望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話<恐怖の崩壊事件シリーズ・消えた音・その7>(再放送)

2020-06-10 13:31:43 | 舞台・ウラ話

結局、生で歌うことになった初日。

みんな、出番寸前まで歌ってから、
舞台に出て行くことになったのですが、

このおかげで、女性たちが突然、
想定外のダッシュをすることに・・・。

     *

というのも、舞台の設定では、

音楽室のある方向は上手。


(画像はイメージです)

つまり、上手の合唱スペースで歌わないと、
上手からは聞こえてこない。


ということは・・・、

下手にハケて、また下手から出る人は、
普通なら、
そのまま下手にいれば済むものを、

わざわざ、一度上手に走って、
歌を歌ってから、

またダッシュで下手に戻る、

という仕事が増えちゃったんですね~。

(こんなときに限って、劇場が広いし

     *

そうでなくても、
初日は不安だらけで、

上手から出るか、下手から出るか、
なんていうのも、
かなり危なっかしくて、
(これは私だけ?)

もうピリピリの状態のときに、

こんな、まさかの仕事が降ってきて、

もう本当に、女性陣全員、
髪ふり乱して走り回ることになりました

     *

終わった時には、

緊張と、ほっとしたのとで、
みんな、座り込んで動けない状態。


ところが、これで、
思いもかけぬ副産物が生まれたんです。


   (つづく)





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舞台の裏のウラ話<恐怖の崩壊事件シリーズ・消えた音・その6>(再放送)

2020-06-09 15:47:18 | 舞台・ウラ話
「???」な方は、
昨日までの記事をご覧いただくとして・・・、


結局、消えた歌は復活せず、
舞台の近くで生で歌うことに。

でも、そこで、
考えてもみなかった問題が出てきたのです。

     *

舞台は、明治末期の女子師範学校。



設定は、

< 女学校から聞こえてくるコーラス >



なので、歌えるのは当然、女性だけです。


ところが、女性がほとんど全員、
舞台に出ているシーンにも、
バックに歌がかぶることが発覚


録音なら、まったく問題ないことなので、
気がつかなかったんですね。




もうこれは仕方ありません。

みんな、舞台に出るギッリギリの時間まで、
上手に急遽こしらえた合唱スペースで歌い、


出番寸前で歌を止めて、
ダッとそでに走り、

何食わぬ顔で登場。


出ない2人ほどで、
残りを必死で歌うことに

つまり、音量調節は、
生身の人間が頑張るしかないという、

究極のアナログ状態

     *

それだけじゃありません。


この歌のおかげで、女性たちが突然、
想定外のダッシュをすることに、
なってしまったのです。


   (つづく)

(使用画像はイメージです)






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舞台の裏のウラ話<恐怖の崩壊事件シリーズ・消えた音・その5>(再放送)

2020-06-08 12:17:52 | 舞台・ウラ話

開演寸前に、音が全部消えるという、
あり得ないミスに、現場は騒然。

バックに流れる曲は、
CDからの速攻ダビングで何とかなったものの、

ぜっかく録音した女学生たちの歌は?

といって、今さら録音している時間はない・・・。

     *


そのとき、楽屋の外で、
演出家の大声が響き渡りました。




「生で歌うぞーーーっ



   え????
  
  生で歌う???





  えええええええっ



今度は楽屋の中がパニックです。


録音の時はお気楽に、
歌詞を見ながら歌っていたので、

いくら有名な唱歌と言っても、
歌詞なんて覚えちゃいません。

急ごしらえで、
大きな紙に3曲分の歌詞を書き出しました。

     *

衣装を着ながら、メイクをしながら、
みんなで突然の合唱練習。

「こんなことやってて、
台詞が飛んじゃったらどうしよう」

なんて、
笑えない冗談を言いながら必死です。


(画像はイメージです)


なにしろ、開場になれば、
客席にお客様が入ってこられます。

そうなったら、もう声は出せません



結局、開場時間を遅らせてもらい、
3曲とも、1回ずつ練習することができました。


がっ!

ここでまた問題がっ!


   (つづく)





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舞台の裏のウラ話<恐怖の崩壊事件シリーズ・消えた音・その4>(再放送)

2020-06-07 13:27:13 | 舞台・ウラ話

舞台の初日。

まさかの操作ミスで、
みんなで合唱した歌も、
効果音も、バックに流れる曲も、

録音した音すべてが、消えてしまった!

それも、もう開演の30分前!

     *

開演の30分前ということは、
もう開場する時間!

すでにロビーには、
開場を待つお客様の列。


しかし、お客様が入られたら・・・、

当然のことですが、音を出す作業はできません。


もちろん、我々がウロウロしている間に、
再準備は着々と進んでいました。


バックに流す曲は、
元々CDから録っているものなので、
手元のCDから速攻ダビングしてOK。


効果音はありがたいことに、
それほど重要な音がなかったので、
初日はもうあきらめる。


そして歌は・・・。

ぜっかく録音した、
女学生たちの歌はどうする?



もちろん、これだって、
なくすこともできます。


でも、
女学生のコーラスが流れるだけで、
急に明治の女学校の雰囲気になる・・・。

あるのとないのとでは、大きく違う・・・。


(画像はイメージです)


といって、


今さら録音している時間はない・・・。


そのとき、楽屋の外で、
演出家の大声が響き渡りました。


   (つづく)






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舞台の裏のウラ話<恐怖の崩壊事件シリーズ・消えた音・その3>(再放送)

2020-06-06 15:45:09 | 舞台・ウラ話

初日の開演1時間前。

劇団員楽屋の異様な騒がしさに、
様子を見に行った女の子が、
茫然として戻ってきました。

「音が・・・、全部、消えちゃったそうです。
 今、〇〇さん、大泣きしています」


「え? どういうこと?」

「録音した音が全部、消えちゃったらしくて」


「えええええええっ!!」


  なんと・・・、


歌のみならず、

効果音も、

バックに流れる曲も、

何か、とんでもない操作ミスで、

録音した音すべてが、
消えてしまったのだとか。

     *

大泣きしている〇〇さんというのは、
音響の係をやっていた劇団の人で、

稽古の時に、ずっと、
音響をやってくれていたのですが、


本当は役者さんなので、

きっと本番はプロに任せるのだろうと、
私は勝手に思い込んでいたんですね。

     *

もちろん、15年以上前の話ですから、
今の機材とは比べようもありません。


とはいえ、そんな時代でも、

 まず見ないほどの古い機材で、

 バックアップもとらないまま、

 あり得ないミスをしてしまう。

  ・・・プロじゃ考えられないでしょう!



というか、
これだけの大きな劇場の公演に、


< なぜプロを頼まなかったんだ  >



しかし、そんなこと、
今さら言っても始まりません。


時計を見ると、もうすぐ開演30分前



(画像はイメージです)


   (つづく)






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舞台の裏のウラ話<恐怖の崩壊事件シリーズ・消えた音・その2>(再放送)

2020-06-05 12:45:11 | 舞台・ウラ話

女学生気分で、唱歌を録音したりと、
着々と準備を進めて、

いよいよ初日!


  <開演1時間前>


あちこちで「初日おめでとうございます」
の挨拶が聞こえ、

いやが上にも、
初日独特の緊張感が高まってきたときでした。


隣の楽屋が、
妙に騒がしくなってきたのです。

     *

このときはかなり大きな劇場だったので、

劇団員中心の楽屋と、
私たち客演チームの楽屋と、
女性楽屋を2つに分けていたのですが、

その劇団員楽屋から、
ただならぬ空気が、

隣にある我々の楽屋にも、
伝わってきました。


「何だろう?」
「ね~。どうしたのかな?」
などと話すうちに、

「私、見てきます!」
と若手の女の子が、
様子を見に出て行きました。


しかし、その間も騒ぎはおさまりません。


「どうしちゃったんだろう?」
「何かあったんだよね、きっと」

と心配しつつ待っていると、


その子が、茫然とした様子で、
戻ってきたではありませんか。


「音が・・・、全部、消えちゃったそうです。
 今、〇〇さん、大泣きしています」


  音が・・・消えた?!


(画像はイメージです)


   (つづく)





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舞台の裏のウラ話<恐怖の崩壊事件シリーズ・消えた音・その1>(再放送)

2020-06-04 16:24:55 | 舞台・ウラ話

さて、崩壊事件シリーズ第二弾は、
これもなっかなか大変な事件でございました。

実はですね。
これもまた、15年以上前の、

そう、ドアが大崩壊をおこした、
「見よ飛行機の高く飛べるを」の、

本番での出来事だったのです。

     *

これは有名な戯曲だけに、
あちこちで、さまざまな演出がなされていますが、

その時の演出家は、
雰囲気作りの大きなポイントとして、

「女学生たちの歌う唱歌」を、
シーンの切り替えに散りばめました。

明治末期の女子師範学校。
女学生たちの歌声が、
遠い音楽室から聞こえてきて、

その歌声をバックに、シーンが変わっていく、
・・・という、

いかにも当時の雰囲気を彷彿とさせる、
なかなかいい演出でした。

     *

ということで、

稽古期間中に、
女学生たちの歌の録音が行われました。

  なーんて言っても、

実際に歌っているのは、
そこらへんにいる女性を全員かき集めた、

女学生とは似ても似つかぬ合唱隊!


だったのですが、
まぁ、録音だから関係ありません

     *

ちょっと話がそれますが、
歌の録音って、けっこう楽しいんですよ!

大勢でワイワイ言いながら練習して、
失敗したら、また録り直し。

日ごろ、絶対にやり直しのきかない、
ライブの世界にいるからか、

やり直せるというだけで、
一気に気が楽になっちゃうんです。

それに「歌は素人だし~」
なんて逃げ口上まであったりして、
とにかく気楽に楽しめるんですね。


とまぁ、そんな調子で、
3シーン分、3曲を録音して、

いよいよ初日を迎えました。


当時は若い、安達先生役でした(でへっ


   (つづく)





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舞台の裏のウラ話<恐怖の崩壊事件シリーズ・その4>(再放送)

2020-06-03 16:26:03 | 舞台・ウラ話

本番寸前の、まさかのファイル崩壊。

あとでいくらファイルを調べても、
崩壊の原因は皆目わからず。


でも・・・、

やっぱりファイルに、何らかの問題があったようです。

     *

1週間の間が空いた千秋楽の日。

照明の直しが必要になって、

昼の部と夜の部の間に、
珍しく、通し稽古をしたんです。

全部を通してやる、といっても、
やっぱり、本番じゃないことで、
気が緩んでいたんでしょうね。


初日の衝撃以来、
怖くて、
絶対にファイルを下向けにはしなかったのに、

出番を待ちながら、
ふとファイルを、
下に向けて開いちゃったのです。


  ・・・と、


またしても、

 
  バサバサバサバサッ 


 (嘘でしょーーっ


と途端に、私の出番!

(ええい、しょうがない)

もう、ファイルの外側だけ持って出て、
何とかごまかしました。

あまり複雑な台詞じゃなかったので、
全部覚えていたのが功を奏しました。


次の出番からは、バラけた紙の山から、
次の台詞の書いてある頁だけを抜き取って、

紙だけ持って、とりあえず喋る、
という、とんでもない綱渡り。

     *

まぁ、照明のチェックですから、
ダメならダメで仕方ない、という状態だったので、
気は楽だったのですが。


 ・・・それにしても、なんでだろう??


原因は最後までわからずじまい。

再現写真を撮ろうと、
家で同じことをやっても、落ちないんです。

なので、この再現写真は、
手で無理やりバラして撮りました。


結局、恐怖は謎のまま。


でも、あの焦りと恐怖は、
これまでに味わったことがないオソロシサでした。

やっぱり、生は怖い・・・

というところで、次は、

音が消えた話を。


   (つづく)





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舞台の裏のウラ話<恐怖の崩壊事件シリーズ・その3>(再放送)

2020-06-02 13:43:22 | 舞台・ウラ話
昨日の続きでございます!

     *

足元に、バラバラに落ちた台本を、
懸命に拾い集め、


 ( 再現写真←実際はもっとバラバラだった )


その、集めた紙の束と、ホルダーをつかむと、
舞台裏の中でも一番、明るい場所に走って、

1、2、3、4、5・・・


頁を確認しながら、1枚ずつホルダーに入れていきます。

万が一にでも頁が飛んでたら大変です。
とにかく朗読劇なんですから。


12、13、14、15・・・


(ああ、始まっちゃった~


あせるればあせるほど、指が震えて、
手が言うことを聞きません。


(そうだ、途中まででも、出番にさえ間に合えば)

(いやダメだ。立て続けに出るんだから無理だわ)

・・・いろんなことが頭を回ります。


(あとちょっと、あとちょっと、落ちつけっ!)

  と集中する一方で、

(殺人犯があせってる芝居ってこれだよね)

なんて、余計なことまで浮かんだり

     *

そして、すべての頁を入れたところで、

私の前の出番の女の子が、
そでに戻ってきました!!


(間に合った!)


自分の出番の頁をあわてて探すと、

そのまま舞台へ。

(セーーーフ 


まずは、若い男の役。

ちょっとした会話なのに、なぜか汗だくの私。

でも、そんなことはどうでもいい。
とにかく間に合いました。


  よかった・・・。

ホッとして・・・もう泣きそうでした。

     *

なぜ、ファイルの崩壊が起こったのか。

あとで確かめてみても、
まったく問題は見つかりません。

いったい、あれは何だったんだ???


   (つづく)





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舞台の裏のウラ話<恐怖の崩壊事件シリーズ・その2>(再放送)

2020-06-01 18:21:27 | 舞台・ウラ話
朗読劇、初日。開演5分前。

やっぱり不安で、
もう一度、ちゃんと読み直しておこうと、
台本のファイルを開きました。


片手でファイルを持って、下に向けてパッと開いた、

と・・・そのときです!



 
  バサバサバサバサッ 




ファイルから、中の台本が全部、床に落ちて、

私の足元に、バラバラの台本の山が!


 ( 再現写真←実際はもっとバラバラだった )


  なぜーーーっ



もう開演まで、5分を切っています。

理由なんてどうでもいい、とにかく元に戻さねば!



周りにいいた共演者たちも、
あわてて集まってきました。

が、手伝ってもらったら、
余計バラバラになってしまう。


あせりまくって拾いながらも、

「ごめん、手伝いはいいわ」
と小声で断っているうちに、

舞台上では、主宰の話が始まりました。

これから私の最初の出番まで、

10分ちょっと!!


あ、最初の一話目だけは、こんな感じで、


後ろの女性3人が、出たり入ったりしながら、
いろんな役を読んでいったんですね。

だから女性3人は、そでで出番を待つという、
普通の芝居のような余裕があったんです。

二話目、三話目のように、
最初から椅子に座りっぱなしだったら・・・、

  もう、出られませんでした

今でも背中が寒くなる・・・。


といっても、もう時間はわずかしかないっ!!


   (つづく)




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