日々、あんのん。

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大阪での講演会〜座波さん編〜

2020-01-17 15:19:30 | 発達応援

浅見さんと座波さんの講演会の続きです。





休憩を挟んで座波さんのお話がはじまりました。前回、横浜でお聞きしたとき同様、座波さんはびしっとしてはりっとした声のよくとおり、私がバイクの師匠とあおぐ人たち並みに日焼けした臨床心理士さんです。

座波さんのお話は、どこもかしこも頷くことばかりだったのですが、印象に残っているのは、社会には「障害者社会」という特別なルールが通用する特別な世界が存在するわけではないということ。言われてみれば当然なのですが、言われなければ実は「発達障害だから特別扱いしてくれるだろう」と漫然と期待している人はいそうな気がします。

座波さんによると、故意に「発達障害を免罪符に使う人」というのも実際企業にはいらっしゃるそうで、そういう方は「企業に就職しない方がいい」とはっきりおっしゃっていました。それはそうです。企業は発達障害の人を一定時間お預かりしてくれる所ではありませんからね。

でも、人生物心ついた頃から、療育や支援機関でできないことについて、一定の成果がなくても「できないことにも、一生懸命取組んでがんばっていますね」とか「あなたはできることをやればいい、あなたができないことはそれができる人がするから。そうやって助け合えばいいんだよ」というような環境に浸かりきっていたら、期待された成果を出すように仕事してね、という環境はとてもとても耐えられないでしょう。

そのためにジョブコーチという方々も存在しているのでしょうが、その方たちの活躍にについては私にはわかりません。ただ、ジョブコーチの方々が発達障害など障害のある人と企業の仕事上の上手な橋渡しをしているならば、そもそも『発達障害でも働けますか?』という本は存在しなかったかもしれません。座波さんのお話を聞きながら,必要なのは、発達障害のある人と職場の橋渡しではなく本人が仕事をできるようにスキルアップするということで、そのためにはがんばりや踏ん張りが必要で、ああ、やっぱり身体を育てることなくしては、仕事もままならぬ、と強く思ったことでした。

発達障害を不治の病として産業化し、その中でお仕事をする福祉支援ギョーカイ。一方、「治らないのに病院へ行く意義は?」と疑問を抱く、仕事ができる人が欲しい企業。企業と福祉ギョーカイ、求めていることが違うので、まだ当分の間交わることはなさそうだなぁ等と考えることでした。

今回、浅見さんと座波さんおふたりのお話を聞いて、仕事はお金を得ることも大事ですが、単に生活のための日々のルーティンとして存在しているのではなく、人生を充実させ豊かに彩るアイテムで、だからこそ、発達障害云々に関わらず、個々の力に応じて仕事につくことは大事だなぁとしみじみ思いました。

社会という場は他人の「生命、身体、財産」を脅かしさえしなければ、自由に振る舞える懐の深さがあり、実りあるものを得る豊かさがあることをお二人の講演会の話は教えてくださいました。我が子が「仕事ができるかなぁ」と不安を抱く親御さんや就職を前に足踏みしている人たち、多くの人に聞いていただきたいお話でした。

主催してくださった、からだメンタルラボの津田さんありがとうございました。

からだメンタルラボ 大阪を中心に活動するカウンセリングルーム

主催者の津田さんのブログも講演会ことが書かれていて、考える糧になります。

特別講演会「発達障害の自立と未来」終了報告 - 

津田さん、またお邪魔させてくださいませ。

 

コメント
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