あきらの稽古日誌~合唱、日本舞踊、ETC

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新人「智美」の稽古風景

2014-03-26 19:27:20 | 日記
昨日の稽古は、洋子の娘・智美が母にアメリカ留学の希望を切り出すシーンです。
隣の部屋では、洋子・智美が介護を始めた祖母・タツがその弟の保と久し振りのつもる話で盛り上がっています。
「智美」役に抜擢された新人のKさんの演技に、ディレクターのダメが嵐のように降り注ぎました。
ちょっと気の毒な気もしましたが、私にとっては、また新たに自分の演技を見直すヒントがふんだんに盛り込まれていて、興味深い稽古でした。
ディレクター語録の一部を紹介しましょう。
・セリフは、体の中に気分が醸成されてくるまでしゃべるな。
・セリフは、体の中で何かが化学変化して、その結果として出てくるものである。体に何もない状態で、口だけ動かすな。
・暗記してきたセリフを安易に口に出すな。一言一言に、責任を持ってしゃべれ。
・あせって言葉が早くなるな。声が高くなるな。語尾を締めろ。
・言葉のイメージをしっかり持ってしゃべれ。
・口が早いと薄っぺら、言葉だけが先走って、内実が何も感じられない。もっとゆっくり、もっと丁寧に、それなりの勉強もしてこい。
・役者は「いい終わったあとの口跡がどう残るか」が命。語尾が流れると、口跡が何も残らない。
  口跡が残せなければ役者はできない。
・発する言葉が上滑りしたり、口が早くなったらおしまい、何の表現にもなってない。
・体が動いていない、体が反応してない。
・たとえば「じゃ、なんなのよ」というセリフ、最後の「よ」の強さ、音程、長さ、その他説明できない口跡によって、
  真剣み、真面目さ、丁寧さ、慎重さ、いい加減さ、蓮っ葉な物言い、など全く異なる印象になる。
それにしても、Kさん、何回も何回も、同じセリフを繰り返し稽古、わるびれず、冷静に、ちょっとただ者でない感じがしました。
そして、ディレクターの“ダメシャワー”は、なんだか、ちょっとうらやましいようにも感じました。