gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

雀庵の「諜報活動/インテリジェンスと日本(6」

2021-04-05 07:41:33 | 日記
雀庵の「諜報活動/インテリジェンスと日本(6」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/280(2021/4/4/日】繁殖期の雀はすごいスピードと巧みな操縦で追いかけっこをしているが、まるで空中戦、ドッグファイトみたい。


WIKIによると「1940年7月10日~10月31日までイギリス上空とドーバー海峡でドイツ空軍とイギリス空軍の間で戦われた史上最大の航空戦は「バトル・オブ・ブリテン(Battle of Britain)と呼ばれている。ドイツによるイギリス本土上陸作戦の前哨戦としてイギリスの制空権の獲得のために行われた一連の航空戦を指す。戦略目標を達することなく独ソ戦を前にしてヒトラーによって中止された」。


英は新兵器のレーダー網と優れた暗号解読能力でドイツを撃退したが、損害も大きかった。ドイツは戦死2500人、航空機1900、英は戦死1500人、航空機1700、
民間人死者2万7450人、民間人負傷者3万2138人。


英国ではピアニストのクレア・キップスと雀のクラレンスも対独戦を戦った。キップス著「ある小さなスズメの記録」から。


<この時期のすべての男性の勇気と果敢さは言葉にできないほどだった。が、敵の攻撃が一段落すると、退屈のあまり彼らの士気は萎えてしまう。それで私は彼らを楽しませるものはないかと知恵を絞り、まったくの偶然から、彼らが何よりも博物学に興味を持っていることを発見し、直観がひらめいたのである。


「スズメに芸を教えて、皆が退屈しているときに慰問をしてもらえばいいのではないか」


私は早速スズメを掌に載せ、いくつかの芸を教えた。彼は驚くほどやすやすと、しかもあっという間にそれを自分のものにした。私は彼を連れていろいろな防空監視所や、不安に陥っている人の家々、特に休養センターには度々行って、そこで子供たちから大歓迎されたのである。


子供たちにとってスズメは決して裏切られることのない喜びのタネになった。あの過酷な月日を、彼ほど忠実に、着実に、自分の国に仕えたスズメは未だかつて一羽もいなかっただろうと、私は心の底から言うことができる>


我が家の雀は小生の無聊を慰めてくれるが、日本のためになっているとは・・・まあ、人間も大方、そんなものか。チュンチュン鳴いていれば共鳴する友も増えるかもしれない。「インテリジェンス 1941 ― 日米開戦への道 知られざる国際情報戦」から。


<日本の暗号機「パープル」は海軍技術研究所の田辺一雄技師がたった一人で開発した。リレーやスイッチなどの電子部品を多用しており、初期のコンピュータにもつながる先進的なハードウェアだった。電子式スイッチで暗号パターンを切り替える「パープル」は、ドイツの「エニグマ」以上のランダム性により、変換法則を追跡することが困難だった。


「エニグマ」を破った英国ブリッチリー(MI6の暗号解読研究所)の天才たちが「パープル」には太刀打ちできず苦しんだ。スパイと暗号解読の両輪がそろって初めて諜報大国イギリスは前進できる。ヒトラーとの戦いで手いっぱいのチャーチルは、極東で着々と勢力を伸ばす日本に対して、情報なしでは太刀打ちできなかった。


チャーチルに助け舟を出したのは、ニューヨークに諜報拠点を構える「イントレピッド」こと、W.スティーブンソンだった。CIAの生みの親ドノバンを通じてルーズベルト政権に食い込んで、米英の秘密情報機関の提携を持ち掛け、ルーズベルトとチャーチルは水面下で手を握った。


当時の米国の陸軍情報部には、英国のチューリングに匹敵する暗号解読の天才W.フリードマンがいた。彼はシカゴの実験農場で品種改良にあたっていたが、ひょんなことから暗号解読を研究するようになった。農場から陸軍情報部に転じたフリードマンは第2次大戦前後、最強の暗号機、日本の「パープル」と対峙する。


そして18か月に及ぶ格闘の末に、「パープル」の秘密を解き明かすことに成功した。


英米のコード・ブレイカーたちは「パープルはドイツのエニグマのコピーであり、基本構造も同じ回転ローターに違いない」と考えていた。そこには、日本人がオリジナルの暗号機を生み出すはずはないという軽侮の念があったのかも知れない。


「パープルは独自の機構なのか?」、フリードマン・チームの想像力を縛っていた鎖が解き離れた時、電子式スイッチを使った「パープル」の秘密に気付いた。


「パープル」のレプリカは英米の情報交換協定によって1941年2月、英国ブリッチリーに送り届けられた。以降、ブリッチリーの英国諜報機関は日本外務省が大使館に送った暗号電報の解読に成功する。


「エニグマ」に続く「パープル」の解読は、英国の情報戦略を劇的に変えた。日本の外交電を通じて日本の出方のみならず、同盟国の独、伊の動きもつかむことができたからである。解読された情報は「マジック」と呼ばれ、厳重に秘匿された。チャーチルは喜びを隠せなかった>(つづく)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
秘密、極秘情報、暗証番号を得たあなたはどうする? 「漏洩しているから気を付けて」と注意喚起するか、「やったぜベイビー、お宝発見! どっさり儲けよう」となるか。平時にあっては概ね前者だろうが、戦時にあっては敵の情報は大いに活用、裏をかいてトコトンやっつけるということになるだろう。


「我にも正義、彼にも正義」、戦争は正義と正義のぶつかり合いで、汚い手でも最終的に勝てばいいという、ルールなきガチンコ。エゲツナイが現実はそんなものだ。勝った方が正義、負けた方が悪・・・「パープル」が突破された1941年から丁度80年。戦後の覇者、米国は弱体化し、次の覇者を目指す中共は何やら下り坂。ガラガラポンを前に世界はウォーミングアップし始めた印象だ。


WW2で勝ったはずの英国は植民地を失って欲求不満、負けたはずの日本はネコを被ってとぼけているが内心は臥薪嘗胆。お互いに「日英同盟の頃は良かったなあ」。焼け木杭に火が付くでよ、もうしばらく生きていようぜ、同志諸君、次の80年が始まるのだ。これからや、真打登場、眠ったらアカンで!
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646