今回入荷したこちらのシルクボックスは手刺繍。中央のエッチングによる貴婦人は、ルイ13世の弟オルレアン公アンリの二番目の妃だったマルグリット・ド・ロレーヌ(1615-1672)と思われるポートレート。少し調べてみますと、彼女は夫から“la petite angelique” とか“l’ange”と呼ばれ(エンジェルコレクションに縁のあるお名前!)、愛されたにもかかわらず、フランスとロレーヌの不和からなかなかルイ13世から結婚が許されず、正式に結婚が許されたのはずっと後のこと。そんな運命に翻弄されつつも、正式に結婚後はリュクサンブール宮に居を定め、平穏に暮らしたのだそう。
リュクサンブールは、私が長年パリで滞在した場所からも直ぐ、目と鼻の先。何かとご縁を感じたマルグリット・ド・ロレーヌでした。ボックスはクリーム色のシルクモワレ張り、マルグリット・ド・ロレーヌのポートレートの周囲には草花模様の手刺繍、それに色合わせしたモスグリーンのベルベットリボン。ソーイングボックスとして使われたと思われるフランスらしい上品なボックスです。
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