望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

沈黙の深み

2017-06-11 15:21:11 | 演劇・舞台・小劇場

数日前の新聞に、このタイトルの記事があって、
そこに、こんな一文がありました。

「優れたパーカッショニストは、一番大事な音を叩かない」

音楽について考えるときに、
どうしても鳴っている音に注目してしまう。

けれども、もちろん休符も音符なのであって、

どこで、どんな音が鳴るのか、と同じくらい、

どこで、どんな音を鳴らさないのか、が大事だ。

・・・と、そんな内容でした。



  うーーーん。


    深いなぁ。



ひと月ほど前に、
今、非常に高い評価を受けている劇団さんの、
公演を観に行きました。


淡々と事実を見せていく、
派手さも笑いもない芝居なのに、目が離せない。

高評価の理由がわかった気がしました。


そして一番驚いたのが、会話の間!


   長い。
  
    本当に長い・・・。


とはいえ、すべての間が長いのではなく、

たまに、会話の中で現れる間が、
普通の芝居の感覚では、あり得ないほど長く、

自分の役者としての生理的な間と違いすぎて、
ちょっとイライラっとしたことも。


だけど、その間が、

続く芝居に、ものすごく効いてくるのです。

勿論、きちんと自分の中に、
役を落とし込んでいるからこそ、間が生きるので、

浅い芝居をやっていたら、
ただの無駄でしかありません。


しかし、そのイライラさせられるような間が、
そのシーンで、絶対に必要な、
リアリティーのある間だったのです。


私はこれだけ間を生かした芝居を、
これまで見たことがなかったし、

自分でやってみようなんて夢にも思わなかった。

いや、もし、これをやったとしても、
それにOKを出す演出家はほとんどいないと思います。


放送事故並みの間を、あえて作って、
その人物のその時の心情を見せる。

やはりこの劇団は凄い、と、
一番感じたのが、この間でした。


鳴らない音が、鳴っている音に、どれほど影響を与えるか。

 音楽も芝居も同じなんですね~。


そして、コンマ何秒の違いで、
その間が、生きるか死ぬかが変わる。

本当に本当に絶妙な塩梅で、
スコーンといい間にハマった時の快感といったら!

 こんな相手役とのセッションも、音楽と同じかもしれません。





  うん。


   きっと、音楽も、

     3日やったらやめられないんだろうな(笑)






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