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雀庵の「常在戦場/1 中共包囲の新冷戦へ」

2021-04-25 07:32:25 | 日記
雀庵の「常在戦場/1 中共包囲の新冷戦へ」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/288(2021/4/24/土】中共を嫌うとか懐疑的な人々は武漢肺炎の蔓延もあって随分増えているようだ。産経2021.4.19はこう報じている。


<産経新聞社とFNNが17、18両日に実施した合同世論調査で、中国新疆ウイグル自治区や香港の人権侵害が国際的な問題になる中、日本も国会決議や制裁などで関与すべきかどうかを尋ねたところ、「関与すべきだ」とする回答が8割を超えた。与野党の有志議員が今国会中の実現を目指す国会決議の採択に向け、追い風になりそうだ。


内訳をみると「中国との関係が悪化しても強く関与すべきだ」との回答は28.4%で、「関係が悪化しない程度に関与すべきだ」は54.3%だった。日本企業などの対中依存度は高く、良好な日中関係を維持したい慎重な考えがにじんだ。


「強く関与すべきだ」との回答を支持政党別にみると、自民党は28.2%だった。立憲民主党が31.5%、共産党は50.2%で与党より野党の方が高い傾向にあった。公明党は18.0%で全政党で最も低かった>


立民の支持母体は革マル(JR総連など)で、サナダムシ戦略で色々な組織を乗っ取るのが上手い。日共はソ連生まれ→弾圧→GHQによる解放→武装闘争失敗→ソ連崩壊→中共支持→中共批判という紆余曲折の末に「無為徒食、労働貴族」という特権を確保したから、まあ革マルの先輩、兄貴である。この兄弟は陰湿、暴力、さらに利に敏いという点ではそっくりで、現在は彼らにとってこの世の天国なのに「共産主義への反感を拡大する中共」は「嫌な奴」となったわけだ。


しかし反中や反共はこれからさらに高まるからアカにとっては逆風の時代になっていくしかないだろう。目立たぬように「福祉党」とかに変身しても「ヂヂババによる、ヂヂババのための、ヂヂババの政党」では若い人の支持は得られない。苦難の行軍、お先真っ暗の“向かい風”・・・


一方で“追い風”順風満帆のような産経は「中国の軍事活動『安保上の強い懸念』3年版外交青書 ウイグル記述も拡充」(4.23)では、「東シナ海や南シナ海で活発化する中国の軍事活動について『日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念』と明記。2年版の『地域・国際社会共通の懸念事項』から表現を強めた」と嬉しそう。「表現を強めた」からといって中共の狂犬病=中狂が大人しくなるわけではないが・・・


中共に対する国際世論も随分変わってきた。ジャーナリスト・中岡望氏は4/15に「アメリカ人の習近平に対する信頼感は極めて低い。信頼できるという回答は15%にすぎない。信頼できないという回答は82%に達している。その中で『まったく信頼できない』という回答は43%もあった(PRC/Pew Research Center, 2021年3月4日)」と記している。


PRCは2020年10月6日、「中国に対する否定的な見解は、多くの国で歴史的なほど高まっている」とこう発表している。


<中国に対する見解は近年、多くの先進国でマイナス評価が高まっており、特にこの1年間で急増した。14カ国の調査対象国の過半数が中国に対して「好ましくない」としている。オーストラリア、英国、ドイツ、オランダ、スウェーデン、米国、韓国、スペイン、カナダでは、10年以上前に投票を開始して以来、否定的な見解が最高点に達した。


“嫌中”的な見解はオーストラリアで最も高まり、現在は81%が同国を好ましくないと考えており、前年から24ポイント上昇。英国では4分の3がマイナス評価。また、米国では中国に対する否定的な見方が20%近く上昇した>


共産主義者、あるいは共産主義信奉者にとって「由々しき事態」であり、このままでは共産主義思想が完全に消えてしまうという危機感があるだろう。特に「共産主義の優位性」を説くことでメシを食っていた学者にとってダメージは大きいから、彼らは大いに慌てたようだ。産経2020/6/11の岩田温・大和大学准教授の「パンデミックでよみがえる亡霊 なぜまた共産主義が語られるのか」から要約・抜粋する。


<ポスト・コロナの世界像に関して、少なからざる人々が共産主義、社会主義といった終焉したはずの世界像の復活を唱えている。


かつて知識人やマスコミ人の頭の中で、人々の理想郷とされた共産主義社会は、現実には絶望郷(ディストピア)でしかなかった。それは、ソ連崩壊や北朝鮮の惨状によって証明されたはずだが、彼らは今、その全く現実性が欠如した将来像を、過去の亡霊に取り憑かれたかのように語っているのだ。


世界的に著名なマルクス主義者で、レーニンの再評価を説く哲学者のスラヴォイ・ジジェク氏は「人間の顔をした野蛮がわたしたちの宿命なのか」と題された論考(『世界』6月号)の中で、次のように指摘する。


「既存の世界秩序の枠組みの内部では不可能に見えることを実現しなければならない」「わたしたちが最悪の事態を避けるためには、不可能なことをなさなければならない」


既存の世界の枠組みで不可能に見えることとはいったい何なのか? 要するに「コミュニズム」(共産主義)を実現したいということなのだ。すでに世界では物笑いの種にしかならなくなったコミュニズムの擁護論をこの令和の世で展開しているのだ。


ジジェク氏のような筋金入りの共産主義者がコミュニズムを憧憬する一文を、岩波書店の発行する『世界』が掲載するのは、それほど意外なことではないかもしれない。だが、ほかにも思わぬ人物が共産主義、社会主義への再評価を促しているのには注目すべきだろう。


東京大学名誉教授の本村凌二氏もまた社会主義への願望を語る一人である。「『ローマ型独裁制』から学ぶべきもの」(『Voice』6月号)において、次のように語っている。


「私が思うのは、新しい自由主義があるのであれば、新しい社会主義があってもいいのではないか、ということだ」「ソ連・東欧は須らく挫折したが、『人間をできるだけ平等に幸せにする』という社会主義の本来の理念そのものは完全に否定できるものだろうか」


しかるに、本村氏は国民の自由を根本的に制限する社会主義を見直すべきと説き、社会主義の「人間をできるだけ平等に幸せにする」という「本来の理念」は否定しがたいというのだ。だが、現実問題として、地上に存在した社会主義国家では政治家や官僚の腐敗、そして国民は耐え難い不平等を押し付けられたのではなかったか。


私はかねてより、共産主義、社会主義といった全体主義思想に関する思想的反省と、その復活に対しての警戒が足りないと説いてきた。だからこそ、パンデミックを機に再び自由を否定する議論が雨後の筍の如く出現している現状に危うさを覚えずにはいられない。


ポスト・コロナで説かれているのは社会主義ばかりではない。社会学者の大澤真幸氏は「国家超えた連帯の好機」(『朝日新聞』4月8日付朝刊)と題されたインタビューの中で、一時的な世界政府樹立について聞かれ、次のように語っている。


「持続可能な生存には『国を越えた連帯』という道以外あり得ません」「破局へのリアリティーが高まり、絶望的と思える時にこそ、思い切ったことができる。この苦境を好機に変えなくては、と強く思います」


ここであからさまに語られているのは国家否定論とでもいうべき主張ではないだろうか。従来の国家ではパンデミックに対応が出来ず、世界的な連帯こそが人類を救うという物語である。


大澤氏に限らず、自らの夢と願望を交えながら国家否定と世界の連帯を説く人々は多い。だが、現実はどうだろうか。


今回のパンデミックの問題で浮き彫りになったのは、依然として国家が大きな影響力を有しており、頼るべき共同体として機能していたという事実である。


国家同士の連携が重要であることは否定できないが、国家の存在そのものを軽視したような、これまでの知識人やマスコミ人の議論が余りに現実離れしていたことも明らかになったのではないだろうか>
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有志は「中共包囲の新冷戦」に賛同するかもしれないし、そうでないかもしれない。他に方策があればいいが、「冷戦がソ連を自壊に導いた」ことは確かだ。最期は党員や軍隊も生活苦にあえいだため、ソ連崩壊を阻止する動きはほとんどなかった。


冷戦は1945年から1989年までの44年間続いた。1985年にゴルバチョフがソ連のトップに就任した時点で既に病膏肓だったから「40年間」で潰れてしまったとも言える。


計画経済はあっても計画と実際は大きく乖離した。ノルマを達成しないとラーゲリ、収容所送りになるから、上から下まで皆、噓の報告を上げた。1万トンの小麦備蓄があることになっているのに7000トンしかない、しかも腐っているから家畜の餌にしかならない・・・こんなデタラメが日常茶飯事になった。


庶民は通貨ルーブルでは何も買えないようになっていった。外貨なら闇市で何でも買える。物資を密輸出して外貨を得たり、その外貨で密輸入したり。パクられても外貨を渡せばすぐに釈放された。計画経済は1917年のロシア革命以来まともに機能せず、大量の餓死者が相次いだ。「人権」意識なんて全くないから餓死者がいくら増えようがレーニンもスターリンもまったく動揺しない。共産党政府にとって人民はただの奴隷でしかない。


中共も“大スポンサー”のソ連を真似たから、トウ小平が権力を握って1980年代から資本主義経済に転換するまでは貧困に喘いでいた。世界の支援を受けてようやく餓死から逃れられたが、6億の民はまだ食うだけで精一杯である。それでも習近平は毛沢東時代の「原始共産主義」に戻りたくて仕方がない。狂気の沙汰、まるでポルポト。


我々が総力を挙げて中共との国交、特に貿易を絞っていけば、14億の民は習近平とその一派を駆逐するしかなくなる。李克強ら共青団派が勝てば資本主義自由経済へ舵を切るだろうが、多分、江沢民らの上海閥が権力を握り、少なくともトウ小平路線に戻るかもしれない。いずれにせよ、狂気的な習近平を排除すれば世界の危機は緩む。江沢民ファンの多い支那の民にとってもそれは大いに結構だろう。


ターゲットは習近平。彼一人が消えれば世界はずいぶん安全になる。ポルポトは側近のタ・モクに拘束されて死んだ。タ・モクはその功績から英雄視されている面もあり、豪勢な廟が建てられているほか、旧邸宅は「タ・モク博物館」として公開されている。支那にタ・モクはいるか。
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
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