24 黄釈子 Blog 「My Days」by Oldman+1(吉住)

コロナ予防接種0回、30年間健康診断0回の後期高齢+1、元原告団長の下り坂人生、日々の戯言。KindleWriter。

日が暮れて

2021年12月11日 | 日記

午後に甥っ子を連れて、妹が来ると言うので、午前中にワイフと二人、泰澄の森のお風呂に出かけ、明日の村の会館や神社の掃除に出す、お茶などを買って、帰宅。お天気は次第に曇り空になって、暗くなった頃、来年から千葉に住んで、再度、東京の会社にシステムエンジニアで働く甥っ子が挨拶にきた。

来たついでに、村の墓参りをしてくれた。妹も、子宮癌の摘出手術をして、今年は県立病院に入院。全く忘れていたと言うか、本人が言うまで、思い出すこともなかったし、見舞いもしなかった。コロナのせいだろうけど、1週間で退院して、抗癌剤などの治療薬一つも飲まず、痩せもせず、元気でピンピンしているせいかもしれない。

妹は、地元悪友と同じで、満70歳になる。「薄情な兄ちゃん」には慣れっこなのか、恨みがましいことは一言も言わず、「保険が下りた!」とニコニコ。多少痛い思いをして、小遣いが増えて、上機嫌のようだ。しかも、この数年、自宅に戻ってきていた、46歳になる独身長男が、再び、東京に出ていくとなれば、幾分気持ちも楽だろう。

近くには次男夫婦が住み暮らして、毎日、孫もやってくる。旦那は私より一つ上だが、体は元気で、田んぼも畑もやっているし、家賃収入に企業年金ももらって、生活に不自由はないはず。我が地区に比べて、広い地区の連合会長もやっているし、地区の農家組合長(こっちは、本格的)も忙しいはずだ。

そういえば、偶然だが、今日は母親の月命日。墓参りも値打ちがあったというものだ。


紅桜夢 曹雪芹

2021年12月11日 | 気象

2021年12月11日(土曜日)午前6時30分:[  6c/16c/20%  ] 晴れのち曇り

世界文学全集の表紙はかなり覚えている。1967年講談社から出版された全集。毎月1冊、全48巻、4年がかりの本。「月と6ペンス」は、「ムーンナンドシックスペンス サマセットモーム」などと瞬時に口に出る。「怒りのぶどう」はジョンスタインベック。「大地」はパールバック。

「魅せられたる魂」ロマンロラン、「カラマーゾフの兄弟」トルストイ、「桜の園」チェーホフ。

言いだしたら切りがないほど覚えているのだが、この「紅楼夢」曹雪芹だけは、全く記憶にない。広げると、結構、写真資料も付録についているし、小さな文字でありながら、至る所、細かく振り仮名も印刷してある。今では、考えられないほどの丁寧な仕事ぶり。

1960年後半ごろに日本人の心意気がどんなもんだったかを如実に見せてくれる。まあ、私がどれほどいい加減な奴かといえば、文学全集のタイトルと作者名などスラスラ出てきても、中身は全く記憶にない。多分、ほとんど読んでいない。当時の定価一冊580円の本を、小学校の教師をしていた母親が、教科書販売などで出入りしていた福井銀行本店横にあった品川書店の外交員に注文して、毎月届けられるのを我が家に持ち帰った。その全巻48冊を「邪魔になる」と、スチール本棚ごと、20年以上も前に新しく出来た町内会館に勝手に持ち込んでしまったのだ。なんと言う軽薄な行動であり、のうたりんか。

もっとも、家にあったら、廃品回収にだしていたかもしれないから、「賢明な選択」とも言えないわけではない。何せ、この25年ほど町内の誰も手にして、読んだ気配は皆無だから、保存状態は悪くない。薄汚れ、変質したビニールカバーを剥がせば、表面も新しい。

また、勝手に全巻取り戻し、手元に帰ったことは「僥倖」と言うべきかもしれない。この200年か300年の間に生まれた、世界の優れた知性を持つ人物の言葉を多少知るには、もう、遅過ぎたかもしれないのだが、まあ、せめて、この「紅楼夢」は読んでみたいと手元に置くだけで、少し、ワクワクし、心が休まる。

昔は月一回の漫画本「少年」を、母親が自転車の荷台にくくりつけて帰ってくるのを、近所の仲間と家の外で待っていた。あの品川書店から、学校に配達され、それを母親が、今ではママチャリという女自転車の荷台に必ずくくりつけて、砂利道を向こうから帰ってくる。

当時の月刊本には「冒険王」などもあったが、私は「少年」を買ってもらっていた。それには、漫画の付録本が付いているので、それをついこの間亡くなった村人や隣のコーチャンやよっちゃん、ひろよっさん、などなど、回し読み出来るので、一緒に待っている。

月光仮面、まぼろし探偵、赤胴鈴之助、鉄人28号、鉄腕アトム..........。そんなものに夢中になった男が高校生や大学生になっても、世界文学全集を読むほどの「知性」の芽生えは、しなかったに違いない。

もっとも、中学3年生の、高校受験勉強を炬燵のなかで寝転んでやっている時、国語の例題に川端康成の「雪国」の冒頭が載っていて、それに魅せられて、高校時代は結構、読んだ。いや、川端康成を。三島由紀夫も読んだかな? 何せ、高校時代は「文芸部員」だったのだ。家では、自動車修理工場の手伝いをしながら、山仕事や畑仕事の手伝いもしながら、文芸部員。

まあ、今は昔の話。

さあ、今朝も太陽が眩しい!朝っぱらから、いいお天気になってきた。