいるうちに味が分かるようになり、コーヒー好きになってしまった。そういう店は味は、普通に美味しい、という感じだ。安コーヒーよりは良いことが多い。
 店舗数は少なくなったとはいえ、今は独自のルートで豆を仕入れる店など多くなっているようだ。それなりに個別の特徴を出そうとしている。美味しいコーヒーを出す店も多い。貿易ルートなどの変遷もその要因として大きいだろう。今ならネットで直接現地から仕入れることも充分可能だ。巨大ナニナニ物産などに一律に頼らなければならなかった時代はとうに終わっている。珍しい豆を独自に入れている店に出くわすと飲んでみる。そして相変わらず、安コーヒーショップやUCCなどの喫茶店にも入る。店内が昭和的、よく言えばクラシカル、普通に言うと少し古びたその感じの店にも何かこちらの側の好みのようなものがあるにはある。あるのだけれど、もう数多く入っているので何とも入り乱れたルースな好み、だ。




コメント
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