僕は両親の最期を看取ることができなかった
僕の父は48歳で出張先で脳卒中で急死した、私が13歳の時で死後3日目にして父に会えた。
当時の父は単身赴任や出張が多かったので、亡くなったと聞かされた時は子供の私には、直ぐには現実を受け入れることができずにいたことを覚えている。
父との思い出は10年ほどだったが、とても子煩悩でよく遊んでくれた事とバイクの後に僕を載せるのが好きな父だった。
母は4年前92歳で札幌の病院で息を引き取った、私はその時には既に神奈川に来ていて看取ることはできなかった。
僕が神奈川に行く時は、施設に入っていて認知症が徐々に進行して僕を認識するのも既に難しい状態だった。
そんな母を姉に託して娘たちのところに来た事は、なんて親不孝な息子だったと今でも後悔している。
きっと母は、頭では私のことを忘れてしまったが心では傍にいて欲しかったに違いない。
92歳まで生きた母の終期は幸せだっただろうかと思うと胸が痛む。
父の遺骨は故郷のお寺の納骨堂に預かって貰っていたが、故郷を離れる際にお墓を建て納骨してきた。
そして母を納骨し53年ぶりに夫婦を再会させることができたのが、唯一の親孝行かもしれない。
しかし、病弱の母を残して一人離れたことは死ぬまで私の心のしこりとして消えることはないだろう。