初日の開演1時間前。
劇団員楽屋の異様な騒がしさに、
様子を見に行った女の子が、
茫然として戻ってきました。
「音が・・・、全部、消えちゃったそうです。
今、〇〇さん、大泣きしています」
「え? どういうこと?」
「録音した音が全部、消えちゃったらしくて」
「えええええええっ!!」
なんと・・・、
歌のみならず、
効果音も、
バックに流れる曲も、
何か、とんでもない操作ミスで、
録音した音すべてが、
消えてしまったのだとか。
*
大泣きしている〇〇さんというのは、
音響の係をやっていた劇団の人で、
稽古の時に、ずっと、
音響をやってくれていたのですが、
本当は役者さんなので、
きっと本番はプロに任せるのだろうと、
私は勝手に思い込んでいたんですね。
*
もちろん、15年以上前の話ですから、
今の機材とは比べようもありません。
とはいえ、そんな時代でも、
まず見ないほどの古い機材で、
バックアップもとらないまま、
あり得ないミスをしてしまう。
・・・プロじゃ考えられないでしょう!
というか、
これだけの大きな劇場の公演に、
< なぜプロを頼まなかったんだ >
しかし、そんなこと、
今さら言っても始まりません。
時計を見ると、もうすぐ開演30分前
(画像はイメージです)
(つづく)
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