人間の地位による権力指向の勘違い
人間は、特に社会人時代は一度その地位の座に着くと
水を得た魚のように、我が物顔で思うがままに権力を
振り翳し自分の権力の及ぶ範囲以上に誇示できると錯
覚しがちである。よほど権力の座り心地が良くて、し
がみついてでも維持しようとするものである。
また影響を受ける周囲の人も、表面上は素直に従い機
嫌を取ったりする。どうしても独断的で就いていけな
く言う事を聞かない者は、自ら退職したり解雇される。
自分は「地位=偉い」と勘違いするのである。そして
所謂裸の王様的存在になり自分の勘違いに気付かない。
組織は大なり小なり、ピラミット型で構成されているが
それぞれの立場の人間(特にトップ)は、その組織内ま
たは関連する範囲内での権力の指向が許されるのであっ
て当然に常に責任は付き物である。しかし、地位による
権力は、組織内の業務に与えられたもので、一個人に与
えられたものではない。
トップになる人間は、組織や集団を纏める能力と決断力
が必要で、その資質のない者が自分が影響範囲以外でも
偉い人物になったと勘違いをする傾向があるようだ。
地位とは単なる肩書であって、個人の能力と人間的魅力
を持ち得た人物と自負するのは、大きな勘違いである。