今日と明日は、学生たちの落語会の本番。
お客さん、入ってくれるかな、
お客さん、笑ってくれるかな、と、
自分の舞台よりも、ずっと緊張します。
もちろん学生落語なので、
所詮、素人芸でしかないんですが、
いくら素人芸といっても、
大勢の部員たちの中には、
センスのある子、地道に努力をする子、ノリのいい子など、
実にさまざまな子がいます。
そして、やっぱり、
もう一つ、伸びない子もいるんですよね。
ものすごく努力をして、ちゃんと形にはなってるのに、
なにかしら足りないな~、っていう女の子がいました。
人一倍頑張ってるのに、だけどもう一つ、何かが足りない。
こんなに頑張ってるのになぁと思いながら、
1年のときから、ずっと見てきて、気がつけばもう4年。
やはり4年間やってくれば、
難しい落語にもチャレンジしたくなるもので、
今回、彼女が選んだのは非常に難しい廓噺。
こんな難しい噺を、どの程度までこなせるだろう、と、
はっきり言って、不安の方が大きいスタートでした。
もちろん、ずっと続けてきているので、
1、2年に比べれば圧倒的にうまいのですが、
予想通り、それでもやっぱり何かが足りない。
いいアドバイスが浮かばないまま、ついに最終稽古の日。
これが彼女の個性と思うしかないかな~、
と思いながら、
聞き始めた彼女の落語が、
え? どうしたんだ? 化けたぞ!
急に上手くなることを、化けると言うのですが、
最後の稽古で突然、彼女が化けたのです。
理由なんか、ぜんぜんわかりません。
ただ、突然、がらっと変わったんです。
ずっとこれまで蓄えてきたものが、
ここにきて突然、爆発した、という感じでした。
そして、今日の本番も、
大勢の登場人物を、みごとに演じ分けて、
しっかりお客さんをつかんでいる姿に、
客席で笑いながらも泣きそうでした。
こんなことって、あるんだなぁ。
来春にはもう社会人になって、
これだけ頑張ってきた落語からも、
完全に離れてしまうだろうけど、
そしてたぶん、
社会ではなんの役にも立たないだろうけど、
でも、やったじゃん!
この難しい噺で爆笑をとれたじゃん!
ささやかなことだけど、
学生たちといると、たまにこういう経験をさせてもらえて、
オバサンまで青春のおすそ分けをもらえます。
これでやめられなくなって、
忙しいーーーっと言いながら、また明日も行ってきまーす
ブログランキング参加中
人気ブログランキング
よろしければ、クリックを!