数日前の新聞に、このタイトルの記事があって、
そこに、こんな一文がありました。
「優れたパーカッショニストは、一番大事な音を叩かない」
音楽について考えるときに、
どうしても鳴っている音に注目してしまう。
けれども、もちろん休符も音符なのであって、
どこで、どんな音が鳴るのか、と同じくらい、
どこで、どんな音を鳴らさないのか、が大事だ。
・・・と、そんな内容でした。
うーーーん。
深いなぁ。
ひと月ほど前に、
今、非常に高い評価を受けている劇団さんの、
公演を観に行きました。
淡々と事実を見せていく、
派手さも笑いもない芝居なのに、目が離せない。
高評価の理由がわかった気がしました。
そして一番驚いたのが、会話の間!
長い。
本当に長い・・・。
とはいえ、すべての間が長いのではなく、
たまに、会話の中で現れる間が、
普通の芝居の感覚では、あり得ないほど長く、
自分の役者としての生理的な間と違いすぎて、
ちょっとイライラっとしたことも。
だけど、その間が、
続く芝居に、ものすごく効いてくるのです。
勿論、きちんと自分の中に、
役を落とし込んでいるからこそ、間が生きるので、
浅い芝居をやっていたら、
ただの無駄でしかありません。
しかし、そのイライラさせられるような間が、
そのシーンで、絶対に必要な、
リアリティーのある間だったのです。
私はこれだけ間を生かした芝居を、
これまで見たことがなかったし、
自分でやってみようなんて夢にも思わなかった。
いや、もし、これをやったとしても、
それにOKを出す演出家はほとんどいないと思います。
放送事故並みの間を、あえて作って、
その人物のその時の心情を見せる。
やはりこの劇団は凄い、と、
一番感じたのが、この間でした。
鳴らない音が、鳴っている音に、どれほど影響を与えるか。
音楽も芝居も同じなんですね~。
そして、コンマ何秒の違いで、
その間が、生きるか死ぬかが変わる。
本当に本当に絶妙な塩梅で、
スコーンといい間にハマった時の快感といったら!
こんな相手役とのセッションも、音楽と同じかもしれません。
うん。
きっと、音楽も、
3日やったらやめられないんだろうな(笑)
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