「どうして?」って疑問を持ちながら、育児をするのはつらい。
どうして泣くの? どうして泣きやまないの?
何がほしいの? 何をどうしてほしいの? どうして?
性格的に、そういうことをあまり気にしないという方も、たくさんいらっしゃると思います。
でも、私みたいに心配性かつ分析型の人間には、理由のわからないもの、理不尽な(と大人には思える)ものと向き合い続けること自体が、時々とてもストレスになる気がします。
うちのダンナさんは正反対で、現状を受け入れて「子どもには理由なんてないよ」とあっさり言えるタイプ。
まったくもって、うらやましい限りです。そんなふうに言えたら楽だろうなあ。
とはいえ、「少しは原因究明してよ。何か理由があるかもしれないでしょ!」という、妻の八つ当たり的怒りを買うこともしばしばですが・・・。
前々回の実録。
実はあの日だけではなくて、前後合わせて六日連続で、号泣騒ぎがおきてたんですね。
あの時は、まさに「どうして?」のオンパレードでした。
泣かないまでも、すぐにご機嫌ななめになるし、普通に言えば済むようなことでもキーキーうるさく訴えてくるし。
思い当たるところも全然なくて、もうこっちまで涙が出そうだった。
実際、トイレに閉じこもった時は、中で泣いてました。
子どもをトイレに閉じ込めたりすると虐待っぽいから、自分がこもった方がましかな、と思ったんですが・・・。
冬坊が「あけてあけて~!」と叫ぶ声。
うちのトイレは通りに近い場所にあるから、きっと外まで筒抜けだったにちがいない。
虐待と思われても不思議はなかったかも。
それにしても、トイレに籠城して泣く母って・・・。
情けないったらありゃしない話ですよね。
あれは夕方から夜にかけての騒動でしたが、その時間帯は私にとって本当に鬼門で、今でも時々失敗してしまいます。
というのも、子どもって夕方になると、昼間よりご機嫌が悪くなりやすいですよね。
乳児の夕方泣きは有名ですが、もっと大きくなってからも。
特にお昼寝をしていないと、一日の疲れがどっと出てきて、眠いし、おなかはすくし、遊ぶのもあきちゃったし・・・で、必然的に、ママにくっついてベタベタベタ。
ところがまずいことに、大人の方も、事情は同じだったりするんです。
疲れが出るし、眠いし、おなかはすくし、子どもと遊ぶのもあきちゃったし、でも夕食を作らなきゃいけないし・・・で、必然的にイライライラ。
冬坊は特に、眠いイコール不機嫌がはっきりしていたので、夕方こそ時間をとって、ちゃんと相手をしてあげる必要がありました。
そうすれば、お互いもっと楽しかったはず。
でも、それをするためには夕食の準備を済ませておかなきゃならない。
でも、私にはそれができない。
だって、料理が・・・(以下、さんざん書かせていただいたので自粛)。
私にとって、料理の問題と不機嫌の問題は、同じ悩みの両局面でした。
うまくいかないまま、険悪なムードで食卓についたことも、1度や2度じゃありません。こんなことだから偏食になるんだって落ち込んだことも、しょっちゅう。
冬坊が5歳7カ月の頃のこと。
例によって険悪な中で食事を始めた冬坊。
ウィンナーばっかり食べてほかのものに見向きもしないため、思わずとげとげしく注意する母。
「ほかのおかずも食べなさい。栄養あるんだから!」
こちらを見た冬坊は、泣きそうな顔で小さく言いました。
「ぼく、これ好きなのよ。おいしいの」
リスみたいに、ほっぺいっぱいウィンナーをほおばったままで。
・・・・・はっとしました。
今のは、本当ならにこにこしながら言うべき言葉じゃないの?
それなのに、私ときたら。
食事中にまで、子どもを追いつめるなんて・・・。