雀庵の「世界は秩序再編、ガラガラポンへ」
“シーチン”修一 2.0
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/93(2020/4/7】屋上展望塔から新宿の高層ビル群が見えなくなった。北側にマンションが建ったからだが、わが街(川崎市多摩区)はここ数年、マンションラッシュが続いている。
ちょっと古い家や畑はどんどんマンションになっている。銀行が土地を担保にジャブジャブ金を貸し、土地持ちが相続税対策もあって銀行や建設会社の話に乗り、かくてわが街のトチモチクラブ連中は競って「オーナー様」になった。
多摩川梨、多摩川桃の産地だったのに、息子は代々の稼業だった農業を継がない。田畑はほとんどマンションになり、梨園の後には「梨花ハイツ」ができ、その名称が昔を物語るだけである。
「まあ、こんなものか・・・わが街は新宿、渋谷に30分、銀座、新橋、虎ノ門40分、東京50分、横浜30分、それでいて東京より家賃は30%ほど安いしなあ」
そんな風に思っていたが、新聞折込の「タウンニュース」を見てびっくりした。「公示地価・住宅地 宿河原で上昇率 神奈川県で4位」! せいぜい1km四方のちっぽけな街、小田急か東急か京王に乗り換えないと都心に行けない、JR南武線鈍行(急行は1時間に1本)だけの街なのに!
ドン亀の泥臭い田舎娘が知らぬ間にミスコン県大会入賞! ナオシが入っているわけじゃないのに、いつの間にか美人になっていた、というわけ。びっくりしちゃうよ。
今朝、散歩していたら新たに3か所で基礎工事が始まっていた。先週完成したマンションの駐車場は早くも満杯だ。展望塔から眺めると必ずどこかでクレーンが動いている。
小生の祖父らが農地を提供して国鉄を誘致し、畦道を道路に整備した駅前一等地は小生ら子供の遊び場だった。今は以前のバブル並に坪500万前後になっているだろうが、国鉄誘致で功あった地主の末裔たちはマンション経営の傍ら駅前ではそれぞれ商売(チンケ!暇つぶし的)しており、地価が上がると市県民/資産税、相続税も上がるから、これ以上の街の発展、変容は望んでいないだろう。
ネイティブの多くは、素朴でのんびりした「三丁目の夕日」が好きなのであり、東京下町みたいな密集地にはしたくないと思っているに違いない。先日、京王線千歳烏山へ行き、無茶苦茶な陋巷、迷路にびっくりさせられたが、そんな街には少なくとも小生は暮らしたくない。
チャイナコロリが落ち着くとわが街はまたまた発展するのだろうか。「もう、これ以上は住民も建物も増えて欲しくないなあ」と思う。人口が密集すると少なくとものんびり感はなくなる、緊張は高まる。
誰でも故郷は懐かしいままであってほしいと願うだろう。素朴なら素朴のままに、賑やかなら賑やかのままに。現実は「全然昔の面影ないよ、寂しいよねえ」と感じるのが普通ではないか。
戦後の日本は生産性、利便性から一極集中、都市集中が急速に進んだ。それだから敗戦からたった15年の1960年、小生が9歳の頃にはまだ貧しさはわずかに残っていたが、ひもじさはなかった。
イケイケドンドンで日本は経済大国になったが、故郷など日本人が大切にしてきたモノ、コトなども急速に消えていった。産業から暮らしまで、ここで「日本を洗濯し」、国家の進路を考え直す時ではないかと思う。
また、戦後世界も日本同様に物欲、快楽追及でやってきた。多くのよきものは消えたり、消えかかっているのではないか。一方で「人権」の名のもとにリベラル勢力が力を増し、働かない(働けない)けどカネ寄こせてきな倒錯、共産主義への間違った信仰による中共への支持など間違った思考、行動も増えていった。
世界的なチャイナコロリ禍、いずこの国も民族もその被害対策で苦労している。しかし世界が心を一つにして「21世紀の新しい世界像」を描くにはいい機会かもしれない。一番大きな問題は、このままなら「先進国連合」対「中共連合」に分かれ、新たな冷戦あるいは熱戦が起きかねないことだ。
中共はチャイナコロリをきっかけに習近平降ろし、民主主義化の動き(党内抗争)が高まるかもしれないが、今のところ読めない。普通の国なら国民は意思を表明できるが、異常な独裁国家では国民の不満は表に出ないし、サボタージュや裏技(韜晦)で圧政をかわすから、外野からはなかなか見えない。
しかし、何かが起きる、起きないわけがない、このままでは済まない、という風の臭いはする。世界的な硬軟の中共バッシング、中共のプロパガンダと威嚇、世界の動揺、中共内部の動揺・・・戦後体制が終わって、新しい秩序、新しい世界が模索されることは確かだが、日本や西側世界にとって「良き結果」になるかどうかは分からない。
ただ、西側世界は中共とは最早、これまでのように仲良く(上手く)やっていくことはないだろう。利害、価値観が対立し、とても共有できない。世界秩序の再編、改造、ガラガラポンの時代になろうとしている。(2020/4/7)
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