もう先々週のことになると思うが、TBSのブロード・キャスターという番組で福留功という司会者が幸田真音というゲストに日銀の利上げに関して「こんなことではいかんではないのか」という風に聞いていたようだった。
どうもこの光景を見ていて非常におかしな感じがしたのは、その政策決定の手法について苦言を呈していたようだったが実際問題として自分たちは今「利上げすべきかどうか」ということに関してはっきりとは言っていなかったように見えたことだ。
少なくとも幸田真音は経済小説を多数出版しているわけだから、利上げすべきなら、すべき、とはっきり言えばいいものをどうもその点がはっきりしなかった。
たしかに政策決定するのはお役人や日銀の方々だろうからそれに任せていいということもあるだろうが、いずれにせよ人様の決定の仕方にものが言いたいなら自分はこうすべきだという点をはっきりさせられないものか、と思った。
しかもほんの数十秒しかこの件に関して触れていないというのはすごく意外というか、ある意味むしろ納得した部分もある。
はっきり言ってしまえばこの点に関してこの番組ではあまり触れたくない、しかし全く触れないわけには行かないということで妥協してごまかした印象すらあるのである。
テレビというのは新聞と違って縮刷版のようなものはないので確かめようがないので、これから書くことも今まで書いたことも自分の記憶にあってしまうが(と言って新聞に関しても縮刷版で確かめるようなことは自分はあまりしないが)、数年前この番組は「日銀は金利をあげるべきである」という主張を非常に分かりやすくアリとキリギリスのイラストのようなものを使って説明していたのである。
そんなことは今回一切しなかった。
なぜか。。。
たしか、あのころ一度だけ日銀は金利を上げたのであるが、その直後に株価が下がったかなにかですぐに金利をもとに戻したわけである。
それがいつ頃のことなのかなどはっきりしないが、どうも2000年8月のことらしい。
そういうことはもちろん福留功などは覚えているはず(確かそのころもアナウンサーは福留功だったと思う)だと思うが、知らんぷりということであろう。
その場その場いいかげんなことを言って、日本の経済が大変なことになっても政治家同様マスコミも知らんぷり。
自分たちの間違えが証明されたらずっと黙っていいのに、またしてもおそるおそるちょっとずつ、いかにも自分たちが賢い人たちであるかのようにちょこっとずつしゃべる。
これでは何のために幸田をゲストに招いたのか分からない。
もう少し具体的に金利政策について話してもよさそうなものだと思ったが、本当にいい加減なものだ。
むろん当時金利について口やかましく言ったのはTBSだけではなくて石原慎太郎もあちこちでさんざん上げろ、上げろ、とまくしたてた。
特にサンデー・プロジェクトでは宮澤喜一大蔵大臣に対してアメリカのサマーズ財務長官(両方とももちろん「元」です。ちなみにサマーズは現ハーバード学長のはず。ちなみにこの人「も」わりと最近女性蔑視発言で大変な問題を引き起こした)が金利を上げるなと指示してそのいうことを聞いたということを言っていた。
その際かなり差別的ともとれることをサマ-ズが宮澤に関して周囲に言ったということも言っていたのではなかったか。
何せいま自分の記憶で書いているのだが、ようするにこういう人たちは自分にとって都合の悪いことは全部片っ端から忘れてえらそうなことを言える種類の人間である。
自分はそうはなれない。
だからこうして今のところ匿名(仮名というべきか)で書いているわけだが、それにしてもあまりにもこのような人たちの図々しさというのはある意味、自分も少しはまねすべきなのかと思う今日この頃である。
福留は前回の放送で立命館小学校の教育を取り上げた際、自分には中学校のころにいい先生との出会いあがって自分が今あるのもその先生のおかげであるなどといっていたが、それほど自分がえらいと思っているのだろうか。
ちなみにその教育というものに対してどういう風に思っているのかゲストも含め全くどう評価しているのか測りかねるコメントばっかりだった。
こんなテレビは見たくないのだが見てしまう。
それで番組も成り立っているということか。
日本がいつまでたってもよくならないのはこういうマスコミのせいであると言っても過言ではないであろう。
教育に関する議論する場では教育に関する議論以上にマスコミに関する議論をすべきではないだろうか。
文中敬称略
もっともお名前の漢字も正確かどうか分かりません。
追記:ちなみに自分は金利あげてほしくないです。