全体像が見えてから、稽古ができることで、
いやがうえにもテンションアップ!
でもこういう意気込みって、
決していい状態じゃなかったりするんですよね。
どこの世界でもそうじゃないですか?
テンションが上がりすぎて、
自分勝手にテンションばかり上げていると、
空回りしたり、自己完結に流れたり、という、
悪しき展開に流れやすいという・・・。
そして芝居の場合は、
<考えすぎてワケがわからなくなる>
という最悪の展開に陥ったりするんです。
・・・いや、あのね。
ほんっとに、これ、完全に、
ワケわかんなくなることがあるんです!
信じられないかもしれませんが、
自分がどんな芝居をやってるのか、
どんな芝居をやるべきなのか、
・・・まるっきり、わからなくなります
もともと自分とは違う人間を作っているので、
いじくりすぎたり、
キャラを変な方向に持っていったりしているうちに、
完全に道を見失うことがあるんですね
演出家に「違う、違う」とダメ出しされて、
戻そうと思うと、いよいよわかんなくなる
わかんなくなると、
信じられないほど目茶苦茶になって
稽古場で、あり得ないような、
学芸会以下のお芝居しちゃったりします。
実は、私、
何度もやっています
かなり多い方だと思います
しかし、こうなると、
ホントに抜け出せるんだろうか、と、
まさに地獄の日々を送ります。
これは本当に本当に、地獄です。
本番の日は決まってるし、
そこまでに何とかしないと、とんでもないことになる。
でも、その方策すら見えない。
どうしよう~~~~~
他のキャストたちにも合わせる顔がない
演出家の顔がまっすぐ見られない
何も喉を通らず、眠れない日々が続きます。
で、
こんなとき、
演出家の度量が見えるんですね。
(って、自分のことを棚に上げて言う話じゃありませんが)
本番近く、1人でグジャグジャの芝居を見せていても、
ぐっとこらえて、見守ってくれる演出家だと、
「ごめんなさい!」と心で詫びながらも、
立ち直りやすいんです。
それが待てずに、
「なにやってんだ!」と怒鳴るような演出家だと、
いよいよ混乱に拍車をかけて、
なかなか立ち直れず、
そこで、また怒られて、悪循環が止まらなくなる・・・。
そして、「名演出家」と呼ばれるような人は、
必ず前者です。
作品をまとめる責任者として、
グジャグジャになった役者がどれほど不安か、
それを見守るのに、どれほど忍耐がいるか、
これは計り知れないものがあります。
でも、それまでの稽古を見ていて、
「グジャグジャになっているけど、
こいつは信じてやろう」
と、本人の立ち直りを待ってくれる。
こういう人には、役者も本気でついていきます。
これも、どこの世界でも一緒ですよね。
部下をどこまで信じてくれるか。
部下のスランプにどう対処するか。
いい上司と悪い(?)上司の差が、ここで出る。
人間の大きさでもあるんでしょうね。
(そこまで言うかっ?)
まぁ、何度も大スランプに陥ったものの、
おかげさまで毎回、本番前に立ち直りつつ、
今に至っております。
がっ!
できることなら、あの思いだけはしたくありません。
それに、今回、
そうでなくても大変な、演出の佐藤さんに、
私までがストレスをかけたくありません。
相変わらず、悩み多き日々ですが、
地獄にまでは墜ちぬように、
シンプルにシンプルに、
少しずつ、
気持ちも新たに、
この役に寄り添っていきたいと思います。
さぁぁぁぁ、頑張るぞーーーーっ!
(って、結局、力入ってるけど )
<稽古風景・スローモーションで殺陣の段取りを確認する>
「将門 ~平将門傀儡徒夢~」
公演詳細はこの下に